2027年度 私立医学部一般選抜 入試日程一覧|2月集中の理由と出願戦略【PMD医学部専門予備校】


2027年度(令和9年度)の私立医学部一般選抜の日程が、各大学から順次発表されています。最大の特徴は、一次試験の「2月初旬への集中」がさらに進んでいることです。判明分だけでも2月2日に4校、2月4日に4校の一次試験が重なっており、受験生は例年以上にシビアな出願戦略を迫られます。

本記事では、2026年6月時点で判明している2027年度私立医学部一般選抜(前期)の日程を一覧表にまとめたうえで、文部科学省が求めた「2月1日以降の実施」が入試日程と受験戦略に与えている影響を、PMD医学部専門予備校の視点から分析します。

※日程について
本記事の日程は2026年6月時点の各大学公表分をまとめたものです。未発表の大学が多数あり、内容は変更される場合があります。出願にあたっては必ず各大学の学生募集要項をご確認ください。判明し次第、本記事も随時更新してまいります。

2027年度 私立医学部一般選抜(前期)日程一覧【判明分】

2027年の大学入学共通テストは1月16日(土)・17日(日)に実施されます。その後の私立医学部一般選抜(前期)の判明日程を、日付順の一覧にまとめました。黄色の行は一次試験が複数校重複している要注意日です。

日付 一次試験 二次試験
1/16(土) 大学入学共通テスト(1日目)
1/17(日) 大学入学共通テスト(2日目)
1/21(木)
〜23(土)
帝京大学(3日間・試験日自由選択)
1/25(月) 国際医療福祉大学
1/31(日) 近畿大学
2/2(火) 杏林大学/北里大学/東海大学①/関西医科大学(4校重複)
2/3(水) 東海大学②
2/4(木) 東北医科薬科大学/埼玉医科大学/聖マリアンナ医科大学/兵庫医科大学A・B(4校重複)
2/9(火) 愛知医科大学
2/10(水) 大阪医科薬科大学
2/11(木・祝) 杏林①
2/12(金) 獨協医科大学① 杏林②
2/13(土) 獨協医科大学② 北里(共テ前期)①/聖マリアンナ①/東海(共テ・地域枠)①
2/14(日) 埼玉医科/北里(共テ前期)②/聖マリアンナ②/東海(共テ・地域枠)②/近畿
2/15(月) 北里(共テ前期)③
2/17(水) 兵庫医科A①
2/18(木) 兵庫医科A②/愛知医科(共テ)①
2/19(金) 獨協医科①/愛知医科(共テ)②
2/20(土) 東北医科薬科①/獨協医科②/杏林(共テ)/愛知医科(共テ)③/関西医科(併用・共テ前期)①
2/21(日) 東北医科薬科②/関西医科(併用・共テ前期)②

※2026年6月時点の判明分(一般選抜・前期)。①②は試験が複数日ある場合の1日目・2日目を示します。慶應義塾・東京慈恵会医科・日本医科・順天堂・昭和医科・東京医科・東邦・日本・東京女子医科・岩手医科・自治医科・金沢医科・藤田医科・川崎医科・久留米・福岡・産業医科の各大学などは本記事執筆時点で未発表です。発表され次第、本表に追記します。

なぜ2月初旬に集中するのか──「2月1日ルール」の徹底

そもそも文部科学省の「大学入学者選抜実施要項」では、各大学が実施する教科・科目に係る個別テストの期日を「2月1日から3月25日までの間に実施する」と定めています。いわゆる「2月1日ルール」です。

長らく私立医学部の多くは、共通テスト直後の1月下旬から一次試験を始めるのが慣例でした。しかし、一部大学による実質的な学力選抜の早期化が高校教育への影響として問題視され、文科省は2024年12月24日付の通知で全国の大学に試験期日(2月1日〜3月25日)の遵守を強く要請。これを受けて2026年度入試から、私立医学部でも一次試験を2月以降へ移す動きが本格化しました。

実際、2026年度入試では従来1月中旬に一次試験を行っていた川崎医科大学が2月1日へ移動し、2月1日には川崎医科・日本・久留米・東京女子医科の4校の一次試験が重複。1月に一次試験を行った私立医学部は9校まで減少しました。

2027年度はこの流れがさらに進みます。昨年1月実施だった愛知医科大学(2/9へ)と東北医科薬科大学(2/4へ)が2月実施への移行を公表。判明分で1月に一次試験を設定しているのは帝京・国際医療福祉・近畿の3校にとどまっています。残る未発表校の多くも2月上旬〜中旬に参入してくると見られ、2月第1週〜第2週の過密はほぼ確実です。

「2月集中」が受験生に与える4つの影響
① 物理的に「受けられる大学」が減る

かつては1月下旬〜2月中旬に試験日が分散し、学力と体力さえあれば10校前後の連戦も可能でした。しかし2027年度は判明分だけで2月2日に4校、2月4日に4校が重複。同日に受けられるのは1校だけですから、出願した瞬間に「捨てる大学」が決まる構造になっています。日程の重複は学力では解決できません。だからこそ、合格可能性を最大化する出願の組み合わせ=併願マップの設計が、学力対策と同じくらい合否を左右します。

② 学力帯の近い大学同士の「択一」を迫られる

2月2日の杏林・北里・東海・関西医科、2月4日の東北医科薬科・埼玉医科・聖マリアンナ・兵庫医科は、いずれも併願候補として重なりやすい大学群です。東西の地理的なすみ分けも崩れており、首都圏の受験生が関西医科や兵庫医科を併願に組み込む選択も同日重複の影響を受けます。「どちらが受かりやすいか」ではなく「自分の科目構成・出題傾向との相性はどちらが良いか」で選ぶ目が必要です。配点・出題形式・面接方式まで踏み込んだ大学研究の価値が、例年以上に高まっています。

③ 共通テスト利用・併願可能な推薦型の価値が上昇

一般選抜の受験機会が減る以上、それを補う受験ルートの確保が不可欠です。共通テスト利用入試は1回の受験で複数校に出願でき、日程重複の影響を受けません。また、東海大学<希望の星育成>や帝京大学総合型、大阪医科薬科大学<至誠仁術>入試、関西医科大学一般枠推薦、近畿大学推薦のように併願可能な学校推薦型・総合型選抜を行う大学もあり、年内に合格のチャンスを増やす戦略が現実味を増しています。共通テストで8割5分以上を狙える受験生なら、共テ利用の活用も選択肢の一つになりえます。

④ 辞退者の増加で繰り上げ合格が大きく動く

日程が整理されて「受けやすくなる」ことは、裏を返せば合格者の重複=入学辞退者の増加を意味します。各大学は正規合格発表後、繰り上げ(補欠)合格で定員を埋めることになりますが、試験期間全体が後ろ倒しになったことで4月以降の補欠合格は出しにくくなり、繰り上げの動きは3月に集中します。受験生側は、正規発表後も補欠順位の確認・入学手続金の納付期限・繰り上げ連絡への即応まで含めて「3月末までが入試」という心構えでスケジュールを組む必要があります。

2027年度受験生がいま準備すべきこと

1. 夏までに「第一志望軸」と学力帯別の併願候補を決める。同日重複の択一は直前に迫られると判断を誤ります。模試の成績推移と各大学の出題傾向を突き合わせ、2月2日・2月4日にどちらを取るかのシナリオを複数用意しておきましょう。

2. 二次試験の重複まで含めて日程表を作る。一次に合格しても二次試験日が他校と重なれば受験できません。上の一覧表のとおり、2月13日・14日・20日は二次試験が密集しています。一次の合否発表日と二次日程をセットで管理することが重要です。

3. 共通テスト対策の優先度を一段上げる。共テ利用・共テ併用の重要性が増す2027年度入試では、「私立専願だから共テは軽視」という従来の発想はリスクになります。理科・数学の共テ型の演習を計画に組み込み出願を検討しましょう。

よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ私立医学部の入試日程は2月初めに集中するようになったのですか?
A. 文科省の実施要項が個別学力試験の期日を2月1日〜3月25日と定めており、2024年12月の通知で日程遵守が強く要請されたためです。従来1月に一次試験を行っていた私立医学部が順次2月実施へ移行し、2月上旬に試験日が集中するようになりました。
Q2. 2027年度入試で一次試験が同日に重なる大学はどこですか?
A. 判明分では2月2日に杏林・北里・東海・関西医科の4校2月4日に東北医科薬科・埼玉医科・聖マリアンナ・兵庫医科の4校が重なっています。未発表校の確定でさらに重複が増える可能性があります。
Q3. 受験できる大学が減る分はどう補えばいいですか?
A. 共通テスト利用入試の併用と、併願可能な学校推薦型・総合型選抜の活用が有効です。そのうえで、一次・二次の両方の日程重複を踏まえた併願マップを早期に設計することが大切です。
Q4. 日程集中は合格発表や繰り上げ合格にも影響しますか?
A. はい。出願が重なる分だけ入学辞退者が増え、繰り上げ合格の動きが大きくなります。一方で4月以降の補欠合格は出しにくくなっており、繰り上げは3月に集中するため、3月末まで気を抜かないスケジュール管理が必要です。

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AUTHOR
岩崎
陽一
岩崎 陽一Yoichi Iwasaki
株式会社アクト 代表取締役|PMD医学部専門予備校 代表

医学部専門予備校「PMD」、医師・歯科医師・薬剤師国家試験予備校「CES」、看護師・獣医師・心理師国試予備校「Meg」を運営する株式会社アクトの代表取締役。医学部受験指導に30年以上携わり、のべ数千名の受験生の合格を支援してきた。

入試制度・日程・出題傾向のデータ分析に基づく出願戦略の設計を重視し、「学力対策」と「戦略設計」の両輪で合格可能性を最大化する指導をPMDの方針の中核に据えている。本記事も、受験生と保護者が変化する医学部入試を正しく読み解くための判断材料として執筆している。