ノーベル物理学賞、3人受賞!

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青色発光ダイオードの開発に成功した赤崎勇教授と天野浩教授、実用化につなげた中村修二教授の3名がノーベル物理学賞を受賞しました。自然科学系では19人目の受賞者です。

 

原料となる窒化ガリウムは良質の結晶を作ることが難しく、赤崎教授と天野教授が研究を行っていた当時は青色発光ダイオードの実用化は不可能だろうと考えられていたそうです。ところが、結晶を製造する装置の故障がきっかけで、偶然良質の結晶を得る方法が見出されました。

 

2人の先生のすごいところは、自分の打ちたてた仮説を信じて、研究を続けたことです。皆が不可能だと思っているところを、困難にめげずに信念を貫き通して成功させる、というのは偉大な研究に共通しています。さらに、偶然ブレイクスルーのきっかけを見出すところも、それらの多くに共通することです。といっても、彼らはただのラッキーな人々ではありません。偶然のチャンスは挑戦回数の多い人に対してより高確率で訪れるのだから、当然の結果なのです。粘り強さは、偉大な人々と凡人を隔てる大きな違いの一つであると思います。

 

中村教授は、量産化の手法を確立した、という貢献を認められ受賞しました。これまでは、発明や発見に対して賞が与えられていましたが、世の中に普及させたことをも受賞に値するとした意義は大きいと思います。さらに中村教授は、日本でも研究者が成果に見合った報酬を得られるべきだ、との考えから訴訟を起こし、勝訴しています。彼の考えの正しさが改めて認められたという意味でも、日本にとって意義のある受賞でした。

 

村上春樹氏は、毎年有力候補と言われながらも、今回もまた受賞を逃してしまいました。彼が悪いわけではないのに(むしろ良いから候補に挙がるのに)、日本中から落胆の声が聞かれるのは、ちょっと気の毒ですね。

 

平和賞には9条を持つ日本国民が候補に挙っていましたが、受賞はしませんでした。安部首相は9条改正と言っていた人ですから、集団的自衛権の話をまとめた後に受賞などしたらどうしたものか、と悩んでいたことでしょう。僕のほうは、9条の条文も言えないままノーベル賞受賞者になってしまうわけにはいかぬ、とWikipediaで勉強したところでしたが、いらぬ心配でした。。。