順天堂大学医学部受験対策

偏差値・入試傾向から科目別対策まで徹底解説

大学基本情報

偏差値情報

医学部医学科:70.0

共通テスト得点率:89〜95%

※河合塾・駿台・東進調べ

学費情報(医学部)

初年度:2,900,000円

入学金:2,000,000円

授業料:700,000円

施設設備費:200,000

6年間総額:20,800,000円

※一般選抜A方式合格者の成績上位10名に対して学費減免特待生制度あり

合格状況

一般A方式:64名

志願者数:約2,400名

合格倍率:12〜13倍程度

 

順天堂大学医学部の特徴

 

順天堂大学医学部は、1838年の開学以来、186年の歴史と伝統を誇る日本最古の医学教育機関です。「仁」の精神を学是とし、1年次の全寮制による人間形成教育、6つの附属病院(総病床数3,559床)での充実した臨床実習、海外実習プログラムなど、国際的視野を持つ医師の育成に力を入れています。

アクセス

本郷・お茶の水キャンパス:

JR「御茶ノ水駅」から徒歩約7分

東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水駅」から徒歩約7分

東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」から徒歩約9分

入試日程

入試区分 出願期間 試験日 合格発表 募集人数
一般選抜A方式 12月中旬~1月中旬 2月上旬(一次)
2月中旬(二次)
2月中旬(一次)
2月下旬(二次)
約64名
一般選抜B方式 12月中旬~1月中旬 2月上旬(一次)
3月上旬(二次:小論文・英作文)
3月上旬(二次:面接)
2月下旬(一次)
3月上旬(二次)
約5名
前期共通テスト利用 9月下旬〜10月上旬(一次:共テ)
12月中旬〜1月中旬(一次:小論文)
12月中旬〜1月中旬(二次)
1月中旬(一次:共テ)
2月上旬(小論文)
2月中旬(二次:面接)
2月中旬(一次)
2月下旬(二次)
約10名
後期共通テスト利用 9月下旬〜10月上旬(一次:共テ)
12月中旬~1月中旬(二次)
1月中旬(一次:共テ)
3月上旬(二次:小論文・英作文)
3月上旬(二次:面接)
2月下旬(一次)
3月上旬(二次)
約5名
共通テスト・一般併用 9月下旬〜10月上旬(一次:共テ)
12月中旬〜1月中旬(二次)
1月中旬(一次:共テ)
2月上旬(一次)
3月上旬(二次:小論文・英作文)
3月上旬(二次:面接)
2月下旬(一次)
3月上旬(二次)
約12名
地域枠選抜 12月中旬〜1月中旬 2月上旬(一次:学力・小論文)
2月中旬(二次:面接)
2月中旬(一次)
2月下旬(二次)
約31名
(6地域合計)
研究医特別選抜 12月中旬〜1月中旬 2月上旬(一次)
2月中旬(二次)
2月中旬(一次)
2月下旬(二次)
約2名
国際バカロレア/
ケンブリッジ・インターナショナル選抜
約2名
外国人選抜 約5名
帰国生選抜 約2名
注意:地域枠選抜は東京都(8名)、新潟県(1名)、千葉県(5名)、埼玉県(10名)、静岡県(5名)、茨城県(2名)の6地域があります。※2025年度
詳細な日程は必ず順天堂大学公式サイトで最新情報をご確認ください。

入試科目と配点

合格のための3つの柱

1. 学力試験で高得点確保

一次試験合格最低点は約68~71%。数学・理科・英語すべてでバランスよく得点することが重要です。

2. 特徴的な小論文対策

写真や絵画を見て論述する独特な形式。創造的な文章力と論理的思考力が問われます。

3. 面接試験での人物評価

医師としての適性と「仁」の精神を重視。特徴的な活動の証明資料を持参する個人面接です。

保護者の皆様へ

 

日本最古の医学教育機関として186年の歴史を持つ順天堂大学医学部は、私立医学部で最も学費が安い大学の一つです(6年間2,080万円)。特に学費減免特待生制度では、成績上位10名は6年間700万円と国立大学並みの学費となります。

1年次の全寮制による人間形成教育は、医師として必要な協調性と思いやりの心を育む特色ある教育です。

一般選抜A方式(一次試験)

科目 出題範囲 試験時間 配点
理科 物理・化学・生物から2科目選択 120分 200点(各100点)
英語 コミュニケーション英語・論理表現 80分 200点
数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C 70分 100点
小論文 写真・絵画等を題材とした論述 70分 二次試験で評価
ポイント:順天堂大学医学部は多様な入試方式を設けており、自分の強みを活かせる方式を選択できます。特に英語力に自信がある受験生は、B方式や研究医特別選抜での受験も検討しましょう。

入試の特徴と対策ポイント

数学対策(70分・100点)

入試傾向

順天堂大学医学部の数学は、制限時間が70分で大問が3題となっています。大問数は少ないですが、空所の数や小問数が多めで、制限時間は厳しめの設定です。素早く、正確に多くの問題を処理していく力が問われます。

 

出題形式
形式面では、大問1・大問2がマークシート方式になっています。大問1は小問ごとに異なる分野から出題されるのに対して、大問2は主に1つの分野からの出題です。また、大問3は計算過程や解法なども記述する論述式になります。大問3では、証明を求める小問が含まれているのが一般的です。順天堂大学医学部数学は、共通テストと記述模試を組み合わせたような出題形式と言えるでしょう。

 

出題分野
出題分野については偏りが少なく、幅広い分野から出題される傾向です。大問1が小問ごとに異なる分野の問題になっていることから、1つの年度でも多数の分野からの出題が見られます。順天堂大学医学部数学の具体的な出題分野は、2024年が積分、確率、数列、ベクトル、関数など、2025年が数列、ベクトル、複素数、集合、微分、積分などでした。一部の医学部では微分・積分や確率などの出題頻度や配点割合が極端に高い傾向がありますが、順天堂大学の数学はバランスよく出題される傾向です。

 

難易度
難易度としては、標準~やや易しいレベルの出題が中心です。教科書レベルの基本的な問題や、標準レベルの典型題を解くことができれば、解法がわからずに困る場面は少なくなっています。ただし、順天堂大学医学部数学は制限時間の設定がやや厳しくなっており、要領よく解答を進めていけるかどうかが点数を左右する傾向です。計算問題の中にはやや作業が煩雑なものが含まれることがありますので、素早く、正確な計算力が身についているかどうかも重要なポイントとなります。

 

入試対策

基礎~標準問題の確実な習得:

  • 順天堂大学医学部数学の入試対策としては、教科書レベルの基礎~標準問題を確実に解けるようにすることが最も大切です。
  • 難問・奇問の出題はかなり少なく、きちんと教科書や問題集に取り組んでいれば、見たことがある問題が大半です。
  • そのため、まずは教科書や傍用問題集などを使って、各分野の典型題を確実に解けるようにしましょう。
  • 苦手分野がある場合は、類題演習を増やすなどして解けない問題をなくしておく対策が必要です。

 

出題形式への対策:

  • 順天堂大学医学部数学ではバランスのとれた出題が多く、分野別の対策についてはあまり必要ありません。
  • ただし、マークシート方式と記述式の両方に慣れておく必要があります。
  • 共通テストや併願校などでマークシート方式の数学入試を受ける機会が多い受験生もいれば、国公立医学部対策で記述式の練習を重ねている受験生もいるでしょう。
  • 自分が取り組む機会が少ない方の形式について、意識的に問題演習を増やすようにしてください。

 

計算力の強化:

  • 微分・積分や確率、関数など計算量が多くなりやすい分野については、基本的な計算処理を素早く、正確に行う力を高めましょう。
  • 順天堂大学医学部の数学で高得点を取るには、基礎~標準レベルの典型題までを素早く、正確に解けることが必要です。
  • 多くの受験生が見慣れた問題が出題される割合が高く、差を生むのは精度とスピードになります。
  • 問題演習を通じて計算力を高め、ミスなく、短時間で正解にたどり着けるようにしましょう。
  • マークシート方式の大問で桁数が合わないなどミスに気付いたとき、見直してミスを早期に発見できるように主な式など計算過程をメモする習慣をつけることも大切です。

 

記述式問題(大問3)への対策:

  • 順天堂大学医学部数学における大問3の記述式問題の対策としては、証明問題への取り組みを欠かさず行いましょう。
  • 難易度と受験者のレベルを考えると、順天堂大学医学部の数学は高得点勝負になりやすいです。
  • マークシート式の大問1・2で確実に得点を積み重ねた上で、大問3でも得点を稼げるようにしましょう。
  • 証明問題については、自分では証明できたつもりでも説明が不十分な場合があります。
  • 医学部専門予備校の講師などに添削してもらったり、記述模試の採点基準を読み込んだりすることで、論理的な答案を作成する力を伸ばしてください。

 

過去問対策と時間配分:

  • 順天堂大学医学部数学の過去問対策では、時間配分を強く意識しましょう。
  • 大問1の小問で詰まった場合はいったん飛ばして大問2や大問3に進むなど、スムーズに解答が進まなくなった時の対処法をあらかじめ準備しておくことが大切です。
  • 過去問対策で各大問・小問にかかった時間を記録しておき、どの問題で時間短縮ができそうかを考える対策も役立ちます。
  • 過去問対策の中で解き方がわからない問題が出てきた場合は、その分野の問題演習量を増やして苦手を克服することが大切です。
  • 基礎~標準レベルの問題で解法がわからないと他の受験生に差をつけられやすいことから、苦手分野や知識の抜けをなくす意識を強く持ちながら、過去問演習、入試本番のいずれでも高得点を目指しましょう。

 

まとめ

  • 全分野からバランスよく出題される
  • マークシート式と記述式の融合型
  • 難問は出にくいが制限時間が厳しい
英語対策(80分・200点)

入試傾向

順天堂大学医学部英語の入試は、制限時間が80分、大問が5題となっています。1大問あたりの解答時間が16分となり、効率よく解き進めることが大切です。

 

出題形式
形式面では、大問1~大問4がすべて記号選択型の長文読解で、小問数が各10問となっています。長文読解問題の中に、本文との内容一致や語句の知識を問う問題など、いくつかのパターンの設問が含まれています。いずれも長文読解において問われやすい形式の設問となっており、英語リーディングの力が身についている受験生は、スムーズに解き進めやすい傾向です。短時間で正解の選択肢を選ぶことができるかが、得点の分かれ目になります。

順天堂大学医学部英語の大問5は記述式の自由英作文です。大問1~大問4がすべて客観式の問題なのに対して、大問5では200~300語程度のまとまった量の英文を書く必要があります。自由英作文に取り組んだ経験がある受験生でも、50語や100語などの問題が中心で、パラグラフを意識したライティングをするスキルが不足している人もいるでしょう。限られた時間内でわかりやすい英文をまとめ上げる練習が十分にできているかどうかが、大問5の得点や解答時間に影響します。

 

難易度
全体のレベルとしては、基礎~標準レベルの問題が多くなっています。特に、大問1~大問4の長文読解では、選択肢の中から正答をすぐに見つけられる小問が多いです。消去法を使って選択肢を減らしていったり、本文と選択肢を何度も見比べて詳細を確認したりするケースが少なく、短時間で得点を積み重ねやすくなっています。英語が苦手な受験生は苦戦する可能性もありますが、順天堂大学医学部の受験生は多くが英語で高得点を狙いやすいです。

順天堂大学医学部英語の難しい点を挙げるとすれば、大問5の自由英作文と、制限時間の設定です。大問5の自由英作文については、まとまった量の英文を書く練習を十分に行っていないと、すぐに手が止まってしまい答案を完成させるのが難しくなるでしょう。また、制限時間については大問1~大問4をテキパキ処理できなければ不足することも考えられます。基礎~標準レベルの長文読解をスムーズに解き進めるための、基本的な単語・文法の知識に抜けがないかどうかがポイントです。

 

入試対策

基礎英語力の徹底:

  • 順天堂大学医学部英語の入試対策では、単語や文法など英語力の基礎となる学習を丁寧に行うことが大切です。
  • 難問・奇問は出題されにくい傾向で、基礎的な英語力が身についていれば安定して高得点を取ることができます。
  • 共通テストレベルの英文をスムーズに読みこなせる力がついているかどうかを、1つの目安にすると良いでしょう。

 

単語学習の進め方:

  • 英語力の土台に不安がある受験生は、まず単語の学習を徹底すべきです。
  • その際、英語のつづりを覚えることよりも、文脈に応じて単語の意味を判断できるようにすることを優先してください。
  • また、単語だけを丸暗記するのではなく、例文暗唱の形で単語の知識を増やすことで、空所補充や自由英作文の対策にもなります。

 

自由英作文対策:

  • 順天堂大学の英語で高得点を取りたい受験生は、基礎~標準レベルの問題で取りこぼしをなくすことに加え、大問5の自由英作文の対策を行いましょう。
  • まとまった量の英文を書いた経験が少ない段階では、まず100語程度の自由英作文に取り組むことで、英語に直しやすい内容を考え、代名詞の使い方などに気をつけながら書き進める練習を重ねてください。
  • 同時に、自由英作文で頻出のつなぎ言葉の知識を増やし、英文と英文の論理関係を明確に示す対策を行うと効果的です。

 

過去問対策と添削指導:

  • 順天堂大学医学部英語の過去問対策では、自由英作文の添削指導を受けましょう。
  • 自分の答案と解答例を見比べるだけでなく、添削指導を受けることで気づきにくい文法上のミスを把握することができます。
  • また、他の表現の仕方についても学び、どのようなテーマが与えられた場合でも書きたい内容がスムーズに書けるようにしておくと、解答時間の短縮と得点率アップに有効です。
  • 添削指導を受けることが難しい場合は、自分の答案と解答例を丁寧に見比べたり、友達など他の受験生の答案を見たりすることで、表現の幅を広げてください。

 

時間配分戦略:

  • 過去問対策では、大問5の自由英作文をどのタイミングで解くのかも決めておくと良いでしょう。
  • 最初にある程度自由英作文を解き進めておき、一旦長文に取り組んでから新たなアイデアを取り入れつつ自由英作文を完成させる、というのが1つの方法です。
  • この方法は自由英作文の質を高めやすい一方、時間配分をきっちり行わないと解き残しが出やすくなります。
  • 標準レベルまでの長文読解をスムーズに解き進められる自信がある受験生には、大問1~大問4を早めに処理してしまい、残った時間でじっくり大問5の自由英作文に取り組む解答順序が良いでしょう。

 

まとめ

  • 長文読解の選択肢はわかりやすいものが多い
  • 大問5で語数が多めの自由英作文が出る
  • 高得点勝負なので時間不足には注意したい
物理対策(60分・100点)

入試傾向

順天堂大学医学部入試では、理科2科目を120分で解答します。物理の解答時間は60分が目安です。大問数は2問と少ないものの、小問数が多いため制限時間の設定はやや厳しめと言えるでしょう。

 

出題形式
形式面では、大問1がマークシート方式、大問2が記述式となっています。大問2は文字を含んだ式や数値を答える形式で、計算過程や解法を示す必要はありません。大問1は記号選択、大問2は計算問題が中心です。

 

大問1の特徴
順天堂大学医学部物理の大問1では、小問集合が出題されます。高校物理の様々な分野からバランスよく出題され、苦手分野のない受験生が得点を稼ぎやすい傾向です。力学、電磁気、熱力学などに主な出題分野が限られている医学部もある中で、幅広い分野の対策をする余裕があるかどうかが問われます。制限時間の厳しさを考えると、正解の選択肢を選べるだけでなく、どれだけ短時間で解答を進めていけるかも勝負のポイントです。基礎~標準レベルの典型題が多く出るため、取りこぼしをなくしつつ、スピーディーな解答が望まれます。

 

大問2の特徴
大問2の記述式問題は、基本的に1つのテーマに沿って出題されます。小問は誘導形式になっていることが多く、前半の小問をヒントにできれば後半が解きやすい傾向です。順天堂大学の物理で高得点を狙いたい医学部受験生は、大問2の解答時間を十分に確保し、誘導をうまく利用して後半の小問まで解き進めることが求められます。

大問2は誘導形式という性質上、どうしても後半の小問に進むにつれて難易度が高くなる傾向です。まずは前半の小問を確実に得点し、後半の小問についてじっくり考える時間を確保するのを理想と考えましょう。

 

難易度
順天堂大学医学部物理の難易度は、全体として標準~やや易しめの出題です。大問1の小問集合や大問2の前半など、多くの受験生が得点しやすい設問も多くみられます。ここで取りこぼしが多いようだと、医学部合格は難しくなるので注意が必要です。標準レベルの典型題までを確実に解ける受験生で、解答スピードにも自信があれば8割以上の高得点も狙えます。

 

入試対策

基礎~標準レベルの確実な習得:

  • 順天堂大学医学部物理の入試対策では、まず各分野において基礎~標準レベルの問題を確実に解けるようにしましょう。
  • 多くの受験生にとって得点源となる設問が多く、特に大問1は小問集合形式のため易しめの問題も少なくありません。
  • 早い段階で、教科書レベルの基礎知識や、標準レベルの典型題については、確実に正解する学力を身につけましょう。

 

全分野の対策:

  • 併願校の過去問対策などで、力学や電磁気などの頻出分野に絞って学習している受験生もいるはずです。
  • そのような受験生も、学校や医学部専門予備校の授業などで他分野を学習する際に手を抜かないようにしたり、教科書や市販の問題集で基礎~標準レベルの問題を一通り解き直したりして、物理の全分野から苦手をなくしておくことが大切です。

 

解答スピードの向上:

  • 標準レベルまでの問題が解けるようになったら、順天堂大学医学部物理での得点力を高めるために解答スピードを上げる対策が重要です。
  • 典型題については考え込むことなく、反射的に解き進められるまで反復練習をしてください。
  • 特に大問1の小問集合については、素早く、正確に解き進めて、大問2の記述式問題に多くの解答時間を回せるようにしましょう。

 

時間配分の意識:

  • 普段の学習から、1問当たりにかける時間を意識することも有効です。
  • 1問に時間がかかりすぎていると感じた場合は、一旦飛ばして他の問題に取り組む習慣をつけましょう。
  • 共通テスト物理など、ある程度問題数の多い形式のテストを解くときに、特に強く意識することをおすすめします。
  • 模試などで時間配分を失敗した経験がある人や、普段から1問に時間をかけすぎて単位時間当たりの学習の進み具合が遅いと感じる人は、特に注意が必要です。

 

過去問対策:

  • 順天堂大学物理の過去問対策では、大問1の小問集合で取りこぼしがないかをチェックしてください。
  • 知識・理解が不十分な分野があることに気づいたら、必ずその分野の類題演習を行いましょう。
  • 苦手分野をそのままにしていると、他の受験生が得点できる問題で失点し、医学部合格が難しくなります。
  • 過去問の大問1で間違えた問題があれば、その日のうちに同じ単元の問題を解くべきです。
  • 順天堂大学医学部に合格するためには、他の受験生ができる問題をより素早く解けるようにすることが大切になります。

 

誘導形式問題への対策:

  • ある程度得点が取れるようになってきたら、大問2で頻出の誘導形式の問題について対策を強化しましょう。
  • 問題そのものの考え方をマスターすることに加えて、誘導をうまく利用することを強く意識してください。
  • 数年分の過去問を解くごとに、どのような誘導の流れがあったかを振り返って整理する対策も効果的です。
  • 最終的には、全体で75%~80%以上の得点を目指してください。

 

まとめ

  • 物理の全分野からバランスよく出題される
  • 基礎~標準レベルの問題を素早く解きたい
  • 大問2は誘導を活かせると高得点につながる
化学対策(60分・100点)

入試傾向

順天堂大学医学部化学は、理科2科目を120分で解答する形式です。化学の解答時間は半分の60分を目安と考えましょう。記号選択問題が中心で1問当たりの解答にかかる時間は短めですが、小問数が多いため時間配分には注意が必要です。解答スピードに不安がある受験生は、解答順序や、行き詰まった場合の対応策を念入りに考えておきましょう。

 

出題形式
大問数は2題で、大問1がマークシート方式、大問2が記述式となっています。大問2では用語や化学式を記述する問題、計算問題のほか、論述問題も出題される傾向です。計算問題では、化学平衡など理論化学分野の典型題の出題が多くなっています。論述問題については、字数が少なめの小問が少数出る程度です。特殊な形式の問題は見られませんが、解答形式からもわかる通り、幅広い問題に対応する力が求められます。共通テスト対策と国公立医学部対策を十分に行っている受験生は、私立医学部の併願校として順天堂大学医学部の入試傾向にも対応しやすいです。

 

出題分野
順天堂大学化学における出題分野の傾向は、比較的バランスが取れています。有機化学や高分子化合物の配点比率が極めて高い医学部もありますが、順天堂大学の入試では理論化学や無機化学からもバランスよく出題される傾向です。高校化学の全範囲について、苦手分野を作らず丁寧に学習してきたかどうかが得点を左右します。他大学の入試対策で特定の分野を集中的に学習している受験生は、学習が手薄になっている分野で失点が重ならないように注意が必要です。

 

難易度
全体の難易度としては、基礎~標準レベルの出題が多くなっています。難問が出る割合は少なく、教科書レベルの基礎知識が確実に定着しているか、典型題を正解できるかなどがポイントです。その分、高得点を取る受験生も少なくありませんので、化学が苦手な受験生は大きな差をつけられないよう注意してください。

順天堂大学の化学では、基礎~標準レベルの問題の理解度が高い受験生が高得点を狙える傾向です。その問題が解けるだけでなく、関連する知識を脳内で整理できているか、最短の方法で素早く、正確に解き進められるかも高得点のカギになります。教科書の内容については他人に説明できるレベルまで正しく理解していることが望ましいです。典型題についても、解法や計算過程まで示せるレベルを目指すことで、高得点を狙いやすくなります。

 

入試対策

基礎知識の徹底:

  • 順天堂大学の医学部入試では、化学の対策として教科書レベルの基礎知識を確実に身につけることが大切です。
  • 易しい問題も多く出題され、取りこぼしがあると他の受験生にリードされてしまいます。
  • また、正解できる場合でも、より短時間でテキパキ解答することで、他の問題を解く時間を確保してリードを広げることが可能です。
  • 基本的な用語や化学式については、反射的に解答できるレベルまで徹底的に暗記、整理しておきましょう。

 

計算問題・論述問題対策:

  • 計算問題や論述問題の対策としては、標準レベルの典型題を多く解く対策が有効です。
  • 順天堂大学医学部化学では出題分野の偏りが小さいため、様々な分野についてバランスよく問題演習を重ねていくことが大切です。
  • ただし、一度に多くの分野を学習しようとすると、知識が十分に定着しないことが考えられます。
  • 「苦手分野から」、「併願校の頻出分野から」など、分野ごとに学習する順序を決めて、一定の期間に集中して1つの分野を学習すると効果的です。

 

マークシート対策:

  • 順天堂大学化学の大問1はマークシート方式で、対策として共通テストの過去問に取り組んでも良いでしょう。
  • 過去問対策の際には実際にマークシートに記入する練習も行い、入試本番でマークミスによる失点がないようにしてください。
  • 過去問対策を進める中でマークミスが発生した場合は、必ず原因と対策を丁寧に検討し、再発を防ぐことが大切です。

 

記述式問題対策:

  • 大問2の記述式問題についても、極端な難問や奇問は出にくい傾向です。
  • そのため、順天堂大学の過去問にこだわらず、市販の問題集や他大学の過去問も用いて、オーソドックスな化学の問題演習を重ねましょう。
  • 大問1と同様に、正解できるだけでは満足せず、より短時間で解答する練習をしてください。
  • 制限時間は理科2科目で120分なので化学の目安時間は60分となりますが、可能であれば50分程度を目安に解答を進めると、他の科目に回したり、見直しをしたりする時間を確保できます。

 

過去問対策の注意点:

  • 順天堂大学化学の過去問対策では、年度によって分量が異なる点に注意が必要です。
  • 近年も解答スピードが求められる形式ですが、依然と比べれば分量が減っています。
  • そのため、5~10年程度さかのぼって過去問演習をする場合、制限時間がより厳しいと感じるかもしれません。
  • 解答スピードを上げるための演習教材としては適していますが、時間配分を考える際に、必要以上に1問当たりの解答時間を短く設定しないように心がけましょう。

 

まとめ

  • マークシート方式と記述式の融合型
  • 基礎~標準レベルの出題が中心
  • 高得点を狙うならスピードアップを意識
生物対策(60分・100点)

入試傾向

順天堂大学医学部の生物は、解答時間の目安が60分(制限時間は理科2科目で120分)、大問数は2題です。大問数は少ないですが、小問数が非常に多く、時間不足に陥るリスクが高い点に注意してください。

 

出題形式
順天堂大学生物の形式は、大問1がマークシート方式、大問2が記述式となっています。大問1は小問集合の形式になっており、大きく3つの部分に分かれています。それぞれの部分において小問が細かく設定されており、基礎知識をテキパキ解答していくことが大切です。大問2は記述式となっており、用語記述問題と論述問題が出ます。用語記述問題の出題数が多く、2024年は23問の出題がありました。2025年のように計算問題が出題されることもあり、その場合も解答箇所が多く設定される傾向です。

 

出題分野
出題分野については、小問数が多いこともあり高校生物の全分野からバランスよく出題されます。遺伝や代謝などの分野に出題が偏っている医学部もありますが、順天堂大学の入試傾向はバランス型です。併願校対策として特定の分野ばかりを学習していると、苦手分野についての基礎的な出題に対応できない可能性があるので気をつけましょう。

 

難易度
順天堂大学生物の難易度は、標準~やや易しめになっています。教科書レベルの基礎知識を問う問題も多く、苦手分野を作らず、基礎知識を確実に定着させられている受験生が得点を積み重ねやすい傾向です。計算問題や論述問題が出る場合も、難問・奇問はほぼ見られず、標準レベルの典型題までを解けるようにしておけば、高得点を狙いやすくなっています。

順天堂大学生物の入試傾向で最も注意すべき点は、小問数の多さです。基礎~標準レベルの問題を反射的に解き、解答時間を効率よく使ってすべての小問に取り組めるかどうかが得点を左右します。物理や化学も時間にそれほど余裕があるわけではありませんが、小問数は生物で突出して多くなっており、物理や化学の解答時間を少し短縮して生物に回すのも1つの考え方です。いずれにせよ、解答スピードが速く、要領よく小問を処理していける受験生は、順天堂大学の生物を解きやすいと感じるでしょう。

 

入試対策

基礎知識の完全習得:

  • 順天堂大学生物の入試対策では、高校生物の各分野について、教科書レベルの基礎知識の抜けをなくすことを最優先にしてください。
  • 特に、併願校対策などで分野別の問題演習をしている場合は、対策が手薄になっている分野があるはずです。
  • 学習時間が少ない分野についても、教科書を見直したり、市販の問題集で基礎用語や典型題を解き直したりして、理解を確実にしておきましょう。
  • 苦手分野を把握できていない場合は、順天堂大学生物の過去問で大問1を数年分解き、間違えた問題が多い分野・単元を苦手分野と判断することができます。

 

スピードと正確性の向上:

  • 基礎知識が定着した後は、標準レベルの典型題を素早く、正確に解く力を伸ばしましょう。
  • 問題演習を繰り返す中で、わからない問題を減らすだけでなく、解答にかかる時間を短縮することを意識してください。
  • 大問ごとにかかった時間を記録し、成長を実感できるようにするとスピードアップを楽しく進めやすいです。

 

知識確認としての活用:

  • 順天堂大学の生物では、基本的な知識や用語を問う問題が多数出題されます。
  • 併願校として順天堂大学を受験する場合も、過去問を積極的に解くことで生物全体の知識の抜けを確認する効果が期待できます。
  • 共通テスト生物や国公立医学部の生物対策を進める中で、順天堂大学生物の過去問を活用すると良いでしょう。

 

論述問題対策:

  • 論述問題については、出題数こそ少ないですが、対策が不十分だと解答時間を多く消費してしまいます。
  • 標準レベルの論述問題については、要点を手早くまとめられるようにしましょう。
  • 市販の問題集や他大学の過去問などから、問題を読むと解答の概要がイメージできるような、標準レベルまでの論述問題だけを取り出して演習を重ねると効果的です。

 

時間配分対策:

  • 順天堂大学生物の過去問対策を本格的に行う際は、時間配分を強く意識してください。
  • 特に、普段からテストで制限時間が足りないケースが多い受験生は、大幅な解き残しが生じる可能性があります。
  • 大問1の記号選択問題や、大問2のうち基本的な用語を問う問題については、考え込まずどんどん解答を記入することが不可欠です。
  • 制限時間が足りない場合は、全体的に解くのが遅いのか、特定の小問に時間をかけすぎているのかなど、原因を分析したうえで対策を進めましょう。

 

過去問演習の活用法:

  • 過去問演習の際には、正解した問題についても解説を丁寧に読み、関連する知識を整理しておいてください。
  • 基礎レベルの問題で間違えた場合は、解説に加えて教科書を読み直し、他に抜けている知識をつぶすことが大切です。
  • 地道な努力で基礎~標準レベルの問題の正答率を高め、順天堂大学医学部の入試本番では、生物で8割以上の得点を目指してください。

 

まとめ

  • 基礎~標準レベルの知識問題が多い
  • 全分野からバランスよく出題される傾向
  • 小問数が多く素早い解答が求められる
面接対策(個人面接・約20~30分)

面接形式:

個人面接で、受験者1名に対して面接官複数名で行われます。時間は約20~30分です。

面接の特徴

  • 特徴的な活動を証明する資料(賞状、資格証明書、トロフィー等)を持参
  • 医師としての適性と「仁」の精神を重視
  • 順天堂大学独自の教育方針への理解を確認

主な質問内容

  • 医学部志望動機・医師を目指す理由
  • 順天堂大学を選んだ理由
  • 「仁」の精神についての理解
  • 1年次の寮生活への意欲
  • 持参した資料に関する質問
  • 高校時代の活動・部活動
  • 将来の医師像

対策のポイント

  • 順天堂大学の建学の精神「仁」について理解を深める
  • 全寮制の意義を理解し、集団生活への適応力をアピール
  • 持参する資料の説明を準備し、具体的なエピソードを用意
  • 国際性や研究への興味など、順天堂の特色に合った志望動機を準備
注意:東京都地域枠選抜では、通常の面接に加えて東京都職員同席の面接(約10~15分)も実施されます。

 

過去の合格実績と出題傾向分析

合格者の特徴

合格最低点目安

一般A方式:約67.6%

一般B方式:約71.0%

共通テスト併用:約84.4%

※2024年度実績

現浪比率

現役生:約70%

浪人生:約30%

※私立医学部で屈指の現役生合格率

入試倍率

一般A方式:約12.8倍

一般B方式:約24.7倍

地域枠:約11.0倍

※私立医学部トップクラスの人気

合格者の特徴

・小論文での創造性が高い

・面接での人物評価が良好

・英語力が高い学生が多い

・特徴的な活動経験を持つ

よくある質問(Q&A)

Q1. 順天堂大学医学部の難易度はどのくらいですか?
偏差値70.0で、私立医学部の中で第2~3位に位置する最難関大学の一つです。慶應義塾大学に次ぐレベルで、東京慈恵会医科大学、日本医科大学と並ぶ「私立医学部御三家」と呼ばれています。
Q2. 学費減免特待生制度について教えてください
一般選抜A方式の成績上位10名が対象となります。1年次は入学金200万円のみ、2年次以降は年間100万円で、6年間総額700万円となります。これは国立大学医学部とほぼ同等の学費で、最大1,380万円の減免となる大変魅力的な制度です。
Q3. 1年次の全寮制について詳しく教えてください
千葉県さくらキャンパスの「啓心寮」で、医学部とスポーツ健康科学部の1年生全員が共同生活を送ります。2人部屋で1年間同室となり、16~18人で1ファミリーを構成。集団生活を通じて協調性と「仁」の精神を実践的に学ぶ、順天堂独自の人間形成教育です。
Q4. どの入試方式を選ぶべきですか?

順天堂大学は多様な入試方式があります:

  • 一般A方式:最も募集人数が多く(64名)、標準的な方式
  • 一般B方式:英語力を活かせる方式(英語資格で最大25点加点)
  • 共通テスト利用:共通テストの得点を活用できる
  • 地域枠:奨学金付きで地域医療に貢献したい方向け

複数の方式に併願可能なので、自分の強みを活かせる組み合わせで受験することをお勧めします。

Q5. 小論文試験の対策はどうすればよいですか?

順天堂大学の小論文は写真や絵画を見て論述する独特な形式です:

  • 日頃から様々な視覚資料に触れ、感じたことを文章化する練習
  • 論理的思考力と創造的な発想力の両方を鍛える
  • 過去問を通じて出題パターンに慣れる
  • 70分という時間内で構成を考え、まとめる練習

合格までのロードマップ

学年別対策スケジュール

高校1・2年生

  • 基礎学力の完全定着
  • 英語力の強化(英検準1級目標)
  • 理科2科目の基礎固め
  • 特徴的な活動への積極的参加

高校3年生春~夏

  • 応用問題演習の開始
  • 計算力・処理能力の向上
  • 小論文対策の開始
  • 模試での実力確認

高校3年生秋~冬

  • 過去問演習の集中実施
  • 時間配分の最適化
  • 面接対策・資料準備
  • 複数方式への出願準備

直前対策

  • 各科目の総復習
  • 小論文の実践演習
  • 面接シミュレーション
  • 幕張メッセへのアクセス確認

 

最後に – 受験生・保護者の皆様へ

順天堂大学医学部合格への道筋

 

順天堂大学医学部は、186年の歴史と伝統を持つ日本最古の医学教育機関として、「仁」の精神を基に優れた医師を育成してきました。私立医学部で最も学費が安い大学の一つでありながら、教育の質は最高水準を保っています。

1年次の全寮制による人間形成、6つの附属病院での充実した臨床実習、国際性豊かな教育プログラムなど、医師として必要なすべての素養を身につけることができます。

高い学力とともに、思いやりの心と国際的視野を持つ皆様の挑戦を心から応援しています。