第3回 ハンガリー医学部入試に向けて私が続けた勉強

第3回

ハンガリー医学部入試に向けて私が続けた勉強

英語・理科・面接対策の進め方

第2回で書いた通り、受験を決めた当初の私は、情報も少なく、何をどこまでやればいいのか分からない状態でした。さらに、工業高校を卒業してから約10年が経っており、英語も理科もほぼゼロからのやり直しでした。

その中で最初に決めたのは、「すべてを一度にやろうとしないこと」でした。
受験に必要なのは英語、理科、誠に面接。それぞれ性質が違う以上、同時に曖昧なまま進めるのではなく、優先順位を決めて一つずつ積み上げる必要があると考えました。


まず、最優先に置いたのは英語です。
IELTSは筆記試験免除の条件になっており、出願時点で一定のスコアが求められます。
ここをクリアできなければ、理科試験に加えて英語の筆記も受ける必要があり、受験当日の負担は大きくなります。そのため英語は、単なる一科目ではなく、受験全体の難易度を左右する要素として位置づけました。

とはいえ、スタート地点はかなり低いものでした。
最初に受けたTOEICは395点。内容もほとんど理解できず、手応えはほぼありませんでした。

そこで最初の1年間は、試験対策ではなく基礎のやり直しに充てました。小学・中学レベルからの再構築です。
遠回りに見えますが、基礎が抜けた状態で進めても、どこかで必ず止まると感じていました。結果的に、この判断は間違っていなかったと思います。

その後、2年目からTOEIC対策に移行しました。参考書に加え、スタディサプリを活用し、通勤中は単語学習に充てる。試験も2か月に1回程度のペースで受け、スコアを少しずつ引き上げていきました。

そして3年目に、IELTS対策へと移行しました。最終的に必要なのはIELTSのスコアであり、ここで初めて「受験に直結する形式」に合わせた学習へ切り替えました。
TOEICで土台を作ってからIELTSに移行したことは、自分にとっては効率的なルートだったと感じています。


次に理科です。科目は生物と化学を選択しました。医学部進学後の内容も踏まえ、この2科目が重要だと考えたためです。
理科については独学に不安があったため、予備校で週1回のオンラインマンツーマン指導を受けながら進めました。

ここで意識していたのは、「理解して説明できる状態にすること」です。
単なる暗記ではなく、なぜそうなるのかを言語化できるか。
この視点で問題演習を繰り返しました。

マンツーマン指導の良さは、疑問をその場で解消できる点にあります。
理解が曖昧なまま進むことを防げたのは大きかったと感じています。

一方で、振り返ると配分には反省もあります。
無機化学に時間を使いすぎ、有機化学への比重が足りなかった点です。
過去問がない中で範囲を見極める難しさはありましたが、もう少し優先順位を明確にしてもよかったと感じています。


そして面接対策です。日本語での受け答え自体には大きな不安はありませんでしたが、英語での面接がある点は不確定要素でした。

対策としては、予備校での模擬面接に加え、現地の先輩とオンラインで練習を行い、実践形式で準備しました。志望理由や留学の動機など、自分の言葉で説明できるように繰り返し整理していきました。

ただ、英語面接については想定が甘かった部分もあります。日常会話レベルと聞いていたものの、専門的な内容まで英語で問われる可能性への備えは不十分でした。
この点は、オンライン英会話などを早い段階から取り入れていれば、もう少し対応できたかもしれません。


勉強を継続する上で意識していたのは、モチベーションに依存しないことです。

長期戦の中で、やる気の波に左右されると継続が崩れます。そのため、やるべきことを細かく区切り、締め切りを設定して進めるようにしていました。
また、自分は座ると眠くなるタイプだったため、スタンドデスクを導入し、基本的に立って勉強する環境を作りました。

加えて、勉強時間を記録し、可視化することで自己管理の精度を上げていました。
継続の仕組みを作ることが、結果的に一番の支えになったと感じています。


振り返ると、この勉強法が最短だったとは思いません。ただ、社会人としてブランクがある状態から再スタートした自分にとっては、基礎から積み上げるこの方法が現実的でした。

大切なのは、理想的なルートをなぞることではなく、自分の現在地から積み上げられる形を選ぶことだと思います。焦りよりも、積み重ねの精度の方が結果に直結します。

次回は、
「ハンガリー医学部の入試本番で感じたこと」について、
試験当日の流れや面接の空気感を、実体験ベースで書いていきます。