PMD生物科指導方針

 

「医学部の入試科目の中でも、生物はちょっと特殊だ。」

「教科書や参考書を一通り勉強しても、まったく点が取れない問題や参考書に載っていない事項が多い。」

とよく話題にされます。

 

それもそのはずです。入試科目の生物学そのものが、日々新しい知見によって改められ書き換えられていく教科だからです。そして医学部で学ぶ専門分野の基礎をなす知識とその思考力が、生物学の学習によって形作られていくからです。また難しい問題が出される理由は、データ解析問題などを通じて情報判断力や最先端の科学的知識が、常に要求されているからです。

 

生物の入試問題を難しく感じるのも当然で、医療に携わる者としての姿勢や適正が生物の入試で試されている証拠です。

 

このことを踏まえたうえで、基礎から実践まで段階的に学習していきます。

 

基礎力養成期間(4月~10月)

 

・生物の事象理解と実力向上

 

生物の分野は、広く多岐にわたる。過去の医学部入試は、割と分野が限定されることが多かったが、今日ではそれは無くなりつつあるのが現状です。従って全分野を網羅する必要があります。さらに、その分野だけの出題は少なく、外の分野と関連させた問題が出題されることが多いです。特に、遺伝子関係は最先端の知見を題材に出題されることがあり、常に新情報の勉強が必要です。

 

生物の内容を細胞から生態系まで約25分野に分け、順次一つ一つ丁寧に再勉強していく。参考書または問題集は、基礎的な内容のものを使用する。これは共通テストレベルの対応を可能にするためです。しかし、これだけでは細かい知識が必要とされる医学部入試には対応できません。そのために、かなり深い内容の医学部入試対応テキストを用意しています。これも同時に学習を進めます。つまり、基礎を勉強し、深い内容を学び、その生物学的意義や意味を考える作業です。

 

授業では分野ごとまたは単元ごとに、内容を理解したかどうかの小テストや確認テスト、定期テストをします。テストは、全国各大学の過去問からその分野の典型的なパターンの問題を用いています。この確認作業が理解を定着させる大切な学習です。

 

この基礎力養成期間が、医学部生物入試には大切で時間がかかりますが、医療生物学を勉強する感動が培われます。

 

実践力養成期間(11月~1月)

 

医学部生物の入試問題は各大学の特色がかなり強く、その様式も問題を見れば○○大学と判断できるものが多いのが特徴です。特に私立医学部はその傾向が強く、受験生には慣れが必要です。

 

つまり、自分に合う傾向の問題を出題する大学を選択する必要性が生じる場合があります。そのためには過去問の実践演習を通じて何回も反復練習をし、学習することが大切です。また、記述力向上のための指導も欠かせません。

 

この実践力養成期間では、医学部実力試験や過去問演習、各大学の医学部プレテストなど様々な練習を通じて、入試レベルの問題が解けるよう学習します。