東北大学医学部受験対策
偏差値・入試日程から科目別対策まで徹底解説
大学基本情報
偏差値情報
医学部医学科:67.5~70
共通テスト得点率:85~87%
※河合塾・駿台調べ
学費情報(医学部)
入学料:282,000円
年間授業料:535,800円
6年間総額:約350万円
※国立大学標準額
合格状況
募集人員:約77名
志願者数:約289名
合格倍率:約3.6倍
※前期日程
東北大学医学部の特徴
東北大学医学部は、「研究第一主義」の伝統を持つ、東日本を代表する医学部です。旧帝国大学の一つとして長い歴史を持ち、世界トップレベルの研究力と優れた医学教育を提供しています。「門戸開放」の理念のもと、全国から優秀な学生を受け入れており、リサーチマインドを持った医師・医学研究者の養成に力を入れています。
アクセス
星陵キャンパス:
仙台市営地下鉄南北線「北四番丁駅」から徒歩約10分
JR「仙台駅」からバスで約15分
入試日程
入試区分 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 | 募集人数 |
---|---|---|---|---|
前期日程 | 1月下旬~2月上旬 | 2月下旬 | 3月上旬 | 77名 |
AO入試Ⅱ期 | 10月中旬 | 11月上旬〜中旬 | 11月上旬〜下旬 | 15名 |
AO入試Ⅲ期 | 1月下旬 | 2月上旬 | 2月上旬〜中旬 | 12名 |
国際バカロレア入試 帰国生徒入試 私費外国人留学生入試 |
‐ | ‐ | ‐ | 3名 |
入試科目と配点
合格のための3つの柱
1. 共通テストで安定した得点
85%以上の得点率を目指し、全科目でバランスよく得点することが重要です。
2. 二次試験の高い記述力
配点が高い二次試験で、深い思考力と正確な記述力を発揮することが合格の鍵です。
3. 面接での医師適性アピール
医師としての資質と研究への興味を明確に示し、高得点を確実に取ることが重要です。
保護者の皆様へ
お子様の東北大学医学部受験への挑戦を全力で支援してください。旧帝国大学の医学部は、日本最高峰の医学教育と研究環境を提供します。東北大学は「門戸開放」の精神で全国から優秀な学生を受け入れており、出身地域を問わず実力で評価されます。
受験は長期戦です。お子様の健康管理とメンタルサポートを含め、家族一丸となって取り組むことが大切です。
前期日程(二次試験)
科目 | 出題範囲 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|
数学 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C | 150分 | 600点 |
理科 | 物理・化学・生物から2科目選択 | 150分 | 600点 |
英語 | コミュニケーション英語・論理表現 | 100分 | 600点 |
面接 | 個人面接 | – | 400点 |
共通テスト
科目 | 配点 |
---|---|
国語 | 100点 |
数学(数ⅠA + 数ⅡBC) | 100点 |
理科(2科目) | 100点 |
外国語(英語) | 100点 |
地歴公民(1科目) | 100点 |
情報 | 50点 |
入試の特徴と対策ポイント
入試傾向
東北大学医学部の数学は、理系学部の共通問題となっています。大問が6題、制限時間は150分です。大問の中に小問が設けられており、段階的に解答を進めることができます。誘導形式の大問もあり、誘導に従って解き進めることができる一方で、前半の小問でつまずくと大問全体で失点が多くなりがちな点に注意が必要です。
◯解答形式
すべての大問・小問が記述式となっています。答えだけではなく、解答に至るまでの道筋や図、式や計算過程なども丁寧に記述する必要がある形式です。部分点を得るチャンスがある一方で、記述が不十分だと減点対象になるリスクがあります。単に正答を導くだけでなく、思考過程を論理的に示す能力も問われることを理解しておきましょう。
◯出題分野
すべての分野から出題されると考えましょう。東北大学理系数学の頻出分野を挙げるとすれば、微分・積分や確率が多く出題される傾向があります。東北大学の理系数学では数学Ⅲや数学Cも出題範囲に含まれており、
2024年
- 大問3で複素数平面(数学Ⅲ)
- 大問5で微分(数学Ⅲ)
- 大問6で関数の極限(数学Ⅲ)
2025年
- 大問4が微分・積分と数列の極限(数学Ⅲ)
- 大問5が空間ベクトル(数学C)
→数学Ⅲや数学Cからの出題が見られました。ただし、数学Ⅱ・数学Bまでの範囲で解答できる問題も出題されており、一部は文系学部との共通問題になっています。理系だからといって文系数学の範囲を軽視しないようにしてください。
◯難易度
東北大学理系数学の難易度については、極端な難問こそないものの、標準的な入試問題よりはややレベルが高めの出題が多い傾向があります。典型問題をきちんと解く力があるかどうかに加えて、教科書や問題集などに出てくるやや難しめの問題にも普段から取り組んでいるかが得点を左右することになりそうです。
◯証明問題
東北大学の理系数学では、証明問題も出題されます。
- 2024年:大問2で対数関数についての証明問題
- 2025年:大問1で確率に関する証明問題、大問5で空間ベクトルや図形に関する証明問題
他の問題よりさらに論理を正確に示す必要があり、文字の置き方や論理的な記述に役立つ表現などが身についているかも得点に影響します。
入試対策
数学的な思考を論理的に記述する練習
- 東北大学医学部数学の入試対策としては、数学的な思考を論理的に記述する練習を重ねることが大切です。
- 全問が記述式となっているため、考え方の方針を日本語で示したり、適切な図や式を示して論理を明確に伝えたりする練習を重ねましょう。
- 自分の答案が論理的に十分かどうかを判断する際には、学校や予備校の先生などに答案を添削してもらったり、東北大学の入試傾向に合わせた模試を受験したりする対策が効果的です。
- 東北大学向けの模試だけでなく、一般の記述模試を受けて数学の記述式問題への対応力を高める対策も役立ちます。
数学Ⅱ・数学Bまでの範囲も丁寧に学習
- 理系数学の範囲である数学Ⅲや数学Cだけでなく、数学Ⅱ・数学Bまでの範囲を丁寧に学習することも大切です。
- 東北大学の理系数学では、文系との共通問題が出題されることがあります。
- 文系数学の範囲に絞った対策をする必要はありませんが、数学Ⅲや数学Cの対策に集中しすぎて数学Ⅱ・数学Bまでの範囲がおろそかにならないよう注意してください。
- 数学の問題演習をする際には、数学Ⅱ・数学Bまでの範囲を含めた分野別演習をお徹底すると効果的です。
レベル別対策
- 入試実戦レベルの問題を数多くこなしましょう。
- 標準レベルの問題を完答できる実力をつけると同時に、やや難易度が高めの問題にも挑戦して得点力を高めておくことが大切です。
- 医学部受験生は東北大学の理系数学で高得点を狙いたいので、標準レベルの問題は確実に完答し、やや難しめの問題についても前半の小問は確実に得点しましょう。
- 後半の小問が難しいと感じる場合でも、記述式のメリットを活かしてできる限り多くの部分点が取れるようにしてください。
過去問演習のポイント
- メリハリのある時間配分を意識してください。
- 定番問題については短時間で完答し、東北大学医学部の合否を分けやすい難易度が高めの問題に取り組む時間を十分に確保したいところです。
- 時間が足りないと感じる場合は大問ごとの解答時間を計り、特に標準レベルの問題に時間がかかりすぎていないかを確認しましょう。
- 時間がかかりすぎている問題の分野については、問題演習の量を増やす対策が役立ちます。
計算力の強化
- 東北大学の理系数学は微分・積分が頻出分野となっており、計算量が多くなりやすいです。
- 正確かつ素早い計算力を身につけることで、解答時間の短縮やミスによる失点防止に役立ちます。
- 処理能力に不安がある場合は、微分・積分を中心に基礎~標準レベルの問題を数多く解き、処理スピードを高める対策が有効です。
まとめ
- 東北大学医学部の数学は大問6題構成
- 文系との共通問題も出題されやすい
- 頻出の微分・積分を中心に計算力が重要
入試傾向
東北大学医学部の英語は、文系を含めた全学部共通問題です。制限時間は100分、大問数は4題で、各大問の出題内容が概ね決まっている傾向があります。
東北大学英語の出題傾向は、大問1・大問2が通常の長文読解問題、大問3が対話文読解問題と自由英作文、大問4が英作文(和文英訳)、というパターンが定番となっています。
◯大問1・大問2の長文読解問題
- 記号選択問題と記述問題が両方含まれます。
- 英文和訳や内容説明でやや文字数が多い小問や、難易度が高めの小問が出ることもある点が特徴です。
- 出題される英文は評論が多い傾向があり、2024年、2025年は大問2つとも評論が出題されました。
- 記号選択問題では、英文の内容と一致する英文を複数選ぶ問題や、下線部と同じ意味を示す語句を選ぶ問題などが見られます。
→東北大学英語の長文読解問題は、様々な形式の問題が少しずつ含まれたバランスのよい出題傾向と言えます。
◯大問3の対話文読解と自由英作文
- 前半で対話文の空所に入る語句を選択する問題があります。
- 東北大学英語の大問3後半は自由英作文となっており、60~80語程度の語数指定に基づいて意見を述べる形式です。
自由英作文のテーマ
- 2024年:「日本政府が、日本語を外国語として学ぶことを推奨することは重要か」
- 2025年:「日本におけるオーバーツーリズム対策として何ができるか」
◯大問4の英作文
東北大学英語の大問4で出題される英作文は、語句整序型の英作文(並べ替え問題)を含んでいる点が大きな特徴です。通常の英作文と異なり、語句整序では部分点が出にくい点に注意しましょう。通常の英作文を行う小問では、2024年の「ひるむことなく」2025年の「間髪入れず」など、単語の丸暗記だけでは対応できない表現が求められます。
◯全体の難易度
東北大学英語の全体の難易度としては、国公立大学らしいハイレベルな出題となっています。英文和訳や英作文、自由英作文など記述式の問題も多く、英語力の高低や対策の充実度によって、受験生の間で得点差がつきやすい出題傾向です。
入試対策
バランスの取れた英語力を身につける
- 東北大学医学部英語の入試対策としては、バランスの取れた英語力を身につけることが最も大切です。
- 様々な出題形式の問題がバランスよく出題される傾向があり、英語力がそのまま得点差に反映されやすくなっています。
- 一般的な記述模試などで英語の点数が伸びてない受験生は、単語や文法の知識を確実に身につけたり、例文暗唱を繰り返したりして英語力を底上げすることが対策の第一歩です。
- 特に医学部受験生は英語で失点がかさむと合格が厳しくなることを強く意識し、長文の内容一致問題や整序英作文などは確実に正解できるようにしましょう。
対話文読解の練習
- 東北大学英語の過去問対策では、大問3の対話文読解の練習を丁寧に行いましょう。
- 学校の授業では対話文を扱う機会が少ない受験生は、対話文の流れを把握することに苦労するかもしれません。
- 対話文自体を読むことに慣れると同時に、空所補充を効率よく進められるよう、過去問演習で反復しておく対策が有効です。
時間配分
- 東北大学の英語は、大問4題を100分で解く形式です。大問1題あたりにかけられる時間は約25分となります。
- 大問1・2は長文を読んだ上で英文和訳や内容説明を行う必要があること、大問3では自由英作文が出題されることを考えると、時間的余裕はあまりありません。
- 大問4は英作文ですが整序英作文が含まれていることから、大問4の解答時間を15~20分程度に抑え、大問1~3にかけられる時間を25分より少し多めに確保するのも1つの方法です。
- 過去問演習を通じて、東北大学英語の入試傾向にあった時間配分を身につける対策をしておきましょう。
自由英作文の対策
- 分野別の対策では、自由英作文の対策を忘れないようにしてください。
- 大学によっては自由英作文を出題しないところもあるため、書き方を練習する機会が少ない受験生もいるはずです。
- 東北大学医学部英語の過去問演習だけでなく、一般的な記述模試や、他大学の過去問なども活用して、自由英作文の対策を重ねておきましょう。
- 2025年にはオーバーツーリズムに関する出題があったように、最新のニュース・トピックスが自由英作文のテーマとなることがあります。
- 東北大学医学部の受験生は、受験勉強に集中しつつ、最新の話題についてもアンテナを張っておくようにしてください。
和文和訳の対策
- 大問4のうち、通常の英作文については、与えられた日本語を直訳することは難しい場合が多いです。
- そのため、日本語を別の表現に言い換える、いわゆる「和文和訳」が求められます。
- 2024年の「ひるむことなく」であれば、「ためらわず」としてhesitateを用いた表現にする、2025年の「間髪入れず」は「すぐに」としてas soon asを用いるなど、自分が英語で書ける表現に直す対策が効果的です。
- 変換した日本語がもとの日本語とほぼ同内容になっているかどうかを含めて、英作文の添削指導を受けるのもよいでしょう。
まとめ
- 記述式問題を軸としたバランスのよい出題
- 大問3に対話文読解と自由英作文あり
- 英語力そのものを高める対策が必要
入試傾向
東北大学医学部の物理では、理系学部の共通問題に取り組みます。理科2科目で制限時間は150分のため、物理にかけられる時間はおよそ75分です。東北大学では、化学はテキパキ解き進めれば時間を短縮しやすい一方、物理や生物は解答に時間がかかりやすい形式となっています。物理の制限時間を75分と決めるのではなく、理科2科目の間での時間配分のバランスをうまく設定できるかどうかも、得点を左右することになりそうです。
◯出題形式
東北大学物理の出題形式は、大問3題となっています。
- 大問1が力学
- 大問2が電磁気
- 大問3が熱力学か波動
→上記の出題になる傾向が強いです。2024年は大問3が波動、2025年は大問3が熱力学となっていました。
◯解答形式の特徴
各大問の小問数がそれほど多いわけではありませんが、すべての小問について、考え方や計算の課程を示す必要がある点が、東北大学物理の大きな特徴です。計算式だけでなく、なぜそのような計算式を立てることができたのかを適切な日本語で表現する必要があります。
◯難易度
東北大学物理の難易度は、各大問の前半が基礎~標準レベルなのに対して、後半は高度な思考力が求められる難易度の高い問題が多い傾向があります。まずは苦手分野をなくし、各大問の前半を確実に得点することが医学部合格に不可欠と言えるでしょう。また、東北大学医学部に合格するためには、物理で各大問の後半についてもある程度得点したいところです。
◯その他の特徴
- 問題文が長く、設定が複雑な傾向があります。
- 文章の中から必要な情報を読み取り、小問の誘導も活かしながら解き進める形式です。
- 解き方を書く必要があることに加え、問題文が長く、複雑であることから、東北大学の物理では制限時間にも注意してください。
- グラフなどの図から必要な情報を読み取る問題が出ることも多いです。
◯条件設定の変化
大問の中で条件設定が変化していく問題が多く出される傾向があります。設定の変化を正確に読み取ることや、前の小問までの設定と勘違いして失点しないように注意しましょう。物理そのものについて十分な理解ができていることを前提とした上で、各大問を解き進める中で思考力や分析力、判断力など総合的な学力が問われる傾向となっています。
入試対策
考え方や計算過程を示す対策
- 東北大学医学部の物理では、考え方や計算過程を示す対策が必要です。
- すべての問題で計算過程を書くことが求められ、普段から必要十分な式や考え方の方針などを書く練習を重ねておきましょう。
- 文字でおいたり、式変形をしたりする際に、設定の仕方や変形の意図などを日本語で記述する対策が効果的です。
計算処理の練習
- 文字を含んだやや複雑な計算処理の練習も欠かせません。
- 素早く、正確な処理ができるよう、過去問演習以外の問題演習の際にも練習を重ねることが大切です。
- まずは正確な処理を身につけることを優先し、正解率が上がってきたら、時間を計ってスピードアップを意識してください。
- 数学の対策とうまく組み合わせて、効率よく式変形のスキルアップを図るとなおよいです。
長文問題への対策
- 東北大学物理の個別対策としては、長めの問題文を読みこなしていく練習も行いましょう。
- 似たような形式の問題を解いた経験が少ない受験生もいると思いますので、東北大学の物理については過去問演習を少し多めに行うことが望ましいです。
- 長い問題文からうまく必要な情報を読み取っていく練習や、前半の比較的難易度が低い小問からの誘導に乗って後半の得点につなげていく練習を重ねてください。
時間配分の対策
- 過去問演習の際には、時間配分にも注意しましょう。
- 先述のように理科2科目の間での時間配分も意識しつつ、物理においては難易度の高い小問に時間をかけすぎないようにしてください。
- くれぐれも各大問の前半で解き残しやミスによる取りこぼしがないようにすることが最優先です。
- 大問の後半については誘導の流れに乗って解き進めた方が効率よく解答できます。
- そのため、どの大問から取り組めばより後の小問まで解き進められそうかを踏まえて、大問の解答順序を決める対策が有効です。
分野別対策
- 特に出題頻度が高い傾向がある力学と電磁気の問題演習を積極的に行いましょう。
- また、大問3で出題されやすい熱力学、波動の対策も欠かせません。
- 東北大学の物理は特定の大問だけが難しいというよりは、各大問の中で小問の難易度に差がある傾向です。
- そのため、苦手分野がある受験生が大問の前半で失点すると致命傷になりかねません。
- 東北大学医学部の合格を目指す受験生は、まず各大問の前半を確実に得点できるように、苦手分野をなくしておくことが不可欠です。
- 苦手分野をなくした上で、分野別にやや難易度が高い問題演習を行うことで、後半の小問における得点力を高めるとよいでしょう。
まとめ
- 東北大学物理では計算過程を示すことが必要
- 複雑な文字式の計算に慣れておこう
- 各大問の前半は易しく、後半は難しい
入試傾向
東北大学医学部の化学は、理科2科目を150分で解答する形式です。東北大学化学の解答にかけられる時間は75分が目安となります。医学部専用の問題ではなく、理系学部すべての共通問題です。大問数は3題と少ない一方、大問1題当たりの小問数が非常に多い傾向があります。とはいえ、計算問題の割合がそれほど高くなく、計算自体も極端に複雑なものが集まっているわけではないことから、制限時間には比較的余裕があると考えられます。普段から解くのが遅く、テストで制限時間不足になりやすい受験生でなければ、焦らず落ち着いて取り組むことができる時間設定です。
◯分野別の出題傾向
東北大学化学の分野別の出題傾向としては、理論化学、無機化学、有機化学がバランスよく出題される傾向があると言えます。主に大問1が理論化学、大問2が無機化学、大問3が有機化学分野からの出題です。
◯出題形式
- 記号選択問題、用語や化学式などを記述する問題、計算問題が中心です。
- 論述問題が出ることもありますが、小問数は限られています。
- 2024年は1問の論述問題が出ましたが、2025年の東北大学化学では論述問題がありませんでした。
- ただし、解法を書かせる問題は出題されている点に注意してください。
- 化学反応式を書かせる問題や、有機化学分野で構造式を書かせる問題が多くみられます。
実験器具に関する出題
2024年には、実験器具に関する出題がありました。「ホールピペット」「コニカルビーカー」などの器具名を答える必要があり、実験器具についてきちんと把握しているかが問われた出題です。
◯難易度
- 教科書レベルの基本的な用語を問う問題や、定番の計算問題などが中心です。
- 難問はあまり出題されず、基礎~標準レベルの出題が大半を占める傾向があります。
- 出題分野の偏りが少ないことと合わせて、高校化学の基本的な内容を確実に理解できているかが問われる入試と言えるでしょう。
◯計算問題
計算問題については割合がそれほど多くありません。しかし、知識問題で基礎~標準レベルの出題が多いことから、得点差がつきやすいのは計算問題になります。時間的にもある程度余裕がありますので、位取りのミスなどをせず、丁寧に計算を進められるかが問われやすい出題傾向です。
入試対策
基礎~標準レベルの知識を確実に定着させる
- 東北大学の化学は難易度がそれほど高くなく、基礎~標準レベルの問題が中心となっています。
- 小問数が多く、着実に得点を積み重ねやすい傾向もあり、まずは教科書レベルの知識を確実に定着させることが得点アップにつながります。
- 東北大学医学部の受験生では、化学で高得点を取る人が多いと考えられます。
- 勉強不足で失点が重なり、他の受験生と大きな差をつけられないように丁寧な対策を行いましょう。
分野別対策
- 高校化学の3分野(理論化学・無機化学・有機化学)の対策をバランスよく行うことが求められます。
- ただし、3分野をバラバラに学習すると、反復が不足して知識が定着しにくいと感じるかもしれません。
- そのような場合は、有機化学を集中的に勉強する期間を設けるなど、分野別に知識の整理から定着、問題演習までを集中的に行う対策も有効です。
- 基礎~標準レベルの問題でも失点のリスクが高いと考えられる苦手分野がある受験生は、苦手分野の徹底対策を優先することが不可欠な対策になります。
化学反応式・構造式の対策
- 東北大学化学の傾向に合わせた入試対策としては、化学反応式や構造式などを正確に書けるようにする学習が有効です。
- 教科書に出てくる化学反応や有機化合物などを中心に、反応式や構造式を正確に書けるようにしましょう。
解法を書く練習
- 解法を書く問題も出題されています。2024年は2問、2025年は1問の小問で解法を書くことが求められています。
- 適切な計算式や解き方の方針を書く対策も忘れず行うべきです。
- 東北大学医学部の過去問演習をする際は、解法が求められている問題はもちろん、その他の問題でも計算問題を中心に、解き方をしっかり書く練習をしておくと、有効な入試対策になります。
実験器具の対策
- 2024年に実験器具に関する出題があったことから、実験器具の名称や特徴についても整理しておくと安心です。
- 教科書に載っている実験の手順や目的を確認する際、使用する実験器具とその理由についてもあわせて確認すると、効率的な対策ができます。
過去問対策のポイント
- 東北大学化学の過去問対策では、他の受験生が正解できそうな問題での失点を防ぎましょう。
- 慌てて解くことでミスをするなど、不必要な失点をしないような意識が大切です。
- 過去問演習の中で知識不足に気づいたら、教科書や問題集などで復習し、穴を埋る対策を必ず行ってください。
計算問題の対策
- 落ち着いて式を書きながら問題を解き進める練習が効果的です。
- 解法を書く必要がない問題についても、答えに至るまでの数式や筆算などは問題用紙の余白に記入し、見直しの際に確認できるような取り組みが求められます。
まとめ
- 東北大学の化学は基礎~標準問題が多い
- 理論、無機、有機からバランスよく出題
- 論述は少ないが、解法を書く問題あり
入試傾向
東北大学医学部の生物は理系学部の共通問題です。理科2科目を150分で解答する形式となっており、生物の制限時間は75分が目安と考えておきましょう。物理・化学については、解答までの過程を示しながら複雑な文字式の計算が求められることの多い物理に解答時間がかかりがちです。理科全体の時間配分としては、生物に75分以上かけないことが求められます。
◯出題構成
東北大学の生物は大問3題と少なめですが、各大問の小問数がやや多くなっています。計算問題が出題されるほか、論述問題も多く、制限時間が厳しいと感じる受験生が多い傾向です。論述問題については、字数が多い出題が複数見られ、単に生物の知識があればよいのではなく、記述力も必要になります。
◯出題分野
遺伝子が頻出分野となっています。東北大学生物の過去問を見て見ると、2024年は大問2と大問3、2025年は大問3で遺伝子に関する出題がありました。高校生物の中でも特に重要とされ、入試頻出の分野であることから、対策の程度によって受験生の間で大きく差がつくことも考えられます。
その他の分野の出題
- 2024年:代謝や生殖
- 2025年:細胞や神経系に関する出題
◯実験考察問題
東北大学の生物では実験考察問題も安定して出題されています。教科書に出てくる実験について目的や手順を整理しておくだけでなく、初見の実験についても、問題文や図表などから必要な情報を読み取って理解する力が問われる内容です。実験がらみの問題は解答に時間がかかりやすいことから、効率的な時間配分ができるかどうかも得点を左右します。
◯難易度
東北大学生物の難易度については、基本的な用語問題から、やや難易度の高い実験問題や論述問題まで幅広く含まれます。多くの医学部受験生が得点できる基礎~標準レベルの問題と、差がつきやすい難易度が高めの問題がバランスよく出題される傾向です。時間配分には十分注意して、基礎~標準レベルの問題を取りこぼさないようにすることが、東北大学医学部合格の大前提になるでしょう。その上で、難易度がやや高めの問題についても解答時間を確保し、得点を積み重ねられるかどうかが、医学部の合否を分ける重要なポイントになりそうです。
入試対策
論述のトレーニング
- 東北大学医学部に合格するためには、生物の入試対策として論述のトレーニングを重ねることが重要です。
- わかりやすい日本語を用いて、的確な論述を短時間でまとめる練習を重ねておきましょう。
- 過去問演習で論述問題に取り組む際には、模範解答と比較するだけでなく、学校の先生や医学部専門予備校の講師などから添削指導を受けると、対策の効果がアップします。
- その問題の答えがわかるようにするだけでなく、他の問題でも活かせる、「わかりやすく説明する力」を磨くことも意識してください。
分野別対策
- 東北大学の生物で頻出の遺伝子分野の対策を優先すべきです。
- 遺伝子に関する問題は、市販の問題集や他大学の過去問にも多く掲載される傾向があります。
- 実験問題を含めた様々な問題に取り組み、遺伝子を得意分野にする対策が効果的です。
基礎~標準レベルの対策
- 東北大学の生物で、他の医学部受験生に負けないためには、教科書レベルの基礎知識や、標準レベルの典型問題での取りこぼしをなくすことが必須です。
- 本格的な入試対策に入る前に、一問一答形式の知識に抜けがないか、苦手分野が残っていないかを確認しましょう。
- 基礎~標準レベルの問題がどの程度解けるかが気になる場合は、共通テスト生物の対策を活用するのも1つの方法です。
- センター試験から共通テストに移行するタイミングで資料をもとに考察する問題も増えており、東北大学で出題されやすい実験考察問題の対策にも役立ちます。
高得点を狙う対策
- 東北大学の生物で高得点を狙いたい医学部受験生は、基礎~標準レベルの得点力に加えて、難易度が高めの問題の対策も充実させましょう。
- 特に、実験考察問題や論述問題の対策が重要です。
- 東北大学では実験問題や論述問題が多数出題されていますので、過去問対策を繰り返して多くの問題に触れることができます。
- 他教科の対策にかかる時間にもよりますが、生物の入試対策では、10年程度などやや多めに過去問演習を行えることが望ましいです。
時間配分の対策
- 過去問演習では、時間配分を意識することも大切です。
- 東北大学の生物は論述問題が多いため、1問に時間をかけすぎると一気に時間不足になってしまいます。
- 幸い、小問数が多く1問当たりの配点が限られますので、解答がなかなかまとまらない場合はいったん飛ばして、他の問題を優先してください。
- 普段からテストで時間不足になりやすい受験生は、特に時間配分に注意が必要です。
- 過去問を一度解き、どの小問に時間がかかっているのか、どこで時間短縮ができそうかを丁寧に分析する対策も役立ちます。
まとめ
- 東北大学医学部の生物は論述対策が重要
- 頻出分野の遺伝子を得意にしたい
- 実験考察問題にも慣れておこう
個人面接で、医師としての適性や研究への興味を評価します。
- 医学部志望動機を論理的に説明
- 東北大学を選んだ理由(研究第一主義への共感など)
- 医学研究への興味・関心について
- 地域医療と最先端医療のバランスについて
- 将来の医師像・研究者像を明確に
- 最近の医療ニュースについての見解
過去の合格実績と出題傾向分析
合格者の特徴
合格最低点目安
共通テスト:約85-87%
二次試験:約65-70%
総合:約68-72%
※年度により変動あり
出身高校
・全国の進学校から合格
・東日本の高校出身者が多い
・地元宮城県からも多数合格
・公立・私立の超進学校が中心
現役・浪人比率
現役:約40%
1浪:約40%
2浪以上:約20%
※浪人生の比率が高め
合格者の特徴
・二次試験での高得点が必須
・数学・理科の記述力が優秀
・面接での評価も重要
・研究への意欲が高い
最近5年間の出題傾向
科目 | 頻出分野 | 難易度 | 対策優先度 |
---|---|---|---|
数学 | 微分・積分、確率(+整数が時折) | やや難~難 | 最重要 |
物理 | 力学、電磁気、原子物理 | やや難 | 重要 |
化学 | 理論、無機、有機のバランス出題 | 標準~やや難 | 重要 |
生物 | 遺伝、生理、発生 | やや難 | 重要 |
英語 | 長文読解、対話文、英作文 | やや難 | 重要 |
よくある質問(Q&A)
東北大学医学部にはAO入試Ⅱ期とⅢ期があります:
- AO入試Ⅱ期:15名募集(2025年度)、書類審査+面接+筆記試験
- AO入試Ⅲ期:12名募集(2025年度)、共通テスト+書類審査+面接
- 特徴:研究実績や特別な活動経験が評価される
一般入試と併せて、複数の入試機会を活用することが可能です。
数学と理科(特に物理・化学)の対策が最重要です:
- 数学:600点配点で難易度も高い
- 理科:600点配点で差がつきやすい
- 英語:600点配点で安定した得点源に
- 面接:400点と高配点なので軽視できない
特に二次試験の配点が高いため、記述力の養成が合格の鍵となります。
東北大学医学部では個人面接が実施されます。主な質問内容は:
- 医学部志望理由・医師を目指す動機
- 東北大学を選んだ理由(研究第一主義について)
- 興味のある研究分野や最新の医療技術
- 将来のビジョン(臨床医か研究医か)
- 高校時代の研究活動や特別な経験
- 医療倫理に関する考え方
特に研究への興味と論理的思考力を示すことが重要です。
東北大学医学部の受験戦略として:
- 国公立:北海道大学、筑波大学、千葉大学などを比較候補として検討
- 私立:慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、順天堂大学など
- 推薦入試:AO入試Ⅱ期・Ⅲ期の活用
共通テストの結果を踏まえて、最終的な出願校を決定しましょう。東北大学のレベルを考慮して、適切な併願校を選ぶことが重要です。
合格までのロードマップ
学年別対策スケジュール
高校1・2年生
- 基礎学力の完全定着
- 数学・理科の先取り学習
- 英語の語彙力・読解力強化
- 研究活動への参加(AO入試対策)
高校3年生春~夏
- 応用問題演習の開始
- 記述力の徹底強化
- AO入試の準備(該当者)
- 模試での実力確認
高校3年生秋~冬
- 過去問演習の集中実施
- 時間配分の最適化
- 面接対策の本格化
- 共通テスト対策の仕上げ
直前対策
- 解答戦略の最終確認
- メンタルコンディション調整
- 体調管理の徹底
- 仙台での宿泊手配
最後に – 受験生・保護者の皆様へ
東北大学医学部合格への道筋
東北大学医学部は、「研究第一主義」と「門戸開放」の理念のもと、世界で活躍する医師・医学研究者を育成する日本屈指の医学部です。旧帝国大学としての伝統と最先端の研究環境を併せ持ち、リサーチマインドを持った医療人の養成に力を入れています。
高い学力と研究への情熱、そして医師としての使命感を持つ皆様の挑戦を心から応援しています。