フィリピン医学部から日本の医師を目指す道|入学・進級・卒業・予備試験・医師国家試験まで
フィリピン医学部は、日本の高校卒業後にそのまま医学部医学科へ入る日本型とは異なり、原則として学士号取得後に医学部へ進むメディカルスクール型の制度をとります。
英語で医学を学べる点は大きな魅力ですが、その一方で、NMAT、英語での基礎医学、進級、臨床実習、卒業後の制度確認まで、長い道のりを見据えた準備が必要です。
特に日本で医師として働くことを考える場合、外国医学部を卒業しただけで自動的に日本の医師国家試験を受けられるわけではありません。
厚生労働省の受験資格認定、医師国家試験予備試験、1年以上の診療および公衆衛生に関する実地修練、その後の医師国家試験までを見据える必要があります。
本記事では、フィリピン医学部進学者が実際に直面しやすい流れをもとに、入学から進級、卒業、日本の医師国家試験予備試験、実地修練、医師国家試験までを「経験者視点の再構成」として記述しています。
特定個人の実名体験談ではなく、進路設計に役立つよう一般化した内容です。
フィリピン医学部とは何か
フィリピン医学部は、英語で医学を学べる海外医学部ルートとして、日本人にも関心を持たれてきました。
ただし、日本の医学部医学科とは制度が異なります。日本では高校卒業後、大学医学部医学科に6年間通うのが一般的ですが、フィリピンでは学士号取得後に医学部、すなわちDoctor of Medicine課程へ進む仕組みが中心です。
そのため、フィリピン医学部を考える際には、「海外医学部に入る」という一点だけでなく、学士号、NMAT、英語での医学教育、進級、卒業、現地での制度、日本の医師国家試験予備試験までを一つの流れとして理解することが重要です。
授業・教材・試験の多くを英語で処理する必要があります。英語力だけでなく、英語で理科・医学を理解する力が重要です。
日本型の医学部入試とは異なり、学士号取得後に医学部へ進むメディカルスクール型の流れを理解する必要があります。
卒業後にフィリピンで医師を目指すのか、日本の医師国家試験を目指すのかで、準備すべき内容が変わります。
入学条件|学士号・NMAT・英語力
フィリピン医学部入学を考える際、まず押さえるべきなのは、学士号とNMATです。
NMATはNational Medical Admission Testの略で、フィリピンの医学校入学希望者に対する標準化試験です。
CEMのNMAT案内では、フィリピンの医学校入学には、学士号を取得していること、NMATを受験することなどが前提として示されています。
日本人がフィリピン医学部を目指す場合、単に「英語が得意」というだけでは足りません。
英語で理科を理解し、英語で試験問題を読み、英語で医学を学び続ける準備が必要です。
日本語で生物や化学を理解していても、英語で出題されると処理速度が落ちることがあります。
| 準備項目 | 必要な内容 | PMDでの対策 |
|---|---|---|
| 英語 | 講義、試験、医学用語を英語で理解する力 | 医学英語・理系英語・読解力をマンツーマンで補強 |
| 生物 | 細胞、遺伝、人体、代謝、免疫など医学につながる基礎 | 日本語で概念整理後、英語用語へ接続 |
| 化学 | 有機化学、酸塩基、化学平衡、分子構造など | 生化学・薬理学につながる基礎として指導 |
| NMAT | 医学部入学のための適性・学力確認試験 | 英語での理科・読解・論理処理を意識した準備 |
| 面接・志望理由 | なぜフィリピンで医学を学ぶのかを説明する力 | 日本語で内容を深め、英語で伝える練習まで対応 |
進級の壁|英語で医学を学び続ける難しさ
フィリピン医学部で最初に大きな壁になるのは、入学後の進級です。
解剖学、生理学、生化学、病理学、薬理学など、日本語で学んでも難しい医学基礎科目を、英語で理解し、英語の試験に対応しなければなりません。
入学前には「英語で授業を受けること」が不安に見えますが、実際にはそれ以上に、「英語で大量の医学情報を処理し続けること」が大きな負担になります。
講義を聞く、教科書を読む、試験範囲を整理する、過去問を解く、レポートを書く。
これらを英語で継続するためには、学習計画と復習管理が不可欠です。
フィリピン医学部に進んだ学生が最初に感じやすいのは、「授業についていくこと」だけでなく、「自分で学習を整理すること」の難しさです。
講義は進み、試験は次々に来ます。完璧に理解してから進もうとすると追いつけなくなるため、講義、復習、用語整理、問題演習を短い周期で回すことが重要になります。
卒業までの学び|臨床実習と医学知識の整理
フィリピン医学部の後半では、臨床医学と臨床実習の比重が高まります。
ここでは、単に教科書知識を暗記するだけでは不十分です。症状、身体所見、検査値、鑑別診断、治療方針をつなげて考える力が必要になります。
日本で医師を目指す場合には、フィリピンで英語で学んだ医学を、日本語の医学用語と日本の試験体系に置き換える準備も必要です。
たとえば、英語で respiratory failure と学んだ内容を、日本語で「呼吸不全」として理解し、日本の医師国家試験や予備試験で問われる病態・検査・治療の文脈で説明できるかが重要になります。
英語で理解した医学知識を、正確に整理する。
日本の試験・診療で使われる用語に接続する。
症例、検査、診断、治療方針まで一連の流れで理解する。
日本の医師を目指すルート|予備試験・実地修練・医師国家試験
フィリピン医学部を卒業後、日本で医師として働くことを目指す場合、厚生労働省の受験資格認定制度を理解しておく必要があります。
外国の医学校を卒業した方が日本の医師国家試験を受験するには、厚生労働大臣の認定が必要です。
認定の結果は、医師国家試験を直接受験できる場合、医師国家試験予備試験の受験資格が認定される場合、認定が認められない場合があります。
予備試験ルートの場合は、医師国家試験予備試験に合格した後、さらに1年以上の診療および公衆衛生に関する実地修練を経て、医師国家試験の受験へ進む流れになります。
| 段階 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | フィリピン医学部入学 | 学士号、NMAT、英語力、大学ごとの要件を確認 |
| 2 | 進級・基礎医学 | 解剖・生理・生化学・病理・薬理などを英語で学ぶ |
| 3 | 臨床医学・臨床実習 | 症例、検査、診断、治療を臨床文脈で理解する |
| 4 | 医学部卒業 | 卒業は日本の医師国家試験受験資格を自動的に意味しない |
| 5 | 厚労省の受験資格認定申請 | 個別審査が前提。大学単位で一律に認定されるわけではない |
| 6 | 医師国家試験予備試験 | 基礎医学、臨床医学、実地試験への対応が必要 |
| 7 | 1年以上の実地修練 | 診療および公衆衛生に関する実地修練を行う |
| 8 | 日本の医師国家試験 | 合格後、日本の医師免許取得へ進む |
「フィリピン医学部を卒業すれば日本の医師国家試験を受けられる」と単純に考えるのは危険です。
厚生労働省による個別の受験資格認定が必要であり、予備試験ルートとなる場合には、予備試験合格後に1年以上の実地修練を経て、医師国家試験へ進むことになります。
経験者視点で見る、日本の予備試験ルートの厳しさ
フィリピン医学部を卒業した経験者が日本の予備試験ルートに進む場合、大きな壁になるのは「英語で学んだ医学を、日本語の試験体系に置き換えること」です。
フィリピンで学んだ医学知識が無駄になるわけではありません。むしろ、英語で医学を学び、臨床実習を経験していることは大きな財産です。
しかし、日本の予備試験や医師国家試験では、日本語の医学用語、日本の診療文脈、日本の試験形式に合わせて知識を再構成する必要があります。
ここで苦戦するのは、医学知識がないからではなく、知識の言語と試験の形式が異なるからです。
英語で理解した病態・薬理・診断を、日本語の医学用語と国家試験型の表現へ置き換える必要があります。
基礎医学、臨床医学、実地試験まで幅広く問われるため、独学で優先順位をつけるのが難しくなります。
日本語で患者情報を聞き取り、説明し、記録し、診察する能力まで見られるため、医学知識だけでは不十分です。
PMD海外医学部コースでできること
PMD医学部専門予備校の海外医学部コースでは、フィリピン医学部を目指す方に対して、単なる入学情報の提供ではなく、入学前、進級、卒業後の日本の医師国家試験までを見据えた学習設計を重視しています。
生物・化学・物理を日本語で理解するだけでなく、英語で出題されても対応できるように用語と概念を接続します。
フィリピン医学部入学を見据え、英語読解、理科基礎、論理的理解、面接準備を個別に整理します。
入学後につまずきやすい解剖、生理、生化学、病理、薬理につながる基礎を早期に固めます。
海外で学ぶ英語医学と、日本の予備試験・医師国家試験で必要な日本語医学をつなげる学習を重視します。
PMD海外医学部コースでは、フィリピン医学部入学準備、NMAT対策、英語での理科科目対策、医学英語、面接対策、学習管理までマンツーマンでサポートします。
このような方におすすめです
- 国内医学部だけでなく、海外医学部も選択肢として考えている方
- フィリピン医学部、チェコ医学部、イタリア医学部などを比較したい方
- 英語で医学を学ぶことに関心がある方
- NMATや英語理科の準備に不安がある方
- フィリピン医学部卒業後、日本の医師国家試験予備試験を見据えたい方
- 入学後の進級、卒業、日本での医師資格取得まで長期的に相談したい方
よくある質問
フィリピン医学部は日本の高校卒業後すぐに入れますか?
日本の医学部とは制度が異なり、フィリピン医学部は原則として学士号取得後に進むメディカルスクール型です。大学やプログラムごとの条件確認が必要です。
NMATとは何ですか?
NMATはNational Medical Admission Testの略で、フィリピンの医学校入学希望者に対する標準化試験です。英語での読解力、理科基礎、論理的理解が重要になります。
フィリピン医学部を卒業すれば、日本の医師国家試験をすぐ受けられますか?
自動的に受験できるわけではありません。外国医学部卒業者は、厚生労働大臣による受験資格認定が必要です。認定結果によっては、医師国家試験予備試験、1年以上の実地修練を経て医師国家試験へ進む流れになります。
PMDではどの段階から相談できますか?
フィリピン医学部を検討し始めた段階、NMATや英語理科に不安がある段階、日本の医師国家試験予備試験まで見据えたい段階など、早期から相談できます。現在の英語力、理科の到達度、進路希望を踏まえて学習計画を立てます。
フィリピン医学部は、英語で医学を学べる魅力的な進路です。
しかし、日本で医師として働くことを目指すなら、入学条件、進級、卒業後の制度、医師国家試験予備試験、1年以上の実地修練、医師国家試験までを見据える必要があります。
PMD海外医学部コースでは、受験前から長期的な進路設計をサポートします。
岩崎 陽一|PMD医学部専門予備校・株式会社アクト代表
PMD医学部専門予備校を運営し、国内医学部受験、医学部編入、海外医学部進学、医師・歯科医師・薬剤師・獣医師・看護師・公認心理師などの医療系国家試験対策まで、医療系教育に特化した個別指導事業を展開。
海外医学部進学については、単なる入学情報ではなく、入学後の進級、卒業後の医師免許、日本の医師国家試験予備試験まで含めた長期的な進路設計を重視して情報発信を行っています。

