医学部編入の過去問はいつから?生命科学・英語の分析と復習の進め方
この記事の要点
- 医学部編入の過去問は、公開のしかたが大学ごとに違います。名古屋大学は直近の試験問題・出題の意図・解答例をウェブで公開し、神戸大学は来校しての閲覧のみ(複写・メモ・撮影不可)です。
- ウェブ掲載には期限がある場合があります。香川大学は医学科の自然科学総合問題の掲載期限を2026年11月30日としています。見られるうちに確認しましょう。
- 試験の形式は変わります。群馬大学は2027年度入試から第1次試験を「小論文1・小論文2」から「小論文・自然科学総合問題」に変えました。古い年度の問題を使う前に、今の形式と照らし合わせます。
医学部編入の過去問は、志望校を考え始めた段階で形式を確かめ、学習の進み具合に合わせて大問演習、本番形式の演習へと進めます。この記事では、編入試験ならではの「過去問をどう入手するか」「古い年度をどう扱うか」を中心に解説します。過去問の分析手順そのもの(誤答の分類や再テストのしかた)は、一般選抜向けの医学部受験の過去問はいつから?でも詳しく紹介しています。
過去問の役割を下見・診断・演習に分ける
同じ過去問でも、使う段階によって目的が違います。最初の下見では、問題数、設問の種類、記述量、図表や英文の量を確かめます。解けない問題が多くても、これから何を準備するかが分かれば十分です。基礎ができていない段階の点数を、合否の予測に使わないでください。
| 使う段階 | 主な目的 | 記録すること |
|---|---|---|
| 下見 | 必要な学習の範囲を知る | 未習の分野、形式、記述量 |
| 診断 | 今の弱点を分ける | 最初の答案、根拠、かかった時間 |
| 単元・大問演習 | 学んだ知識を使う | 失点の原因、直した点 |
| 本番形式 | 時間内に再現できるかを見る | 解いた順序、手をつけなかった問題、見直し |
基礎の学習と過去問は、完全に分ける必要はありません。学んだ単元に関係する設問から取り組み、足りない知識を補ってまた解く、という往復で進めます。ただし、初めて解いた答案と、調べながら作った答案の記録は分けてください。
過去問の入手方法は大学ごとに違う
医学部編入の過去問は、大学が定める公開方法に合わせて入手するのが基本です。まず大学の公式サイトで、医学科の編入学試験に対応する過去問の案内を探してください。一般選抜や看護学科の編入問題と混同しないよう、学部・学科・選抜区分・年度を確かめます。
| 大学 | 公開のしかた | 注意点 |
|---|---|---|
| 名古屋大学 | 2026年度編入学試験(2025年実施)の自然科学は試験問題・出題の意図・解答例、小論文は試験問題・出題の意図をウェブで公開 | 2025年度以前は窓口での閲覧のみ(撮影不可、平日の受付時間内) |
| 香川大学 | 医学科の自然科学総合問題をウェブに掲載。入試課や学部の窓口でも閲覧可 | 掲載期限は2026年11月30日。著作権の関係で修正・不掲載の部分がある |
| 琉球大学 | 令和5年度からの問題をウェブに掲載 | 著作物を使った問題は一部非公開 |
| 神戸大学 | 来校して閲覧。最新の募集要項の前年度から遡って3年分 | 複写・メモ・写真撮影はいずれも不可 |
出典:各大学の過去問題に関する公式ページ(2026年11月4日確認)。公開方法は変わることがあります。
窓口での閲覧のみでメモも取れない大学では、過去問は形式と分量の確認に使い、演習は公開されている他大学の問題や基礎問題集で補う、という使い分けが現実的です。
著作権による省略と、非公式の解答に注意する
著作権の関係で文章や図が省略されている場合、公開版だけでは本番と同じ条件を再現できないことがあります。欠けている資料を自分で補い、本番と同じ得点力だと判断しないようにしましょう。演習の条件が違うことを記録しておくことが大切です。
非公式の再現問題や解答を使う場合は、公式の問題・解答と区別します。問題文や数値が違えば答えも変わるため、疑問がある箇所は根拠を確かめてください。名古屋大学のように出題の意図を公表している大学もありますが、公表されていない採点基準を、解説の記載だけで大学の基準とみなさないことも必要です。
古い年度を使う前に、今の試験と照らし合わせる
大学名、科目、時間、配点、選抜の段階が変わっていないかを、対象年度の要項と比べます。古い問題は学習には役立ちますが、今の試験の得点力を測る資料として使えるかは別に判断しなければなりません。
| 大学 | 変わった点 | 過去問を使うときの注意 |
|---|---|---|
| 群馬大学 | 2027年度入試から、第1次試験が「小論文1・小論文2」から「小論文・自然科学総合問題」に。出願要件にTOEFL iBTスコアの提出も明記 | 2025年度までの問題は第1次の形式が今と違う |
| 琉球大学 | 公開過去問の科目名が、令和5年度の「自然科学総合Ⅰ・Ⅱ」から令和6年度以降は「生命科学総合Ⅰ・Ⅱ」に | 科目名と範囲の違いを確かめてから使う |
| 岡山大学 | 2024年度入試で第2次選抜から科学英語を外し、2025年度入試で課題作文を廃止して小論文を追加 | 英語の対策の位置づけが変わっている |
出典:群馬大学「2027年度医学部医学科第2年次編入学試験における試験科目等の変更について」、琉球大学医学部「入学試験過去問題一覧」、岡山大学の選抜方法変更の予告(2023年1月13日のプレスリリース)。
年度を比べる表には「今の形式との違い」という欄を作ります。時間が違うなら時間内の得点は慎重に比べ、配点が公表されていなければ換算点を断定しません。条件をそろえられない数字を並べるより、何が違うのかを明らかにすることが重要です。
初めて解いたときは得点以外も記録する
問題を解いたら、大問ごとの開始・終了時刻、手をつけなかった問題、途中で迷った箇所を残します。得点が低い場合でも、知識が足りなかったのか、特定の設問に時間をかけすぎたのかで、次の対策が変わります。
答案の写しも保存してください。復習後にきれいに書き直した答案だけを残すと、最初に何を読み違え、どの説明が抜けたのかが分からなくなります。自己採点の点数より、どこを直せばよいかが分かる記録を優先しましょう。
誤答の原因は、知識、読解、考察、表現、時間に分けると整理しやすくなります。一つの誤答に原因が複数あるときは、最初に崩れたところを主な原因にします。
生命科学と英語で復習の焦点を変える
生命科学では、用語の知識と、与えられた実験条件を説明する力を分けます。知識はあっても設問と違う仕組みを書いた場合は、暗記を増やすだけでは改善しません。何を比べ、どこまでを結論として示せるかを整理し、必要な要素を文章にしてください。答案の作り方は生命科学の勉強法で詳しく扱っています。
英語では、専門用語、文の構造、指示語、段落の論旨、和訳の日本語を分けて確認します。訳文が自然に読めても、原文の条件や数量が抜けていないかを見ます。背景知識を使う場合も、本文にない説明を付け足さないことが大切です。
復習の最後には、「同じ失点を減らすために次に何をするか」を一つ決めます。新しく解く年度数は、復習できる時間から決めましょう。誤答が整理できていないまま次の年度に進むより、先に復習を終える方が力になります。
PMDでの進め方
PMDでは、医学部編入の過去問を受講する方の現在地に合わせて扱い、生命科学と英語の答案を得点につながる形に整えます。解説を読めば分かるのに初めての問題では書けない、時間が足りない、といった課題を分けて確認します。
よくある質問
医学部編入の過去問はいつから始めるべきですか?
志望校を考え始めた段階で形式を確かめ、学習の進み具合に合わせて大問演習、本番形式へと進めます。基礎が完成するまで、問題を見ること自体を先送りする必要はありません。
過去問はどこで手に入りますか?
まず大学の公式サイトを確認します。名古屋大学や琉球大学のようにウェブで公開する大学、香川大学のように期限付きで掲載する大学、神戸大学のように来校しての閲覧のみの大学があり、方法は大学ごとに違います。
何年分の過去問を解けばよいですか?
公開されている範囲、形式の変更、復習にかけられる時間によります。年数だけを目標にせず、今の形式に対応する問題から、失点の原因を補いながら取り組みましょう。
解答が公表されていない問題はどう復習しますか?
教科書などで根拠を確かめ、自分で作った解答や推定の採点は、公式の解答・採点基準と区別します。必要に応じて講師に、答案の論理と知識の正確さを確認してもらいます。
執筆・編集:PMD医学部専門予備校 講師チーム
監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)
医学部受験と医療系国家試験の指導に30年以上携わり、PMD医学部専門予備校をはじめとする医療系予備校を運営。
最終更新日:2026年11月4日
参考資料・公式確認先
- 名古屋大学医学部医学科「過去問題」
- 香川大学「入試過去問題(編入学)」
- 琉球大学医学部「医学部医学科第2年次特別編入学(学士入学)入学試験過去問題一覧」
- 神戸大学医学部医学科「学士入学(第2年次編入学)過去問題について」
- 群馬大学「2027年度医学部医学科第2年次編入学試験における試験科目等の変更について」(2025年3月18日)
- 岡山大学プレスリリース「2024年度、2025年度 岡山大学医学部医学科 編入学(学士入学)の選抜方法の変更について〔予告〕」(2023年1月13日)
情報確認日:2026年11月4日。大学別の情報は記載年度の募集要項・公式ページにもとづく実例です。出願資格・試験科目・日程・提出方法は、受験する年度の大学公式募集要項と変更案内で必ず確認してください。学習手順は個人の状況に応じて調整する提案です。

