防衛医科大学校の受験情報│入試問題の傾向と対策

防衛医科大学校

 

防衛医科大学校概略

防衛医科大学校(防衛医大)は、1973(昭和48)年に設立された防衛省の施設等機関であり、一般的な大学とは異なる独自の教育・研究体制を持つ特別な学校です。「医師である幹部自衛官」の育成を唯一無二の使命とし、高い倫理観と優れた診療能力に加え、自衛隊の任務を遂行するための強靭な体力と統率力を兼ね備えた医療人の養成に邁進しています。

埼玉県所沢市の広大なキャンパスに位置し、隣接する「防衛医科大学校病院」は、特定機能病院として救急・高度医療の重要な拠点となっています。同院は地域医療の最後の砦として機能すると同時に、国際貢献活動や災害派遣、自衛隊独自の特殊な事態(武力紛争やテロ、感染症パンデミックなど)に対応できる特殊医療(防衛医学)の実践・研究機関としての重責を担っています。

本学の大きな特徴は、学生全員が特別職国家公務員(自衛隊員)として扱われ、学費が無料であるだけでなく、手当(給与)が支給される点にあります。全寮制による規則正しい集団生活のもと、他大学にはない強固な絆と、将来の部隊を率いるリーダーシップ(統率力)が日常的に培われる環境が整っています。

「生命の尊厳」に対する深い畏敬の念と、国家・国民に尽くす高いプロフェッショナリズムを基盤に据え、目の前の患者に誠実に向き合いながらも、国内外の災害救助や国際平和協力活動の最前線で指揮を執る、誠実で力強い医療人を数多く世に送り出し続けています。

防衛医科大学校の特徴

1.唯一無二の学問体系「防衛医学」の教育と研究

通常の医学教育に加え、戦傷医療、爆発傷や火傷の処置、NBC(放射線・生物・化学)兵器や感染症への対応、さらには特殊環境(高空、潜水、極寒など)での生理学を学ぶ「防衛医学」を体系的に展開。国内外の危機管理や災害派遣の現場で即座に対応できる、高度な特殊技能を修得できます。

2.全寮制での集団生活が育む強い「統率力」と同期の絆

6年間の全寮制生活を通じて、幹部自衛官に求められる規律、協調性、そして部下を率いるリーダーシップを実践的に学びます。苦楽を共にする同期生や先輩・後輩との間で結ばれる絆は極めて強固であり、卒業後も自衛隊という巨大な組織の中で強固な協力体制を築く基盤となります。

3.特定機能病院での診療参加型実習と高度救急医療

防衛医大病院での「クリニカル・クラークシップ(臨床実習)」は、非常に実践的です。病院には「防衛医療総合センター」が設置されており、一分一秒を争う重症救急医療や、各種テロ・大規模災害を想定した訓練に直結する臨床経験を積むことで、高度な臨床推論能力と判断力を身につけます。

4.国際貢献と直結したグローバルかつ手厚いキャリアパス

国際医学教育基準(WFME)の認証に対応したカリキュラムを運用。卒業後は全国の自衛隊病院や部隊の医官として勤務し、PKO(国連平和維持活動)や国際緊急援助隊などの海外派遣プログラムに参加するチャンスが豊富にあります。身分が国家公務員であるため、卒業後の研修支援体制も極めて手厚いのが特徴です。

教育理念と3つのポリシー

防衛医科大学校では、高い専門知と強固な自衛官の精神をもって国家および国際社会の安全と健康を先導するリーダーを育成するため、以下の3つのポリシーを定めています。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

医学・生命科学を修めるための極めて高い基礎学力と、自衛官としての任務を遂行するための健やかな心身を備えた人物を求めています。生命への深い畏敬の念を持ち、高い倫理観と強い使命感があること、そして全寮制の集団生活に順応できる協調性を持ち、将来、わが国の防衛医療、大災害時における医療、国際貢献の最前線で最高峰のリーダーシップを発揮したいという大志を持つ人を重視します。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

一般医学カリキュラム(基礎・臨床・社会医学)と、防衛医学、さらには幹部自衛官としての知識・体力を養う「防衛訓練」を有機的に融合した高密度な一貫教育を展開しています。能動的学習(PBL)やシミュレーション教育を経て、特定機能病院および自衛隊関連医療機関での質の高い診療参加型臨床実習(クリニカル・クラークシップ)を配置。世界水準の臨床能力と、特殊環境に対応できる防衛医学能力を体系的に育成します。

ディプロマ・ポリシー(学位授与・卒業の方針)

医師として必要な卓越した専門知識・確かな診療技能、そして幹部自衛官としての高いプロフェッショナリズムと指揮・統率能力を確実に修得したと認められる者に卒業が認められます(学位授与機構により医学士の学位を授与)。多職種を牽引する優れたコミュニケーション能力を身につけ、生涯にわたり自律的に学び続けながら、国家の安全保障、災害派遣、国際社会の健康増進に多大なる貢献をする姿勢を備えた者に卒業が認められます。

 

防衛医科大学校ホームページ紹介

防衛医科大学校

防衛医科大学校医学科

防衛医科大学校医学科_入試情報

アドミッション・ポリシー

 

基本情報

住所 埼玉県所沢市並木3-2
初年度納入金額 0
学納金6年間総額 0
募集人数 約85名
偏差値 69.8
主な就職先 防衛医科大学病院、自衛隊中央病院
男女比

入試情報

前期
出願期間 2025/7/1(火)~2025/10/8(水)
試験日 第1次:2025/10/25(土)
第2次:2025/12/17(水)~2025/12/19(金)
合格発表日 第1次:2025/12/2(火)
最終:2026/1/30(金)
1次試験
教科 科目 選択 配点
外国語 英語コミュニケーション(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)、論理・表現(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) 必須 -
数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数学A・B(数列)・C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面) 必須 -
国語 現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語(すべて古文・漢文を除く。) 必須 -
理科 『物理基礎・物理』『化学基礎・化学』『生物基礎・生物』 2科目選択 -
小論文 - 必須 -
2次試験
教科 科目 選択 配点
口述試験 - 必須 -
身体検査 - 必須 -
※内容には変更等の可能性もございます。必ず大学の「入学者選抜要項」「学生募集要項」やホームページなどで、ご確認をお願い致します。

医師国家試験 合格率

回数(実施年) 受験者数 合格者数 合格率
第120回(2026年) 90人 79人 87.8%
第119回(2025年) 81人 76人 93.8%
第118回(2024年) 72人 70人 97.2%
第117回(2023年) 76人 70人 92.1%
第116回(2022年) 77人 72人 93.5%
第115回(2021年) 80人 78人 97.5%
第114回(2020年) 81人 76人 93.8%
第113回(2019年) 86人 74人 86.0%
第112回(2018年) 90人 80人 88.9%
第111回(2017年) 88人 75人 85.2%

防衛医科大学校 医学部入試 傾向と対策

 

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防衛医科大学校の受験を検討している方は、特殊な義務や環境だけでなく、秋口に行われる超難関試験を突破するためのスピード対策、国公立最難関校との併願戦略、医官への適性を問われる口述試験(面接)対策まであわせて確認しておくと、受験戦略の精度が上がります。

防衛医大の一般選抜は、その難易度の高さと時期(10〜11月実施)から、東大理三をはじめとする国公立最難関層が実力試しや前哨戦として大挙して受験します。最高峰の記述試験で競り勝つための学力水準や、双方の出題傾向の違いを比較・分析するのに役立ちます。

首都圏圏内の超難関国立医学部を第一志望とする受験生が、併願先として最も意識する大学の一つです。極めてタイトな時間制限の中で大量の問題を処理する防衛医大の択一式・記述式対策と、単科医大最高峰の重厚な思考力を試す入試問題の対策を並行して進めるための参考にしてください。

防衛医科大学校の第2次試験では、通常の人物評価に留まらず、自衛隊の幹部候補生・医師(医官)としての規律や適性、集団生活(全寮制)への順応力が非常に厳しく問われる口述試験が課されます。一般的な医大面接とは一線を画す、防衛医大特有の質問への心構えと対策が確認できます。

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アクセス

監修者紹介
岩崎陽一

株式会社アクト代表。PMD医学部専門予備校をはじめ、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・心理師・獣医師向けの各専門予備校を運営。長年にわたり、医学部受験、医療系学部受験、医療系国家試験対策に携わってきました。

PMD医学部専門予備校では、従来型の大教室授業ではなく、マンツーマン指導、生成AIの実践的活用、最新のITによる学習管理を組み合わせた指導体制を重視。受験生一人ひとりの状況に応じた学習設計と、答案作成まで見据えたアウトプット中心の支援を行っています。

医学部受験においては、単に知識を教えるだけでなく、「わかる」から「解ける」へと変える指導こそが重要であるという立場から、受験情報、学習法、小論文・面接対策、推薦入試、通信制高校からの進学、海外医学部進学など幅広いテーマで発信を続けています。