九州大学医学部受験対策

偏差値・入試傾向から科目別対策まで徹底解説

大学基本情報

偏差値情報

医学部医学科:67.5~70

共通テスト得点率:87~91%

※河合塾・駿台調べ

学費情報(医学部)

入学料:282,000円

年間授業料:535,800円

6年間総額:約350万円

※国立大学標準額

合格状況

募集人員:約105名

志願者数:約270名

合格倍率:約2.5倍

※前期日程

九州大学医学部の特徴

九州大学医学部は、西日本を代表する旧帝国大学の医学部として、長い歴史と伝統を誇ります。中四国・九州地方で唯一の旧帝大医学部として、最先端の医学研究と臨床教育を提供しています。「医のプロフェッショナリズム」を重視し、高度な専門知識と技術、そして豊かな人間性を兼ね備えた医師・医学研究者の育成を目指しています。

アクセス

病院キャンパス:

福岡市地下鉄箱崎線「馬出九大病院前駅」から徒歩約3分

JR「吉塚駅」から徒歩約10分

入試日程

入試区分 出願期間 試験日 合格発表 募集人数
前期日程 1月下旬~2月上旬 2月下旬 3月上旬 約105名
帰国生徒選抜 若干名
私費外国人留学生 若干名
注意:九州大学医学部医学科は前期日程のみの募集です。推薦入試等は実施されていません。詳細な日程は必ず九州大学公式サイトで最新情報をご確認ください。

入試科目と配点

合格のための3つの柱

1. 共通テストで安定した得点

87%以上の得点率を目指し、全科目でバランスよく得点することが重要です。

2. 二次試験の高い実力

配点が高い二次試験で、標準問題を確実に解き、80%程度の得点を確保することが合格の鍵です。

3. 理科での高得点確保

理科の配点が高いため、物理・化学で確実に高得点を取ることが重要です。

保護者の皆様へ

お子様の九州大学医学部受験への挑戦を全力で支援してください。旧帝国大学の医学部は、日本最高峰の医学教育と研究環境を提供します。九州大学は九州・西日本地域の医療の中核を担う人材を育成しており、卒業後の進路も充実しています。

受験は長期戦です。お子様の健康管理とメンタルサポートを含め、家族一丸となって取り組むことが大切です。

前期日程(二次試験)

科目 出題範囲 試験時間 配点
数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C 150分 250点
理科 物理・化学(必須) 150分 250点
英語 コミュニケーション英語・論理表現 120分 200点
面接 個人面接

共通テスト

科目 配点
国語 100点
数学(数ⅠA + 数ⅡBC) 100点
理科(物理・化学) 100点
外国語(英語) 100点
地歴公民(1科目) 50点
情報 25点
ポイント:九州大学医学部は共通テスト475点、二次試験700点の合計1175点満点で合否が決まります。二次試験の配点が高く、特に理科が物理・化学必須となっているのが特徴です。旧帝大医学部の中では標準的な問題が多いため、80%程度の高得点が求められます。

入試の特徴と対策ポイント

数学対策(150分・250点)

出題傾向

制限時間は150分で、大問5題構成。旧帝大医学部としては標準的な難易度で、基礎から応用まで幅広く出題されます。計算量が多い問題も含まれるため、正確な計算力と時間配分が重要です。

 

解答形式の特徴
全問記述式となっており、論理的な記述力が求められます。部分点を意識した丁寧な答案作成が必要です。

 

出題分野
各分野から満遍なく出題されますが、特に以下の分野が頻出です:

  • 微分・積分(数学Ⅲ)- 毎年必ず出題
  • 確率・場合の数
  • 複素数平面
  • ベクトル(空間ベクトル含む)
  • 数列と極限

 

難易度
旧帝大医学部の中では標準的で、教科書の章末問題から入試標準レベルが中心です。ただし、計算量が多く、時間内に完答するには相当な処理能力が必要です。

 

証明問題
論理的思考力を問う証明問題も出題されます。数学的帰納法や背理法など、基本的な証明手法を確実に身につけておく必要があります。

 

具体的な対策方法

  • 基礎力の徹底強化:教科書の例題・章末問題を完璧に理解し、標準的な問題集で演習を重ねましょう。
  • 計算力の向上:微分・積分の計算を中心に、正確かつ迅速な計算力を養成することが重要です。
  • 記述力の養成:論理的な答案作成の練習を重ね、採点者に伝わる答案を書けるようにしましょう。
  • 時間配分の練習:150分で5題を解くため、1題30分を目安に時間配分を身につけてください。
  • 過去問演習:九州大学の過去問を最低10年分は解き、出題傾向を把握しましょう。

まとめ

  • 九州大学医学部の数学は標準的な難易度
  • 計算力と記述力の両方が必要
  • 時間配分が合否を分ける重要な要素
英語対策(120分・200点)

出題傾向

制限時間は120分で、大問5題構成。長文読解が中心で、医学・科学系の専門的な内容も含まれます。英作文も重視される傾向があります。

 

解答形式の特徴
記号選択問題と記述問題のバランスが良く、和訳・英訳・要約など多様な形式で出題されます。

 

出題分野

  • 長文読解(2~3題)- 医学・科学系のテーマが多い
  • 英作文(和文英訳・自由英作文)
  • 文法・語彙問題
  • 要約問題

 

難易度
国立大学として標準的~やや難のレベルです。専門的な語彙も含まれるため、幅広い語彙力が必要です。

 

具体的な対策方法

  • 語彙力の強化:医学・科学系の専門用語を含む幅広い語彙を習得しましょう。
  • 速読力の養成:120分で長文を複数読む必要があるため、速読力が不可欠です。
  • 英作文対策:和文英訳と自由英作文の両方に対応できる力を養成してください。
  • 要約力の向上:長文の要点を的確に把握し、簡潔にまとめる練習を重ねましょう。
物理対策(75分程度・125点)

出題傾向

九州大学医学部の物理は、物理・化学必須で、理論的な理解と応用力が試されます。

  • 大問3題構成で、各分野から出題
  • 力学・電磁気は必出
  • 原子物理も近年頻出
  • 実験考察問題も出題される

具体的な対策方法

詳細な対策方法は準備中です。

化学対策(75分程度・125点)

出題傾向

理科2科目を150分で解答するため、化学の制限時間の目安は75分。物理・化学必須となっており、大問3題構成で理論・無機・有機から満遍なく出題されます。

 

解答形式の特徴
記述式問題が中心で、化学反応式や構造式の記述、計算過程の説明が求められます。

 

出題分野

  • 理論化学:化学平衡、反応速度、電気化学など
  • 無機化学:元素の性質、錯イオンなど
  • 有機化学:構造決定、高分子化合物など

 

難易度
標準的~やや難のレベルで、基本的な知識を応用する力が問われます。

 

具体的な対策方法

  • 基礎知識の完全定着:教科書レベルの知識を確実に理解し、応用できるようにしましょう。
  • 計算力の強化:化学平衡や反応速度の計算を正確に行える力を養成してください。
  • 有機化学の構造決定:NMRやIRのデータから構造を推定する問題に慣れておきましょう。
  • 実験考察問題対策:実験の原理を理解し、データから考察する力を身につけてください。
生物対策(75分程度・125点)

出題傾向

九州大学医学部は物理・化学必須のため、生物選択はできません。

  • 医学部医学科では生物での受験不可
  • 入学後の生物学習に備えて基礎知識は必要
  • 医学部の専門科目で生物の知識が前提となる

入学後の準備

入学後に備えて、高校生物の基礎的な内容は理解しておくことを推奨します。

面接対策
面接形式:
個人面接で、医師としての適性や志望動機を評価します。点数化はされませんが、重要な選考要素です。

  • 医学部志望動機を明確に説明
  • 九州大学を選んだ理由
  • 将来の医師像・研究への興味
  • 地域医療への貢献意識
  • 最近の医療ニュースについて
  • 高校時代の活動・経験

過去の合格実績と出題傾向分析

合格者の特徴

合格最低点目安

共通テスト:約83-87%

二次試験:約65-70%

総合:約70-73%

※年度により変動あり

出身高校

・九州地方の進学校が多数

・福岡県内の高校が最多

・全国の進学校からも合格

・公立・私立の超進学校が中心

現役・浪人比率

現役:約40%

1浪:約35%

2浪以上:約25%

※浪人生の比率が高め

合格者の特徴

・二次試験での高得点が必須

・理科(物理・化学)が得意

・標準問題を確実に解く力

・九州地方出身者が多い

最近5年間の出題傾向

科目 頻出分野 難易度 対策優先度
数学 微分・積分、確率、複素数平面 標準~やや難 最重要
物理 力学、電磁気、原子物理 標準~やや難 重要
化学 理論、無機、有機のバランス出題 標準~やや難 重要
英語 長文読解、英作文、要約 標準~やや難 重要

よくある質問(Q&A)

Q1. 九州大学医学部の難易度はどのくらいですか?
偏差値67.5~70で、旧帝国大学の医学部として全国トップクラスの難易度です。西日本では京都大学、大阪大学に次ぐレベルで、東北大学、名古屋大学と同等とされています。共通テストで87%以上、二次試験でも70%以上の得点が必要です。
Q2. 推薦入試はありますか?
九州大学医学部医学科には推薦入試やAO入試はありません。前期日程のみの募集となっており、一般選抜で105名を募集しています。帰国生徒選抜と私費外国人留学生入試で若干名の募集がありますが、一般的な受験生は前期日程での受験となります。
Q3. 九州以外の出身者は不利になりますか?
九州大学医学部は全国から優秀な学生を受け入れており、出身地による不利は一切ありません。実際に全国各地から合格者が出ています。ただし、合格者の多くは九州地方出身者が占めているのも事実ですが、これは地理的な要因によるものです。
Q4. どの科目を重点的に対策すべきですか?

理科(物理・化学)と数学の対策が最重要です:

  • 理科:250点配点で物理・化学必須
  • 数学:250点配点で計算量が多い
  • 英語:200点配点で長文読解が中心

特に理科は標準的な問題が多いため、確実に高得点を取ることが合格への近道です。

Q5. 面接ではどのような質問をされますか?

九州大学医学部では個人面接が実施されます。主な質問内容は:

  • 医学部志望理由・医師を目指す動機
  • 九州大学を選んだ理由
  • 将来のビジョン(臨床医か研究医か)
  • 地域医療への関心
  • 高校時代の活動や経験
  • 最近の医療ニュースについて

面接は点数化されませんが、医師としての適性を判断する重要な要素です。

Q6. 他大学との併願はどうすればいいですか?

九州大学医学部の受験戦略として:

  • 国公立:大阪大学、東北大学、名古屋大学、北海道大学など
  • 地方国公立:熊本大学、長崎大学、広島大学など
  • 私立:慶應義塾大学、産業医科大学、福岡大学など

共通テストの結果を踏まえて、最終的な出願校を決定しましょう。九州大学のレベルを考慮して、適切な併願校を選ぶことが重要です。

合格までのロードマップ

学年別対策スケジュール

高校1・2年生

  • 基礎学力の完全定着
  • 物理・化学の先取り学習
  • 英語の語彙力・読解力強化
  • 数学の計算力向上

高校3年生春~夏

  • 応用問題演習の開始
  • 理科の実戦演習強化
  • 記述力の徹底強化
  • 模試での実力確認

高校3年生秋~冬

  • 過去問演習の集中実施
  • 時間配分の最適化
  • 面接対策の本格化
  • 共通テスト対策の仕上げ

直前対策

  • 解答戦略の最終確認
  • メンタルコンディション調整
  • 体調管理の徹底
  • 福岡での宿泊手配

最後に – 受験生・保護者の皆様へ

九州大学医学部合格への道筋

九州大学医学部は、西日本を代表する旧帝国大学の医学部として、最先端の医学教育と研究環境を提供しています。九州・西日本地域の医療の中核を担う医師・医学研究者を育成し、グローバルに活躍できる人材を輩出しています。

高い学力と医師としての使命感、そして地域医療への貢献意識を持つ皆様の挑戦を心から応援しています。