第3回医学部編入合格記|医学部編入の英語・生命科学・面接対策はどうやる?東大文学部卒・社会人が大分大学医学部に合格するまでの試行錯誤
東京大学文学部を卒業後、出版社で営業職として働いていたKさん。「子どものためになる仕事がしたい」という思いを原点に、文系・社会人という立場から医学部編入試験に挑み、大分大学医学部への合格を勝ち取りました。
本シリーズでは、Kさんの医学部編入合格までの道のりを全5回にわたってお届けします。
情報が限られる医学部編入という選択肢について、志望理由から受験対策、試験本番の実感、そして合格後の振り返りまで――一人の受験生のリアルな経験を、これから編入を考える方の参考にしていただければ幸いです。
こんにちは。
大分大学医学部2年のKです。
先日、編入学後はじめての試験として、骨学の口頭試問を受験しました。
実習では、本物の骨格標本を手に取って、全身の骨の名称や上下左右の向き、細かな部位の名称までを一つひとつ確認していきます。
今回、骨学の習得に与えられたのはわずか1週間で、毎日必死に知識を詰め込みました。
しかし、こうした知識は一朝一夕に身につくものではないと痛感しています。
医師として必要な知識として定着させるため、今後も継続して学習を続けたいと思います。
そして今振り返ってみると、医学部編入試験の対策を進めていた当時もまた、「何をどのように積み重ねていくか」に試行錯誤し続けていた時間でした。
今回は、英語・生命科学・面接といった各科目について、私がどのように対策を進め、どのようにやり方を修正していったのかをお話ししたいと思います。
先述の通り、英語が得意な私は英語力を活かせる大学を受験校として選びました。
いずれの大学でも、自然科学に関する英語論文の読解が出題されていましたが、対策に使えるような体系的な教材はほとんど存在しません。
そこで当初は、まずは不慣れな理系の英語論文に慣れるため、NatureやNew England Journal of Medicineなどの科学雑誌の記事を毎日読むことにしました。
この習慣で、英語そのものの読解力は確実に向上しました。
専門用語に苦戦しながらも、日ごとに読解スピードが上がっていくのを実感したことを覚えています。
しかし、編入試験で通用する英語力が身についているかという点では、確信が持てませんでした。
過去問に取り組んでも模範解答がなく、自分の答案がどの程度評価されるのかが分からなかったためです。
実際、受験期に入ってからは、英語の配点が高い大学を中心に不合格が続きました。
読めているはずなのに得点につながらないという感覚が、焦りを増幅させました。
転機となったのは、PMDでの編入英語対策です。
私は、米大学出身で薬剤師資格を持つ先生に、科学論文をもとにしたオリジナル問題を作成していただき、授業で添削と解説を受けました。
この過程で、自分の読解の癖や論述の弱点が明確になり、「何となく読む」状態から「設問に応じて正確に回答できる」状態へと変化していきました。
また、疑問点についてはその場で議論しながら理解を深めることができ、納得感を持って学習を進められるようになりました。
結果として、大分大学以外にも、神戸大学と東京科学大学の筆記試験に合格することができました。
編入試験の英語対策においては、単に多読を重ねるだけでなく、自分の答案を客観的に評価してもらえる環境を整えることが重要だと感じています。
先述の通り、生命科学は私にとって完全な初学分野でした。
当初は大手予備校の映像授業を受講していましたが、授業数を消化するだけで精一杯で、内容を十分に理解できているとは言えない状態が続きました。
そこで、仕事を辞して学習に専念することを決め、予備校教材に加えて高校生物・高校化学の自学を取り入れ、基礎から理解を積み上げ直すことにしました。
しかし、それでも結果は伴いません。
一問一答レベルの知識は身についてきたものの、記述式の筆記試験には全く対応できず、大分大学合格まで、生命科学を課す大学からは合格を得られませんでした。
この時点で、編入試験での合格は現実的ではないかもしれないと感じ、海外の医学部受験も視野に入れ始めました。
志望していた海外医学部でも選択式とはいえ生命科学は必須であったため、学習自体は継続しつつ、海外医学部志望者向けの勉強会に参加し、あわせてPMDでの受講を物理・化学へと切り替えました。
結果として、この方針転換が大きな転機となります。
まず、生命科学の理解が明らかに深まりました。
予備校教材に加え、勉強会で使用していた海外学生向けの科学系YouTubeチャンネルを併用したことで、それまで断片的だった知識がつながり始めたのです。
一つの教材で理解したつもりになっていた内容も、別の講師の説明を受けることで、「そういうことだったのか」と腑に落ちる経験が増えました。
特に、日本語と英語の両方で同じ内容に触れたことは、自分にとって非常に有効でした。
二言語で理解しようとする過程で、用語の暗記ではなく、構造そのものを捉えようとする意識が自然と強まったためです。
また、化学的・物理的視点から生命現象を見直すことも、理解の深化につながりました。
生命科学が初学の学生にとって、対策において重要なのは、単一の教材を繰り返すことだけでなく、異なる視点から同じ概念を捉え直し、自分の中で再構築していくことだと考えています。
私は面接でも苦戦しました。
筆記試験を通過した大学は通算4校でしたが、最終的に面接を通過できたのは大分大学1校のみです。
難しかった点は大きく三つあります。
第一に、評価基準が極めて不透明であることです。
筆記試験と異なり、「どのような受け答えが評価され何が合否を分けるのか」が見えにくく、自分の対策が適切なのか判断することが困難でした。
第二に、自身のバックグラウンドをどのように伝えるかという問題です。
これまでの文学研究を理系の医学部の先生方に対して限られた時間の中で分かりやすく説明することは、容易ではありませんでした。
自分の中では筋が通っている説明でも、相手にとっては抽象的で伝わりにくい表現になってしまうことが多くありました。
第三に、対策を共有できる仲間がいなかったことです。
情報が少ない試験であるにもかかわらず、周囲に同じ目標を持つ人が少なく、自分の立ち位置を客観的に把握することが難しい状況でした。
こうした課題に対して、最も重要だったのは「他者に聞いてもらう機会を多く持つこと」でした。
PMDの面接対策では、志望校ごとの特色を踏まえ、自分の強みや関心をどのように結びつけて話すかを整理することができました。
「なぜその大学なのか」「なぜ医学なのか」という軸を言語化していくプロセスそのものが、面接対策の核になったと感じています。
また、医師である妹に話を聞いてもらったことも大きな助けになりました。
自分では伝わっていると思っていた内容でも、理系の視点から見ると分かりにくい部分が多く、「イメージが湧きづらい」「その話は医学部にはなじみがない」といった指摘を受けました。
その都度、「どのように言い換えれば伝わるか」を具体的に修正していくことで、説明の解像度を高めることができました。
このように、異なる背景を持つ他者に繰り返し話すことで、自分の考えを相手に伝わる形に磨いていくことが重要だと感じています。
編入同期の話を聞くと、多くの受験生が予備校の面接対策コースやオンラインの練習会などを活用し、事前に十分な練習を重ねたようです。
面接は対策の有無が結果に直結しやすい試験形式であるため、可能であれば事前に実践的な練習の機会を確保しておくことを強くお勧めします。
英語、生命科学、面接と、それぞれ性質の異なる試験ではありますが、振り返ってみると、対策の本質には共通点がありました。
それは、「一つの方法に固執せず試行錯誤を重ねること」「複数の視点から理解を深めること」、そして「他者の意見を取り入れながら、自分の理解や表現を磨くこと」です。
「理解しているつもり」「伝わっているはず」で終わらせず、それを別の形で捉え直し、再構築していくプロセスこそが重要だと感じています。
次回の記事では、実際の受験を通して気づいたことや感じたことを振り返ります。
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