2026年度 国公立大学医学部(医学科)志願者数が減少した理由と全大学前年比一覧——前期日程確定値

2026年度入試分析レポート
国公立大学医学部の志願者数が減少
——2026年度入試の全体像と傾向を徹底分析
2026年2月確定志願者数データをもとに、PMD医学部専門予備校が現状を分析します。

📋 この記事でわかること
  1. 2026年度 国公立大学医学部 志願者数の全体的な減少状況
  2. 系統別・地域別のトレンドと背景要因
  3. 国公立大学医学部医学科 全大学 対前年比較表(前期日程)
  4. 受験生が知っておくべき出願戦略のポイント

2026年度 医学部志願者数の全体概況

2026年度(令和8年度)の国公立大学医学部医学科入試(前期日程)は、志願者数・倍率ともに前年を下回る結果となりました。全国的な大学志願者数がほぼ横ばい(前年比約100%)であるなか、医学部への志願者減少は際立っており、受験生の行動変化を反映した注目すべきデータとなっています。

2026年度 募集定員(前期)
3,522人
前年比 −28人
2026年度 志願者数(前期)
14,520人
前年比 −787人(指数94.9)
2026年度 志願倍率(前期)
4.12倍
前年4.3倍から低下
📊 データ出典について
上記は代々木ゼミナール発表データをもとに朝日新聞Thinkキャンパスが集計したもの(前期のみ、医学科)。m3.com集計値(各大学HP)では志願者数14,719人・倍率4.2倍を記録。集計対象・時点の差異による若干の数値差があります。

系統別集計(前期のみ)
系統 募集人員 志願者数 志願倍率 対前年増減 対前年指数
医学 3,522人 14,520人 4.12倍 −787人 94.9
歯学 453人 1,935人 4.27倍 −68人 96.6
薬学 836人 2,952人 3.53倍 −196人 93.8
看護 4,053人 9,714人 2.40倍 −618人 94.0
工学 21,853人 61,344人 2.81倍 +1,847人 103.1
経済 7,940人 25,747人 3.24倍 +489人 101.9
出典:代々木ゼミナール発表資料をもとに朝日新聞Thinkキャンパス編集部作成(2026年2月)

なぜ医学部志願者は減少したのか
① 後期日程廃止の影響

旭川医科大・山形大・佐賀大の3大学が後期日程を廃止。医学部志願者全体の延べ人数を押し下げた。

② 大都市圏での顕著な減少

駿台・ベネッセ「データネット2026」によると第一志望者は前年比9.0%減(延べ20,180人)。特に関東・甲信越・近畿での減少が目立つ。

③ 工学・AI系への理系上位層の分散

工学系は前年比103.1(+1,847人)と大幅増。AI・情報系への高まる関心が一部の医学部志望者を吸収した可能性がある。

④ 新課程2年目・隔年現象の複合

旧課程生への配慮消滅と、前年大幅増の大学への「隔年現象」が同時に作用。大学ごとの増減幅が際立つ結果となった。

2026年度 国公立大学医学部医学科
全大学 対前年比較表(前期日程・一般枠)
【データ出典と注意事項】
・2026年度志願者数:グリットメディカル(2026年2月7日確定値、医学科一般枠前期)
・東京大・京都大については朝日新聞Thinkキャンパス(代々木ゼミナール資料)の数値も参照
・地域枠を含む大学は集計基準が異なる場合があります。また大学によって2025→2026年で募集人員が変更されています。
・「—」はデータ取得中または公式確定値を要確認の大学です。

地域 大学名 2025年度
志願者数
2026年度
募集人員
2026年度
志願者数
2026年度
志願倍率
対前年
増減
対前年
指数
北海道
国立 旭川医科大学 147人 48人 273人 5.69倍 +126人 185.7
国立 北海道大学 298人 確認中
公立 札幌医科大学 70人※ 確認中
東北
国立 弘前大学 458人 70人 391人 5.59倍 −67人 85.4
国立 東北大学 231人 78人 311人 3.99倍 +80人 134.6
国立 秋田大学 314人 45人 263人 5.84倍 −51人 83.8
国立 山形大学 348人 73人 275人 3.77倍 −73人 79.0
公立 福島県立医科大学 隔年▲ 132人 95人 512人 5.39倍 +380人 388.0
関東
国立 筑波大学(医学類) 157人 確認中 3.04倍
国立 群馬大学 341人 確認中 確認中
国立 千葉大学 238人 92人 338人 3.67倍 +100人 142.0
国立 東京大学(理科三類) 388人 97人 377人 3.9倍 −11人 97.2
国立 東京科学大学 302人 69人 251人 3.64倍 −51人 83.1
公立 横浜市立大学 284人 確認中 確認中
甲信越・北陸
国立 新潟大学 319人 80人 367人 4.60倍 +48人 115.0
国立 富山大学 隔年▼ 562人 確認中 確認中
国立 金沢大学 238人 79人 319人 4.04倍 +81人 134.0
国立 福井大学 隔年▲ 210人 55人 503人 9.15倍 +293人 239.5
国立 信州大学 276人 85人 307人 3.61倍 +31人 111.2
東海
国立 名古屋大学 253人 確認中 確認中
国立 岐阜大学 156人 55人 223人 4.05倍 +67人 143.0
国立 浜松医科大学 340人 71人 435人 6.13倍 +95人 127.9
国立 三重大学 反動増▲ 249人 75人 267人 3.56倍 +18人 107.2
公立 名古屋市立大学 207人 確認中 確認中
近畿
国立 滋賀医科大学 隔年▼ 389人 60人 273人 4.55倍 −116人 70.2
国立 京都大学(医学科) 301人 103人 267人 2.6倍 −34人 88.7
国立 大阪大学 269人 確認中 確認中
国立 神戸大学 299人 確認中 確認中
公立 京都府立医科大学 267人 93人 309人 3.32倍 +42人 115.7
公立 大阪公立大学 196人 85人 260人 3.06倍 +64人 132.7
公立 奈良県立医科大学 48人※ 確認中 確認中
公立 和歌山県立医科大学 278人 確認中 確認中
中国
国立 鳥取大学 隔年▲ 383人 78人 436人 5.59倍 +53人 113.8
国立 島根大学 隔年▲ 320人 58人 430人 7.41倍 +110人 134.4
国立 岡山大学 335人 95人 297人 3.13倍 −38人 88.7
国立 広島大学 隔年▼ 487人 90人 371人 4.12倍 −116人 76.2
国立 山口大学 隔年▲ 204人 55人 438人 7.96倍 +234人 214.7
四国
国立 徳島大学 224人 確認中 確認中
国立 香川大学 323人 76人 372人 4.89倍 +49人 115.2
国立 愛媛大学 516人 55人 471人 8.56倍 −45人 91.3
国立 高知大学 334人 59人 322人 5.46倍 −12人 96.4
九州・沖縄
国立 九州大学 252人 確認中 確認中
国立 佐賀大学 238人 51人 274人 5.37倍 +36人 115.1
国立 長崎大学 446人 66人 502人 7.61倍 +56人 112.6
国立 熊本大学 隔年▼ 467人 86人 286人 3.33倍 −181人 61.2
国立 大分大学 285人 65人 316人 4.86倍 +31人 110.9
国立 宮崎大学 382人 確認中 確認中
国立 鹿児島大学 隔年▼ 440人 69人 307人 4.45倍 −133人 69.8
国立 琉球大学 328人 70人 314人 4.49倍 −14人 95.7
2025年度出典:メルリックス学院(2025/05/22確定) / 2026年度出典:グリットメディカル(2026年2月7日確定) / 東大・京大は朝日新聞Thinkキャンパス(代々木ゼミナール)も参照
隔年▲=前年大幅減の反動増 / 隔年▼=前年大幅増の反動減 / ※=一般枠のみの数値

隔年現象が顕著な大学——目先の倍率に惑わされるな

今年の一覧表で特に目立つのは、前年の志願者数増減が翌年に逆転する「隔年現象」です。倍率だけを見て志望校を選ぶと、翌年に激変する可能性があります。

2026年に激増した大学(前年激減の反動)
  • 福島県立医科大:132→512人(+388%)
  • 山口大:204→438人(+214.7%)
  • 福井大:210→503人(+239.5%)
  • 旭川医科大:147→273人(+185.7%)
2026年に激減した大学(前年激増の反動)
  • 熊本大:467→286人(指数61.2)
  • 鹿児島大:440→307人(指数69.8)
  • 滋賀医科大:389→273人(指数70.2)
  • 広島大:487→371人(指数76.2)

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まとめ

2026年度の国公立大学医学部入試において、前期日程の志願者数は前年比約5%減(指数94.9)と明確な減少を示しました。しかし大学別に見ると、前年激減の反動で3〜4倍に膨れ上がった大学と、前年激増の反動で4割前後も激減した大学が並立するという、極めて激しい隔年現象が続いています。

全体倍率の低下が「医学部が易しくなった」を意味しないことは、この大学別データが明確に示しています。正確なデータ分析と複数年トレンドの把握が、志望校決定において今まで以上に重要です。

岩崎 陽一(いわさき よういち)
株式会社アクト 代表取締役

PMD医学部専門予備校をはじめ、CES医師・歯科医師・薬剤師国試予備校、Meg看護師・獣医師・心理師国試予備校など7校を運営する株式会社アクトの代表。30年以上にわたる医学部受験指導。株式会社アクトでは「教育の提供を通じて地域医療に貢献する」を社是としている。