第1回 ハンガリー医学部を目指そうと思った理由

第1回

ハンガリー医学部を目指そうと思った理由

自己紹介

はじめまして。
ハンガリー医学部への進学を目指し、受験を経て合格をいただいた社会人です。

私は工業高校を卒業後、約14年間会社員として働いてきました。
医療とは無縁の環境にいましたが、ある出来事をきっかけに医師を志し、そこから基礎学習をやり直しながら受験に挑みました。

本記事では、そうしたゼロからのスタートで海外医学部を目指した過程や、実際に経験したことを、できるだけ具体的にお伝えしていきます。

同じように進路に悩んでいる方にとって、現実的な選択肢の一つとして参考になれば幸いです。

私がこの進路を選ぶまでに考えたこと

私が医師を目指すようになったのは、ある出来事がきっかけでした。

4年前、10年以上ともに働いてきた友人が、自ら命を絶ちました。
私はその場に駆けつけ、すでに取り返しのつかない状況になっている友人を目の当たりにしました。

当時は、特別な前兆に気づくことができませんでした。
それでも、もっと早く変化を捉えられなかったのかという思いは残りました。
しかし、後悔だけで終わらせたくはありませんでした。
どうすればもっと早く気づき、最悪の事態を防ぐことができたのか。
そう考え続ける中で、心の不調は外からは分かりにくく、周囲の人間だけでは限界があること、そして専門的に関われる立場でなければ届かないケースがあるという現実を強く意識するようになりました。

このまま「気づけなかった側」で終わるのではなく、
次は「関わることができる側」になりたい。

そのためには、医師として知識とスキルを身につけ、正しく介入できる立場になることが必要だと考えました。
そして、心と身体の両面から人の状態を捉え、早い段階で関わることのできる医師を目指すことを決めました。

しかし、決意したからといって、すぐに進路が見えたわけではありません。
私は社会人として働いており、勉強から長く離れていました。
英語や理科も、ほぼゼロからのスタートです。
それでも当初は、「医師になるなら日本の医学部に進むしかない」と考えていました。

ですが、実際に調べていく中で、その考えは少しずつ揺らいでいきます。
医学部受験は、想像以上に高い学力が求められます。
さらに、多くの場合、浪人を前提とした長期戦になります。
年齢やブランクを考えると、
「この道だけに絞るのが本当に現実的なのか」
という疑問が強くなっていきました。

そこで私は、進路の考え方を変えました。
「どこの医学部に入るか」ではなく、
「どうすれば医師になれるか」という視点です。

そんな中で出会ったのが、海外医学部という選択肢でした。
最初は正直、不安の方が大きかったです。
ですが、情報を集めていく中で、ある瞬間に感覚が変わりました。

「こんな道があったのか」

それまで自分の中では、
「医学部=日本の大学しかない」
という前提で考えていました。

しかし実際には、
英語で医学を学び、
EU圏で通用する医師資格を目指し、
さらに日本の医師国家試験にも挑戦できる
というルートが存在していたのです。

特にハンガリー医学部は、海外医学部の中でも日本人の進学実績が多く、制度としても整備されていることを知りました。
HMUの情報では、

  • 日本人在校生は約550名。
  • 日本の医師国家試験合格率も90%以上とされています。
  • 年間複数回の受験機会があり、一発勝負ではない点。
  • 英語・理科に不安がある人のための予備コースが用意されている点。

など、「挑戦できる設計になっている」と感じました。

特に印象的だったのは、「できる人が進める道」ではなく、「これからできるようになる人が進める道」として設計されている点です。
日本の医学部受験は、すでに高い学力を持っていることが前提になっているケースが多く、スタートラインに立つまでのハードル自体が高いと感じていました。
一方でハンガリー医学部は、予備コースを通して基礎から段階的に力をつけることができ、現実的に到達可能なルートとして設計されています。

この違いは、自分にとって非常に大きなものでした。
それまでの私は、
「今の自分では難しいかもしれない」
という前提で進路を考えていました。
ですがこの選択肢を知ったことで、
「条件が揃えば、自分でも目指せるかもしれない」
という感覚に変わりました。

もちろん、不安が消えたわけではありません。
海外で生活すること、言語の壁、学業についていけるのか。
考えれば考えるほど、不安は出てきます。
また、海外医学部に関する情報はばらつきも多く、何を信じるべきか迷うこともありました。

それでも最終的にこの道を選んだのは、
不安よりも、
「この道なら医師になれる可能性がある」
と感じたからです。
これは、逃げではありませんでした。
むしろ、自分の状況を冷静に見つめた上で、
最も現実的で、最も可能性のある道を選んだ結果でした。

今振り返ると、この選択は最初から自信があったわけではありません。
迷いながら、情報を集めていく中で、少しずつ納得していったものです。

ただ一つ言えるのは、
進路は、最初から一つに決まっているものではないということです。
もし今、医学部を目指したいと思っている方がいれば、
「日本の医学部だけがすべてではない」
ということを、一度知ってほしいと思います。

選択肢を知ることで、見える可能性は大きく変わります。
そしてその中に、自分にとって現実的な道が見つかるかもしれません。

次回は、
「受験を決めてから最初に感じた壁」について、
実際に準備を始めたときに感じた不安や戸惑いを具体的に書いていきます。