東京慈恵会医科大学医学部受験対策
偏差値・入試傾向から科目別対策まで徹底解説
大学基本情報
偏差値情報
医学部医学科:70.0
※河合塾・駿台調べ
学費情報(医学部)
初年度:3,500,000円
入学金:1,000,000円
年間授業料:2,500,000円
6年間総額:約2,250万円
※私立医学部では比較的低額
合格状況
募集人数:105名
志願者数:約1,900名
合格倍率:約7〜8倍
※一般選抜
東京慈恵会医科大学医学部の特徴
東京慈恵会医科大学は、1881年創立の130年以上の歴史と伝統を誇る、日本最古の私立医科大学です。建学の精神「病気を診ずして病人を診よ」のもと、全人的医療を実践する医師の育成に力を注いでいます。教員数は世界でもトップクラスと評価され、大学全体で約1,800名の教職員による、手厚い教育体制が整っています。
アクセス
西新橋キャンパス(2年次以降):
都営三田線「御成門駅」から徒歩約5分
JR・東京メトロ「新橋駅」から徒歩約12分
国領キャンパス(1年次):
京王線「国領駅」から徒歩約12分
入試日程
入試区分 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 | 募集人数 |
---|---|---|---|---|
一般選抜 | 1月初旬〜下旬 | 一次:2月上旬 二次:2月下旬 |
一次:2月中旬 二次:3月初旬 |
105名 |
入試科目と配点
合格のための3つの柱
1. 一次試験での得点力
合格最低点は約50%前後。各科目でバランスよく得点し、着実に基礎を固めることが重要です。
2. 理科の配点重視
理科2科目で200点と配点が高く、理科での得点力が合否を大きく左右します。
3. 特徴的な二次試験
MMI形式の面接と1200~1500字の小論文。他大学にない独特な形式への対策が必須です。
保護者の皆様へ
歴史と伝統を持つ東京慈恵会医科大学は、私立医学部トップクラスの難関校です。「病気を診ずして病人を診よ」の精神で全人的医療を学べる環境が整っています。
学費は私立医学部の中では比較的低額で、充実した教育体制と高い国家試験合格率を誇ります。お子様の夢の実現に向けて、家族一丸となってサポートすることが大切です。
一次試験
科目 | 出題範囲 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|
数学 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C | 90分 | 100点 |
理科 | 物理・化学・生物から2科目選択 | 120分 | 200点 |
英語 | コミュニケーション英語・論理表現 | 60分 | 100点 |
二次試験
試験内容 | 形式 | 時間 | 配点 |
---|---|---|---|
面接 | MMI形式 | 60分 | 30点 |
小論文 | 課題文型(テーマ自由設定) | 90分 | 25点 |
調査書 | – | – | 25点 |
入試の特徴と対策ポイント
入試傾向
東京慈恵会医科大学医学部の数学は、大問数が4題、試験時間が90分となっています。大問1は解答の数値のみを記入する問題、大問2~大問4は解法や計算過程も示す形式です。1大問当たりの目安時間が20分~25分程度となっており、制限時間の設定は標準的と言えるでしょう。
分野別の出題傾向
- 確率:頻出分野の一つ。大問1の数値のみを解答する問題で出題されることが多い。基礎~標準レベルの問題が中心。
(場合分けの作業を素早く、正確に行えるようにすることが重要) - 微分・積分:東京慈恵会医科大学医学部数学の最重要分野。多くの医学部入試でも頻出。
(苦手なままにしていると、他の受験生に差をつけられてしまう) - 整数問題:2024年、2025年ともに出題。論理的思考力が問われる。
(2025年は大問2で不等式の証明問題として出題) - 図形問題:2024年は空間図形、2025年は複素数平面が出題。
(年度により出題内容が変わるため、幅広い対策が必要) - 証明問題も出題される。2025年は大問2で不等式が成立することを示す小問が2問出題。論理を丁寧に示す必要がある。
出題形式と難易度
形式面では、大問1は数値のみの解答、大問2~4は記述式という構成です。記述式では、何をどこまで書けばよいのかを意識した学習ができているかどうかが問われます。
全体の難易度としては、制限時間、小問数、各大問のレベルなどを考えればやや難しいと言えるでしょう。8割以上などの高得点を取ることは難しく、5~6割程度の得点を目指すのが目安です。よほど数学が得意でない限り、無理に高得点を狙うよりも、冷静に安定した得点を確保する戦略が望ましい傾向になっています。
合格に向けた戦略
東京慈恵会医科大学医学部は人気の高い私立医学部で、受験生間の競争は必然的に激しくなります。ハイレベルな競争を乗り越えて合格を勝ち取るためには、基礎~標準レベルの問題における得点率を100%に近づけておくことが大切です。その上で、難問でもある程度の得点を重ねることができれば、東京慈恵会医科大学医学部数学で大きくリードすることができます。
入試対策
分野別対策の優先順位:
- 東京慈恵会医科大学医学部数学の入試対策では、出題頻度の高い分野を優先的に学習することが大切です。
- 具体的には、大問1で頻出の確率、大問2~4で出題されやすい微分・積分の問題演習を徹底してください。
確率の対策方法:
- 場合分けの作業を素早く、正確に行えるようにしましょう。
- 大問1は解答の数値のみを記入する形式となっており、途中でミスをすると部分点を得ることができません。
- そのため、正確な作業を心がけ、確実に得点を重ねましょう。
- 東京慈恵会医科大学医学部の数学は難易度が高く、合格者の得点率も低めになる傾向があります。
- そのため、取れるところで確実に得点を積み重ねることが、他の医学部入試と比べてより重要です。
微分・積分の対策方法:
- 式変形などの作業に習熟しておく対策が役立ちます。
- まずは典型題を数多くこなし、定番の作業をスムーズに行えるようにすべきです。
- 他大学の過去問や市販の問題集なども活用し、やや難易度が高めの問題に対応する力もつけましょう。
- 東京慈恵会医科大学医学部の数学には小問が設定されることも多いです。
- 頻出分野の学力を高めておけば、大問全体の難易度が高い場合でも前半の小問や部分点などで得点を得ることが可能です。
その他の分野の対策:
- 全体としては、制限時間が極端に厳しいわけではないため、基礎~標準レベルの問題を落ち着いて正解する対策が重要です。
- 頻出の2分野だけでなく、整数、複素数平面などの分野でも、少なくとも標準レベルの典型題については自信をもって解ける状態で入試に臨んでください。
- 数学に自信がある受験生は、国公立医学部の過去問などにも取り組み、より難易度が高い問題への対応力を高めるのも有効です。
過去問対策のポイント:
- 東京慈恵会医科大学医学部数学の過去問対策では、取れる点を確実に取る意識を強く持ちましょう。
- 難問にこだわることなく、標準レベルまでの問題について得点率を高めることが合格への近道です。
- 過去問演習を繰り返す中で、自信がない分野が出てきた場合は、必ず問題集などでその分野の反復学習をしてください。
- 苦手な単元を1つ1つ丁寧につぶしていくことで、着実に東京慈恵会医科大学医学部合格が近づきます。
難問への対処法:
- ある程度過去問対策が進んできたら、難問で部分点を確保する練習も行うと効果的です。
- 東京慈恵会医科大学医学部の数学入試では、受験生が完答することは難しい大問が出ることもあります。
- そのような大問に対しても、0点で終わってしまうのではなく、論述式のメリットを活かして部分点の確保を目指しましょう。
- 難易度が高めの国公立医学部数学の問題に取り組み、難問を切り崩していく道筋を少しでも多く知っておくのも有意義な対策です。
- ただし、あくまでも標準レベルまでの問題で確実に得点を重ねられることが、東京慈恵会医科大学医学部合格のカギとなります。
まとめ
- 大問2~4は解答過程も示す必要あり
- 確率と微分・積分が頻出分野
- 難易度はやや高く5~6割以上を目指したい
入試傾向
東京慈恵会医科大学医学部の英語は、制限時間が60分、大問が3題となっています。大問1題当たり20分という解答時間は標準的ですが、全体の制限時間が60分と大学入試にしては短めに設定されている点に注意が必要です。時間配分のミスをすると、あっという間に制限時間が尽きてしまうことから、時計を見ながら1問にこだわりすぎずに解き進める冷静な姿勢が求められます。
大問ごとの出題傾向
大問ごとの出題傾向は、全問が長文読解形式となっています。ただし、大問3の長文には自由英作文が含まれており、リーディングだけでなくライティングの力も必要です。すべての大問で、英文だけでなく、設問の指示や選択肢も英語表記になっている点も慈恵医科大学英語の特徴となります。
出題形式
出題形式では、空所補充などの記号選択問題が大半を占めています。部分点が発生しない客観問題の割合が高いことから、解き残しをしないよう、テキパキ進めていくことが大切です。内容一致や空所補充の問題では、先に選択肢に目を通しておき、本文を読み進めながら解答できるところをどんどん答える要領の良さも得点を左右することになります。
自由英作文
大問3の自由英作文では、長文の内容に関連した問いに答える形で、100語程度のまとまった英文を作成する必要があります。長文や設問の重要語句でわからないものが多いと解答が難しくなってしまうことから、医学や生物学などに関する単語を熟知しておくことが大切です。また、解答時間も限られていますので、無理に高度な表現を使うことは目指さず、事前に自由英作文の型をいくつか準備しておき、限られた時間内で一定の得点を得ることを目標にすると良いでしょう。
難易度と目標得点
東京慈恵会医科大学医学部英語の難易度は、かなり高くなっています。ハイレベルな私立医学部受験に備えてきた受験生にとっても難しい単語が出てきたり、判断に迷う選択肢が多かったりして高得点は取りにくい傾向です。記号選択問題が中心となっており、あり得ない選択肢を確実に排除しつつ、解き残しをできるだけなくすことで、得点の期待値を高めていくことが求められます。英語に苦手意識がある受験生は5割、英語が得意な受験生については6~7割を目標としつつ、無理にその得点を取りに行くのではなく、その年の英語入試で確実に取れそうな得点をコツコツ積み重ねていく姿勢が望ましいです。
入試対策
医学系専門用語の習得:
東京慈恵会医科大学医学部英語の入試対策では、医学系の専門用語をマスターしておくことが大切です。ハイレベルな医科大学の入試で、設問もすべて英語表記となっていることから、医学系や生物系の専門用語が多く出てきます。記号選択問題が中心のためすべての単語の意味を正確に把握していなくても解答は可能ですが、基本的に難解な用語を含めて注が付けられない点に注意が必要です。医学系の英文によく出てくる単語は意味を確実にマスターしておき、英文の大意がわからず長文読解で手も足も出ないという事態を避けましょう。
自由英作文の対策:
また、大問3で出題される自由英作文の対策も重要です。東京慈恵会医科大学では記号選択問題が多いですが、自由英作文は部分点のチャンスがある問題となっています。長文の内容に関連した問いが出ることから、医学系、生物系のテーマに対する意見をまとめられるようにしておきましょう。医学部受験生は面接対策や小論文対策などで、医療系のテーマに関する知識を増やす対策をしているはずです。その対策を行う際に、英語ではどう表現するのかを考え、学習時間に余裕がある受験生は実際に英文で意見を書く練習をしておくと、自由英作文への効果的な対策となります。
時間配分の練習:
東京慈恵会医科大学の過去問対策では、時間配分の練習も重ねましょう。制限時間が60分と非常に短くなっており、時間配分のミスをしないことは極めて大切です。過去問対策において、解答順序を明確に決めておくようにしてください。また、併願校の受検が続く時期には、制限時間や終了時刻の勘違いが多くなります。東京慈恵会医科大学の入試前には、英語の制限時間(60分)と終了時刻を必ず再確認しましょう。
解答順序の決め方:
解答順序の決め方について、まずは自由英作文をどのタイミングで解くかを決めましょう。得意な受験生は最初に、苦手な受験生は最後に回すのが1つの考え方です。また、長文読解の記号選択問題については、選択肢にどのタイミングで目を通すかを決めてください。いきなり英文をすべて読み、後から設問や選択肢を確認するのは非効率です。先にすべての設問・選択肢を確認するのか、段落などのまとまりごとに設問を見ていくのかなど、解答を進める手順を具体的に決めて、過去問演習で試しておく対策が求められます。うまくいかなかった場合は修正を加え、東京慈恵会医科大学の入試本番では事前の準備通りに解き進められるようにしてください。
まとめ
- 専門用語や紛らわしい選択肢があり難易度は高い
- 設問も含めてすべて英語表記
- 記号選択が中心だが自由英作文も出る
入試傾向
東京慈恵会医科大学医学部の物理は、理科2科目の制限時間が120分であることから、60分で解答するのが目安です。大問数は2問で小問数も限られていますが、計算問題や、詳しい論述問題が出題されることから、制限時間の設定は標準~やや厳しめと言えるでしょう。
出題分野の傾向
出題分野の傾向は、力学と電磁気が頻出となっています。これらの2分野から大問が1題ずつ出題されるのが、東京慈恵会医科大学物理の基本的な出題形式と考えておくと良いでしょう。ただし、大問内で他の単元を絡めた融合問題が出題されることがあります。力学と電磁気の分野でどの程度の学力があるかが問われやすい傾向ではあるものの、他分野についてもきちんと学習してきたかどうかで得点が左右される点には注意が必要です。
出題形式
出題形式としては、詳細な記述が必要な論述問題が複数出る点が大きな特徴です。物理の入試問題冒頭にある注意書きに、「物理の記述問題では、(略)筋道立てて他者に伝える姿勢を重視する」と明記されており、物理に関する知識の有無だけでなく、適切な日本語で表現する力も得点を左右するポイントとなります。英語など他教科に置いて論述の説明力に自信がない受験生は要注意です。
計算問題の特徴
計算問題では、やや複雑な処理が必要で解答に時間がかかる問題が出ることがあります。論述問題と同様、1問当たりに時間がかかりやすいので、時間配分を強く意識することが必要です。東京慈恵会医科大学の物理は小問数が少なめであり、1問当たりの配点が高くなることから、行き詰まった問題を飛ばす勇気を持ちにくいと感じる受験生もいるでしょう。できそうな問題から要領よく取り組むスキルも、東京慈恵会医科大学に合格する上で重要です。
難易度
難易度については、標準~やや難しいレベルになっています。上述のように解答に時間のかかる計算問題や論述問題が出題されるほか、典型題とは異なる見慣れない問題が出ることもあるためです。物理で安定した得点を確保したい受験生は、標準レベルまでの問題で取りこぼしをなくすことが求められます。一方、物理で高得点を狙いたい場合は、難易度が高めの問題にも対応できる力があるかどうかが、目標達成のカギを握るでしょう。
入試対策
頻出分野の重点対策:
東京慈恵会医科大学医学部物理の入試対策では、頻出分野である力学、電磁気の対策を重点的に行いましょう。ハイレベルな出題が見られるため難問対策を重視したいと考えるかもしれませんが、まずは基礎~標準レベルの知識を確実に身につけ、確実に取れる得点の割合を高めていくことを優先してください。頻出の2分野だけでなく、融合問題などとして出題されることもある他分野についても、教科書レベルの基礎知識の整理や、標準レベルまでの典型題の反復演習は丁寧に行いましょう。
論述問題の対策:
標準レベルまでの問題がすべて解けるようになれば、東京慈恵会医科大学物理の大きな傾向である詳細な記述が必要な論述問題の対策を進めましょう。物理では論述問題をまったく出題しなかったり、出題されても小問数や指定字数が少なかったりする大学が多いです。東京慈恵会医科大学の物理対策に役立つ適切な問題が見つかりにくいと感じるかもしれません。まずは過去問に目を通し、物理の入試でどのような論述問題が出ているのかを把握すると良いでしょう。その上で、他大学の過去問を含めて、論述問題だけを取り出して対策を行うと効果的です。
論述問題の採点基準:
論述問題については、自分で採点基準を正確に理解するのは難しいです。問題集の解答解説をよく読み、解答のポイントをわかりやすく示せているかを確認しましょう。まずは自分の答案と解答例の違いを整理し、それぞれの違いについて、加点あるいは減点の対象になりそうかを考えてみてください。自分の答案をどう採点してよいか迷う場合や、よりわかりやすい日本語を用いて短時間で論述をまとめるのが苦手な場合は、高校の先生や医学部専門予備校の講師などに相談して、添削指導を受けるのも有意義です。
計算問題の対策:
東京慈恵会医科大学の計算問題の対策としては、正確かつ素早い作業を意識してください。正解が出せるだけでなく、最短のルートで計算を勧められているかの確認や、作業時間をより早くするための工夫が大切です。制限時間が厳しいと感じる場合は、どの形式の小問に時間がかかっているのかを分析してください。
過去問対策のポイント:
東京慈恵会医科大学物理の過去問対策では、ハイレベルな論述問題や計算問題への対応力を磨きましょう。1年分の過去問全体に取り組む学習に加えて、反復学習では論述だけ、計算問題だけのように、形式別にまとめて問題演習を行うのも有意義です。理科のもう1科目にかかる解答時間や、理科2科目で目指す得点率などを踏まえながら、自分がどのレベルの問題まで解ければOKなのかをイメージしておくと良いでしょう。
まとめ
- 字数の多い論述問題が出題される
- 小問数は少ないが1問1問に時間がかかりやすい
- 高得点を狙うには難問への対応力も重要
入試傾向
東京慈恵会医科大学医学部の化学は、理科2科目を120分で解答する形式です。大問数は3題の年が多くなっています。化学の解答時間が60分を目安と考えれば、制限時間の設定は標準的と言えるでしょう。大問数や小問数だけを見ると時間に余裕がありそうだと感じるかもしれませんが、計算問題が複数出ることから、時間配分を意識しながら解く必要があります。
出題分野
出題分野については、有機化学や高分子化合物が頻出です。他の大学でも多く出題される傾向が強い分野なので、併願で多数の医学部を受験する場合も対策が行いやすくなっています。計算問題を含めた理論化学からの出題も少なくありません。理論化学の単元別の傾向では、化学平衡に関する計算問題の出題が多くなっています。無機化学は全くでないわけではありませんが、他分野と比べれば出題頻度や配点は少ない傾向です。
形式面の特徴
形式面では、計算問題や記号選択問題が多くなっています。計算問題では、正確な計算作業ができるだけでなく、より短い時間で正解にたどり着き、他の問題を解く時間を確保できるかどうかもポイントです。記号選択問題については選択肢の数が多いものもあり、正確な知識を身につけ、消去法に頼らず正解の選択肢を選ぶ力が求められます。
その他の傾向
慈恵医科大学化学のその他の傾向としては、実験操作に関連する設問が多くみられます。問題文のうち、実験操作に関する表現に下線が引かれ、その内容に関する小問が登場するような形式です。教科書に載っている実験を中心に、それぞれの操作の理由や、実験に出てくる物質に関する知識などを丁寧に整理できているかどうかが得点を左右します。
全体の難易度
全体の難易度については、トップレベルの私立医学部らしい、ハイレベルな出題が多くなっています。教科書レベルの典型題を確実に解ける力をつけるだけでなく、計算問題をより素早く正解したり、実験考察問題を含めたやや難易度が高めの問題に対処したりする力も必要です。他大学の対策よりも一段レベルの高い取り組みを行っているかどうかが、慈恵医科大学医学部の化学で高得点を取れるかどうかの分かれ目になります。
入試対策
基礎知識の確実な定着:
東京慈恵会医科大学医学部化学の入試対策では、まず基礎~標準レベルの知識を確実に定着させましょう。割合こそ少ないですが用語記述問題が出るほか、記号選択の形式で知識を問う問題が多くみられます。出題レベルの高い試験ですので、知識さえあれば得点できる問題は確実に正解できる対策を意識しましょう。
典型題を素早く解く練習:
問題演習では、典型題を素早く解けるようにすることも大切です。特に、化学平衡など理論化学分野における頻出の単元については、計算問題を繰り返し解き、素早く、正確に正解を出せる練習をしてください。制限時間の60分を有効に使い、難しくてわからない問題を除けばすべての問題に取り組んで得点を積み重ねられるようにすべきです。
分野別対策:
分野別では、上述の理論化学分野の計算問題のほかに、頻出分野の有機化学、高分子化合物の対策を徹底しましょう。いずれの分野でも詳細な知識が問われることがあり、教科書レベルの知識を整理するだけでなく、問題集や他大学の過去問にも取り組んで一歩進んだ知識を持っておくと、他の受験生をリードしやすくなります。出題の頻度や配点が少ない無機化学の分野についても、基礎知識は確実に定着させることで、他分野の大問に含まれる小問で問われた場合などに得点を積み重ねることが可能です。
問題集の活用方法:
問題集などで化学の入試対策をする際は、慈恵医科大学医学部におけるやや難易度の高い設問に対処できるよう、解説やコラムなどにもしっかり目を通してください。新しい事項に出会った際は、メモを取るなどして自らの知識を増やす材料にしましょう。教科書レベルの知識や、標準レベルの典型題を解けるだけでは満足せず、さらに化学の知識・理解を深める姿勢を常に持つことが、慈恵医科大学医学部化学の対策につながります。
過去問対策の進め方:
慈恵医科大学医学部化学の過去問対策では、標準レベルまでの問題を確実に正解できているかを確かめてください。難易度が高い問題のため、標準レベルまでの問題で失点が重なると、医学部合格が厳しくなってしまいます。まずは他の受験生も解けそうな問題での得点率を100%に近づけた上で、難易度が高めの問題でも得点を上積みする力が大切です。
計算問題に時間がかかりすぎると化学の解答時間の目安である60分を超過するリスクもありますので、大問数が3題の場合は各大問を20分以内に解き終える練習を重ねましょう。大問内がいくつかのパートに分かれていることもあり、計算問題を1問飛ばしても先の小問を解ける場合も多いです。難問や、計算で行き詰まった問題にこだわることなく、冷静に解ける設問に取り組む要領の良さも、過去問対策の過程で身につけましょう。
まとめ
- 有機化学、高分子化合物が頻出
- 理論化学では計算問題も多い
- 実験操作に関する考察問題も出やすい
入試傾向
東京慈恵会医科大学医学部の生物は、理科2科目を120分で解答する形式のため、制限時間の目安が60分です。大問数は4問で、1大問当たりの解答時間は15分と考えましょう。化学や物理では制限時間にあまり余裕がなく、生物の解答時間が60分を超えないようにすることが望ましいです。
出題形式の特徴
生物の入試傾向としては、論述形式の小問が多い点が挙げられます。知識について説明するだけでなく、実験考察形式の論述問題もある点に注意が必要です。教科書を丸暗記して知識を述べる力では不十分で、考えた内容を整理し、わかりやすく表現する力が求められます。論述問題のほかには、用語記述問題も頻出です。一部に計算問題や記号選択問題もありますが、出題の割合としては、論述と用語記述の方が高くなっています。
分野別の傾向
分野別では、代謝や遺伝などに関する出題がやや多くなっています。ただし、東京慈恵会医科大学の生物は出題分野に極端な偏りは見られず、生物の各分野についてバランスの取れた学力があるかどうかが得点を左右する傾向です。他大学の生物対策で遺伝などの頻出分野を優先的に学習している場合は、学習がおろそかになっている分野がないかに注意してください。
難易度と時間配分
東京慈恵会医科大学生物の難易度としては、概ね標準的と言えるでしょう。ただし、上述のように論述問題の割合が非常に高く、制限時間内で論述をテキパキまとめる力が求められます。生物の得意・不得意だけでなく、論述問題の得意・不得意が解答時間の長さや得点率に影響すると考えてください。生物の知識に自信がある場合も、過去問対策を怠らないことが重要です。
また、実験考察問題が出題されやすい傾向のため、与えられた文章や資料から的確に情報を読み取って考える必要があります。マニアックな知識が多く出題されるような難しさではないものの、論述や考察が求められるという形式面で解きづらさを感じる受験生もいるでしょう。論述や実験考察で1問に時間をかけすぎると時間不足に陥るリスクもあり、東京慈恵会医科大学生物の入試形式にうまく対応できるかどうかも、受験生間での得点差の大きな要因になります。
入試対策
論述問題対策の優先:
東京慈恵会医科大学医学部生物の入試対策では、論述問題の対策を最優先で進めましょう。出題数が多く、知識を問う問題だけでなく実験考察型の論述もあることから、十分な対策を行うことが不可欠です。具体的には、まず一度東京慈恵会医科大学の過去問に目を通し、どのような内容・レベルの論述問題が出るのかを体感することをおすすめします。ある程度高校生物の学習が進んでいる受験生は、軽く問題を解いてみても良いでしょう。
段階的な論述対策:
その上で、まずは教科書レベルの基礎知識や、標準レベルの典型題における論述問題に素早く解答する対策が有効です。いきなり難しめの実験考察問題の対策を徹底するのではなく、まずは論述問題の形式に慣れて、短時間で要点をまとめられるようにしてください。東京慈恵会医科大学の生物は制限時間の設定がやや厳しくなっており、標準レベルまでの問題については短時間で解答することが求められます。正解できた問題についても、より短時間で論述をまとめられるよう、解説を丁寧に読むなどしてポイントを整理することが望ましいです。
実験考察問題の対策:
典型的な論述問題を素早く処理できるレベルになってきたら、実験考察問題の対策を重ねましょう。東京慈恵会医科大学の過去問だけでなく、他大学の実験考察問題にも積極的に取り組み、与えられた資料から必要な情報を正しく読み取り、短時間で実験のポイントを把握するトレーニングを重ねましょう。文章やグラフなどの図表から必要な情報を読み取る問題は、大学入学共通テストでもよく見られる形式です。共通テストを受験する場合は、共通テスト対策と合わせて資料を読み取る力を高めると、入試対策の効率がアップします。
分野別学習の重要性:
分野別の学習では、苦手分野をなくすことが大切です。東京慈恵会医科大学の生物は比較的バランスの取れた出題傾向で、単純な知識を問う用語記述問題も出ます。医学部合格を果たすためには生物の基礎~標準レベルの問題での取りこぼしをなくすことが大前提です。併願校の対策などで遺伝など特定の分野ばかりを学習している受験生は特に注意してください。
過去問対策と時間配分:
東京慈恵会医科大学生物の過去問対策では、可能な限り添削指導を受けながら論述問題や実験考察問題への対応力を磨きましょう。まずは出来るだけ正確な解答ができるようにすることを目指してください。正解率が上がってきたら、時間配分への意識を強め、厳しめの制限時間の中ですべての問題を解ききれるようにしましょう。ただし、1問にこだわりすぎると解き残しが多く発生するリスクが高まります。あくまでも、目を通せなかった問題をなくすことを目指してください。
まとめ
- 出題分野の偏りは小さめ
- 論述問題の割合がかなり高い
- 実験考察問題がよく出る傾向
小論文形式:
課題文型で、1200~1800字という私立医学部最長クラスの文字数が特徴です。
出題の特徴
- テーマを自分で設定する独特な形式
- 医学・医療に限らない幅広いテーマ
- 社会学、哲学、文化論など教養的な課題文
- 批判的読解力と論理的構成力が必須
対策のポイント
- 日頃から新聞・評論文など幅広いジャンルの文章に触れる
- 課題文を批判的に読み、自分の意見を構築する練習
- 構成を先に考えてから書き始める習慣をつける
- 1200字以上の長文を書く練習を重ねる
面接形式:
MMI(マルチプル・ミニ・インタビュー)形式で、個人面接1回と課題面接5回の計6ブースを回ります。
MMIの内容
- 個人面接:医師志望動機、本学志望理由など
- グラフ読み取り:データ分析能力を評価
- 課題シート:状況判断力を問う
- 小説の一部読解:読解力と感受性を評価
- 優先順位付け:論理的思考力を測定
- 作業課題:実践的な対応力を確認
対策のポイント
- 多様な状況への即応力を養う
- データ分析の基本を身につける
- 論理的に自分の考えを述べる練習
- 7分という短時間で的確に回答する訓練
過去の合格実績と出題傾向分析
合格者の特徴
合格最低点目安
一次試験:約48-52%
得点率:約200点前後/400点
※年度により変動あり
合格者の特徴
・現役~2浪が中心
・3浪以上は約6%
・女性比率は約37%
・関東圏出身者が多い
入試倍率推移
志願者:約1,900名前後
合格倍率:約7倍
正規合格:約160-170名
繰上合格:約60-70名
教育の特色
・6年一貫統合型カリキュラム
・豊富な学内外実習
・診療参加型臨床実習
・研究医養成にも注力
よくある質問(Q&A)
東京慈恵会医科大学の二次試験は非常に特徴的です:
- 面接:MMI形式(6ブース×7分)で多角的評価
- 小論文:1200~1500字でテーマ自由設定
- 配点:面接30点、小論文25点、調査書25点
他大学にない独特な形式のため、専門的な対策が必須です。
入学者データによると:
- 3浪以上の割合は約6%
- 現役~2浪が中心
- 女性比率は約37%
年齢による明確な不利はありませんが、現役~2浪での合格が多い傾向があります。
合格までのロードマップ
学年別対策スケジュール
高校1・2年生
- 基礎学力の完全定着
- 英語の語彙力強化
- 理科2科目の基礎固め
- 読書習慣で教養を深める
高校3年生春~夏
- 応用問題演習の開始
- 理科の配点対策強化
- 長文読解力の向上
- 模試での実力確認
高校3年生秋~冬
- 過去問演習の集中実施
- MMI形式面接の練習
- 小論文の執筆訓練
- 時間配分の最適化
直前対策
- 解答戦略の最終確認
- メンタルコンディション調整
- 体調管理の徹底
- 都内での宿泊手配
最後に – 受験生・保護者の皆様へ
東京慈恵会医科大学医学部合格への道筋
東京慈恵会医科大学は、「病気を診ずして病人を診よ」の精神のもと、130年以上の歴史と伝統を持つ日本最古の私立医科大学です。世界トップクラスの教員数による手厚い教育体制と、臨床・研究両面での高いレベルの教育が特徴です。
私立医学部トップクラスの難関校ですが、しっかりとした対策と準備により、合格への道は開けます。皆様の挑戦を心から応援しています。