第2回 ハンガリー医学部受験を決めてから最初に感じた壁

第2回

ハンガリー医学部受験を決めてから最初に感じた壁

準備を始めた頃の不安と戸惑い

第1回で書いた通り、私はハンガリー医学部という進路を知り、「この道なら医師になれる可能性がある」と感じて受験を決めました。

しかし、実際に準備を始めてみると、最初に感じたのは期待よりも戸惑いでした。
何から手をつければいいのか分からない。
どこまでやればいいのか分からない。
そして、この選択が本当に正しいのかも分からない。

海外医学部受験は、日本の医学部受験に比べて情報が少なく、受験を決めた直後は完全に手探りの状態でした。
募集要項を見れば、試験の流れ自体は理解できます。
書類審査があり、その後に筆記試験と面接試験があること。
筆記では英語に加えて、生物・化学・物理の中から2科目を選択すること。

しかし、本当に知りたいのはその先でした。
どのレベルまで仕上げればいいのか。
問題はどのような形式なのか。
面接ではどこまで問われるのか。
どの科目にどれくらい時間をかけるべきなのか。

こうした情報がほとんど見えず、「何をどの順番で進めるべきか」が分からないまま時間だけが過ぎていきました。
日本の受験であれば、偏差値や模試、過去問など、ある程度の指標があります。
たとえ厳しくても、「ここまでやれば届く可能性がある」という目安があります。

一方で海外医学部受験は、その指標が見えにくい。
そのため、勉強を進めていても常に
「これで合っているのか」
という不安がつきまといました。

さらに言えば、「間違った方向で努力しているかもしれない」という感覚が常にありました。
時間をかけているのに、それが合格につながるのか確信が持てない。
この状態は、精神的に想像以上に負担が大きいものでした。


もう一つ大きかったのが、学力への不安です。

私は社会人として働いており、長く勉強から離れていました。
英語も理科も、ほぼゼロからのスタートでした。

ハンガリー医学部は「入りやすい」と言われることもありますが、決して簡単ではありません。
英語で授業を受ける以上、一定の英語力は必要ですし、理科も基礎がなければ対応できません。
「本当に自分が通用するのか」
この不安は常にありました。
特に英語に関しては、筆記試験免除のために出願時点で一定のスコアが求められるため、受験対策と並行して準備する必要があります。
つまり、単に試験に受かるための勉強だけでなく、その前段階からハードルが存在しているという状況でした。

さらに私の場合は、仕事をしながらの受験勉強でした。
仕事が終わってから勉強する。
疲れていても机に向かう。
休日も勉強に充てる。
頭では必要だと分かっていても、継続すること自体が簡単ではありませんでした。

「今日はやらなくてもいいのではないか」と思う日もあれば、思うように進まず焦る日もありました。
つまり、受験の壁は一つではなく、
情報の不透明さ、学力への不安、そして時間の制約が同時に存在していたのです。


そうした中で悩んだのが、予備校をどうするかでした。

理科に関しては、独学だけで進めることに限界を感じていました。
方向性を間違えることが、一番のリスクだと考えたからです。

ただ、通学型の予備校は現実的ではありませんでした。
地方在住であること、そして仕事との両立を考えると、決まった時間に通うことが難しかったためです。
そこで選んだのが、株式会社アクトグループ PMD医学部専門予備校の海外医学部コースでした。

決め手は、オンラインでマンツーマン指導を受けられる点です。

  • 自分の理解度に合わせて進めてもらえること。
  • 分からない部分をその場で解消できること。
  • 学習の方向性を都度修正できること。

この環境は、自分にとって非常に大きな支えになりました。
また、場所に縛られず、自宅で受講できる点も現実的でした。
移動時間がないことは、社会人受験において想像以上に大きなメリットでした。

一方で、オンラインのマンツーマンには難しさもあります。
他の受験生の状況が見えないこと。
自分の立ち位置が分かりにくいこと。
そして最終的には、自分で進めるしかないという前提があることです。
つまり、自由度が高い分、自己管理が求められる環境でした。


今振り返ると、最初に感じた壁の正体は、単なる「難しさ」ではありません。

何が分からないのか分からない状態。
そして、その中で進まなければいけないこと。
これが一番大きな壁だったと思います。

ただ、この状態は、情報を整理し、信頼できる環境を見つけることで少しずつ変わっていきました。
最初は断片的だった情報が、徐々につながり始め、「やるべきこと」が見えてくるようになります。


もし今、海外医学部を目指そうか迷っている方がいれば、最初からすべてを理解しようとしなくて大丈夫だと思います。

大切なのは、断片的な情報に振り回されることではなく、
自分に必要な情報を一つずつ整理していくことです。
そしてもう一つは、一人で抱え込まないことです。

海外医学部受験は情報が少ないからこそ、信頼できる環境に入ることで、不安の質が大きく変わります。

次回は、
「ハンガリー医学部入試に向けて私が続けた勉強」について、
英語・理科・面接対策をどのように進めたのかを具体的に書いていきます。