【獣医学部応援コンテンツ】PMD医学部予備校がお届けする「獣医師国家資格試験とは?」

前回までは獣医学部の受験について話しましたが、今回は同じ受験でも獣医師国家試験の受験についてお話しします。

獣医師

 

獣医師国家試験とは

獣医師国家試験に合格すると「獣医師」と名乗ることができます。受験資格は「現行の獣医学の正規の課程(6年制)を修めて卒業した者となっています。(ほかにも受験資格がありますが割愛します)

この試験は、例年2月第2週の火・水曜日が試験日で、試験地は「北海道・東京・福岡」の3会場しかありません。合格発表は約1か月後で農林水産省のHPに受験番号が掲示されます。

 

獣医師国家試験の出題内容

 

出題内容

出題数

必須問題

獣医療・獣医学の基本事項、衛生学、臨床的事項のうち重要な事項 50問

学説A

獣医療・獣医学の基本的事項 80問

学説B

衛生学に関する事項・獣医学の臨床的事項 80問

実地C

原則として衛生学に関する事項・獣医学の臨床的事項について獣医療現場で実際に起こり得る症例・事例に関する基本的かつ重要な事項 60問

実施D

原則として衛生学に関する事項・獣医学の臨床的事項について獣医療現場で実際に起こり得る症例・事例に関する対処方法等の総合的な事項 60問

農林水産省 獣医師国家試験出題基準より

 

獣医師国家試験の出題内容は出題基準があり細かく決められています。獣医師は人の生活・取り巻く環境と動物たちとの間に立つ職業です。人と動物両者の健康を守る仕事であると私は認識しています。そのため、国家試験に出題される内容は上記の表を見ていただいてもわかるように病気や治療のことだけが問われるのではなく「衛生」という内容については絶対に問われます。

獣医師を目指す人たちは、獣医師とは動物のクオリティーオブライフを追求することはもちろんのことですが、動物にだけ目を向ける仕事ではないことを心に刻んでおいてほしいと思います。

 

 

獣医師国家試験の難易度

獣医師国家試験の合格率は過去5年の統計では、新卒で平均88.18%、既卒で39.06%です。受験生の皆さんは新卒の合格率を参考にしてください。獣医師国家試験は獣医学部の入学試験とは違い落とす試験ではありません。獣医師として社会の中で仕事をしていくにあたって絶対に知らないといけない内容をしっかり身に着けているかを確認される試験です。つまり、最低限の知識の確認テストということになります。

 

 

獣医師国家試験の勉強

獣医師国家試験対策問題集や過去問題などをひたすら解き、覚えました。どのような試験内容なのか過去問題が気になる方は、農林水産省のHPに過去問題が掲載されていますので確認してください。小動物だけでなく、産業動物も出題されます。試験に出る内容は大学6年間の内、教養学部を除く約4年分ですのでその量は膨大。付け焼刃では太刀打ちできず、国家試験に落ちてしまうと就職取り消しになりますので、本当に落ちることができない試験です。

 

獣医師国家試験過去問

<67回獣医師国家試験過去問題集>

 

獣医師国家試験と獣医師の仕事

「数学なんか勉強して将来何かの役に立つの?」なんてことを、誰しも1回は言ったことがあると思います。

では、獣医師国家試験の内容や勉強が今の私の仕事の役に立っているかどうか?

実は、勉強中は「これを知ってて臨床獣医師の役に立つか?」と苦しい時に思ったことがあります。しかし、実際に仕事を始めるととんでもない。絶対に必要な知識でした。特に解剖・生理学は後になっておろそかにすると痛い目を見るし、もう一度やり直さなければいけない分野でした。家を建てるときのことを考えると、この分野は基礎であり骨組みです。ちゃんとしておかないと家が傾き住めなくなります。

わからない、覚えられないと泣きたくなりながら覚えた国家試験での知識が何年もたっていかされていて、欠かすことができないことだと気づきました。無駄に思えても、何一つ無駄なことはないのですね。

 

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