第1回医学部編入合格記|文系・社会人から医学部編入〜東大文学部卒大分大学医学部に合格するまで

【シリーズ】文系・社会人から医学部編入へ ― 全5回の合格体験記

東京大学文学部を卒業後、出版社で営業職として働いていたKさん。「子どものためになる仕事がしたい」という思いを原点に、文系・社会人という立場から医学部編入試験に挑み、大分大学医学部への合格を勝ち取りました。

本シリーズでは、Kさんの医学部編入合格までの道のりを全5回にわたってお届けします。

第1回 医学部編入を目指そうと思った理由(本記事)
第2回 最初に感じた壁
第3回 続けた対策
第4回 本番で感じたこと
第5回 合格して振り返ること

情報が限られる医学部編入という選択肢について、志望理由から受験対策、試験本番の実感、そして合格後の振り返りまで――一人の受験生のリアルな経験を、これから編入を考える方の参考にしていただければ幸いです。

第1回

医学部編入を目指そうと思った理由

自己紹介

はじめまして。
このたび、大分大学医学部医学科2年生に学士編入にて進学しました、Kと申します。

私は、医学部編入のための本格的に準備を開始してから約2年半の学習期間を経て、本学に合格しました。
PMDではそのうち約1年半お世話になり、科目の勉強に限らず、この先の進路を考えるうえで多くの示唆をいただきました。
この場を借りて、心から感謝申し上げます。

今回から5週にわたって、私の医学部編入試験の体験談をお話ししていきます。
これから編入を目指す方にとって、少しでも現実的なイメージと判断材料になれば幸いです。

医学部編入を志した理由

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私は、九州の高校を卒業し、1年の浪人を経たのち、東京大学文科三類に入学、同文学部人文学科を卒業しました。
大学卒業後は約3年、都内の出版社で営業マンとして勤務していました。
そんな私がなぜ医学部に入学しようと思ったのか、まずはお話しします。

私が医学部を目指そうと思った原点には、「子どものためになる仕事がしたい」という思いがあります。
これは小学生の頃から一貫して抱いてきたものでした。

高校生までは、周囲に医療従事者が多かったことや、本・テレビの影響もあり、「子どもを救う仕事=小児科医」と考えていました。
しかし、高校生になった頃、自分がいわゆる”文系型”の思考特性を持っていることを自覚し、理系進学に対して現実的な迷いが生じ始めました。
また、ちょうどその頃、当時中東で勃発していた紛争によって多くの難民の子どもたちが過酷な状況に置かれていることを知り、私は大きな衝撃を受けていました。

この子たちを救うには何ができるだろうかと思案する中で、「子どもを救う」という目的は、医療だけでなく、政治的・社会的アプローチによっても達成できるのではないか、私にはそちらが向いている、と考えるようになり、国際情勢を学ぶために東京大学文科三類に進学しました。

大学で学ぶ中でも関心は次第に変化し、国際問題よりも個々の人間の内面に強く惹かれるようになった私は、国文学の研究に勤しみ、その後、やはり「子どもに関わる仕事」という軸をもって就職活動を行った結果、絵本や育児書に強みを持つ出版社に入社しました。

出版社での仕事は刺激も多く非常に充実していました。
一方で、営業職として働く日々の中で、子どもの幸福に直接貢献している実感を得られる場面は限られていると感じるようになりました。
自社のコンテンツを通じて間接的に価値を提供できていることを理解しつつも、やはり自分自身の知識や経験を使って目の前の子どもを救える立場に立ちたいという思いが次第に強くなりました。

そのとき改めて浮かび上がってきたのが、かつて思い描いていた「小児科医」という進路です。
自問自答する中で、子どもの人生に直接関わりたいという思いは、次第に具体的なイメージを伴うようになりました。

たとえば、目の前の子どもたちの苦痛を少しでも和らげてあげたいということ。
また、健康な身体をつくる手助けをすることで、絵本を読むことをはじめとした豊かな人生経験を楽しめるようにしたいということ。
そうした思いが積み重なり、時間と労力をかけてでも医学を学びたいと、医学部への進学を決意しました。

正直なところ、「本当に今から間に合うのか」と不安になる瞬間も何度もありましたが、それでも挑戦しないことへの後悔の方が大きいと感じました。

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一般入試ではなく編入試験を選んだ理由

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さて、医学部受験を考えた際、最初の大きな検討事項は「一般入試と編入試験のどちらを選ぶか」でした。
私は、両方について順番に検討することにしました。

▍一般入試について

文系進学をした私にとって、国立大学医学部の試験に必要な理科(物理・化学・生物)および数学ⅢCはほぼ未履修でした。
これらの科目について、数年分に相当する学習内容を一から積み上げ、共通テストおよび二次試験レベルまで引き上げるための学習量を考えると、限られた時間の中で合格レベルに到達することは容易ではないと判断しました。
医学部の入試では、単なる知識の習得にとどまらず、思考力を要する問題への対応力までが要求されることを承知していたため、短期間での完成は現実的ではないと感じました。

▍編入試験について

そこで、編入試験についても検討することにしました。
編入制度については、実際に医学部に編入した知人が数人いたことから、以前から存在自体は知っており、選択肢の一つとして認識していました。
医学部編入試験は大学ごとに試験科目が異なり、自分の強みを活かして受験戦略を立てることができます
私の場合、英語を比較的得意としていたことに加え、未履修の理科についても科目を絞って対策できる点は大きな利点でした。

このように、一般入試と編入試験の両方を比較検討した結果、限られた時間の中で自身の強みを最大限に活かし、現実的に医学部合格を目指すための最適なルートとして、編入試験を選択しました。

💡 一般入試が合理的なケースもあります

理系科目の学習経験が十分にあり、得意意識をお持ちの方にとっては、一般入試を選択することが合理的である場合も多いと私は考えています。一般入試は受験可能な大学の選択肢が広く、競争環境が比較的緩やかである場合もあり、さらに評価基準が比較的明確な筆記試験で実力を発揮できる点も大きな特徴です。
そのため、医学部進学を目指す上では、どちらか一方が優れているというよりも、自身の学習背景や強みに応じて最適なルートを選択することが重要であると考えます。

今だから言えることですが、編入試験は情報が非常に限られており、大学ごとの出題傾向や評価基準も不明瞭で、単に「効率がよいルート」であるとは言い切れない難しさもあると感じます。
実際に受験対策を始めてみると、どの大学を受験すべきか、どの科目にどの程度の比重で取り組むべきかといった判断材料が少なく、手探りの状態からのスタートでした。

また、生命科学という大学理科の学習や、編入特有の英語試験・面接対策など、独特の課題にも向き合う必要がありました。自分の選択が本当に正しかったのかと迷う場面もあり、想像以上に多くの壁に直面することになります。

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具体的にどんな壁に直面したかのお話は、また次回。

編入を決意したときの心境と周囲の支え

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医学という、これまでの文系中心のキャリアとは大きく異なる道に進むことに対して、不安がなかったわけではありません。

それでも、本当にやりたいことにもう一度挑戦したいという思いの方が強く、自分の中では迷いよりも納得感の方が勝っていました。
決断には覚悟も必要でしたが、その分だけ、この選択に対する責任を持ってやり抜こうという気持ちも強くなりました。
また、家族や友人、会社の方々にも「あなたならできるよ」と背中を押してもらい、その支えが大きな後押しとなりました。

以上が、私が医学部編入を志した理由と、その進路選択に至るまでの経緯です。
しかし、実際に受験対策を始めてみると、想像以上に多くの壁に直面することになりました。

次回は、編入試験の情報収集や受験校選び、勉強を始めた当初に感じた困難などについて、具体的にお話しできればと思います。

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