東北大学医学部受験対策

偏差値・入試日程から科目別対策まで徹底解説

大学基本情報

偏差値情報

医学部医学科:67.5~70

共通テスト得点率:85~87%

※河合塾・駿台調べ

学費情報(医学部)

入学料:282,000円

年間授業料:535,800円

6年間総額:約350万円

※国立大学標準額

合格状況(2024年度)

募集人員:77名

志願者数:約289名

合格倍率:約3.6倍

※前期日程

東北大学医学部の特徴

東北大学医学部は、「研究第一主義」の伝統を持つ、東日本を代表する医学部です。旧帝国大学の一つとして長い歴史を持ち、世界トップレベルの研究力と優れた医学教育を提供しています。「門戸開放」の理念のもと、全国から優秀な学生を受け入れており、リサーチマインドを持った医師・医学研究者の養成に力を入れています。

アクセス

星陵キャンパス:

仙台市営地下鉄南北線「北四番丁駅」から徒歩約10分

JR「仙台駅」からバスで約15分

2025年度入試日程

入試区分 出願期間 試験日 合格発表 募集人数
前期日程 1月下旬~2月上旬 2月下旬 3月上旬 75名
AO入試Ⅱ期 10月中旬 11月上旬 11月上旬〜下旬 15名
AO入試Ⅲ期 1月中旬〜下旬 2月上旬 2月上旬〜中旬 12名
注意:詳細な日程は必ず東北大学公式サイトで最新情報をご確認ください。AO入試は募集要項をよく確認し、出願資格や提出書類を準備しましょう。

入試科目と配点

合格のための3つの柱

1. 共通テストで安定した得点

85%以上の得点率を目指し、全科目でバランスよく得点することが重要です。

2. 二次試験の高い記述力

配点が高い二次試験で、深い思考力と正確な記述力を発揮することが合格の鍵です。

3. 面接での医師適性アピール

医師としての資質と研究への興味を明確に示し、高得点を確実に取ることが重要です。

保護者の皆様へ

お子様の東北大学医学部受験への挑戦を全力で支援してください。旧帝国大学の医学部は、日本最高峰の医学教育と研究環境を提供します。東北大学は「門戸開放」の精神で全国から優秀な学生を受け入れており、出身地域を問わず実力で評価されます。

受験は長期戦です。お子様の健康管理とメンタルサポートを含め、家族一丸となって取り組むことが大切です。

前期日程(二次試験)

科目 出題範囲 試験時間 配点
数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C 150分 600点
理科 物理・化学・生物から2科目選択 150分 600点
英語 コミュニケーション英語・論理表現 100分 600点
面接 個人面接 400点

共通テスト

科目 配点
国語 100点
数学(数ⅠA + 数ⅡBC) 100点
理科(2科目) 100点
外国語(英語) 100点
地歴公民(1科目) 100点
情報 50点
ポイント:東北大学医学部は共通テスト550点、二次試験2200点の合計2750点満点で合否が決まります。二次試験の配点が圧倒的に高いため、記述力と深い理解力が合否を分ける最重要ポイントとなります。特に面接が400点と高配点なのが特徴です。

入試の特徴と対策ポイント

数学対策(150分・600点)

出題傾向

制限時間は150分で、大問6題構成。理系学部の共通問題で、小問による誘導形式が特徴です。前半の小問でつまずくと大問全体で失点が多くなりやすい点に注意が必要です。

 

解答形式の特徴
すべての大問・小問が記述式となっています。答えだけではなく、解答に至るまでの道筋や図、式や計算過程なども丁寧に記述する必要があります。部分点を得るチャンスがある一方で、記述が不十分だと減点対象になるリスクがあります。

 

出題分野
すべての分野から出題されますが、微分・積分や確率が頻出です:

  • 2024年:複素数平面(大問3)、微分(大問5)、関数の極限(大問6)
  • 2025年:微分・積分と数列の極限(大問4)、空間ベクトル(大問5)

数学Ⅲや数学Cからの出題が多い一方で、数学Ⅱ・数学Bまでの範囲で解答できる問題も出題され、一部は文系学部との共通問題になっています。

 

難易度
極端な難問こそないものの、標準的な入試問題よりはややレベルが高めの出題が多い傾向があります。典型問題をきちんと解く力に加えて、やや難しめの問題にも対応できる力が求められます。

 

証明問題
東北大学の理系数学では、証明問題も出題されます:

  • 2024年:対数関数についての証明問題(大問2)
  • 2025年:確率に関する証明問題(大問1)、空間ベクトルや図形に関する証明問題(大問5)

 

具体的な対策方法

  • 記述力の強化:数学的な思考を論理的に記述する練習が最重要です。考え方の方針を日本語で示したり、適切な図や式を示して論理を明確に伝えたりする練習を重ねましょう。
  • 添削指導の活用:自分の答案が論理的に十分かどうかを判断するため、学校や予備校の先生などに答案を添削してもらいましょう。東北大学向けの模試だけでなく、一般の記述模試も活用してください。
  • 全範囲の学習:数学Ⅲや数学Cだけでなく、数学Ⅱ・数学Bまでの範囲を丁寧に学習することが大切です。文系との共通問題で失点しないよう、基礎範囲も確実に習得しましょう。
  • 実戦レベルの演習:標準レベルの問題を完答できる実力をつけると同時に、やや難易度が高めの問題にも挑戦して得点力を高めることが大切です。医学部受験生は高得点が必要なため、標準問題は確実に完答しましょう。
  • 時間配分の最適化:定番問題については短時間で完答し、難易度が高めの問題に取り組む時間を十分に確保する必要があります。大問ごとの解答時間を計測し、効率的な時間配分を身につけてください。
  • 計算力の強化:頻出の微分・積分は計算量が多くなりやすいため、正確かつ素早い計算力が必須です。基礎~標準レベルの問題を数多く解き、処理スピードを高める対策を行いましょう。
  • 部分点を意識した答案作成:後半の小問が難しい場合でも、記述式のメリットを活かしてできる限り多くの部分点が取れるよう、途中過程を丁寧に記述する習慣をつけましょう。

まとめ

  • 東北大学医学部の数学は大問6題構成
  • 文系との共通問題も出題されやすい
  • 頻出の微分・積分を中心に計算力が重要
英語対策(100分・600点)

出題傾向

制限時間は100分で、大問4題構成。文系を含めた全学部共通問題で、各大問の出題内容が概ね決まっている傾向があります。

 

大問別の出題パターン

  • 大問1・大問2:通常の長文読解問題(記号選択+記述)
  • 大問3:対話文読解問題+自由英作文(60~80語)
  • 大問4:英作文(和文英訳・語句整序含む)

 

長文読解問題の特徴
記号選択問題と記述問題が両方含まれ、英文和訳や内容説明でやや文字数が多い小問が出ることもあります。出題される英文は評論が多く、2024年、2025年は大問2つとも評論が出題されました。様々な形式の問題が少しずつ含まれたバランスのよい出題傾向です。

 

自由英作文のテーマ
大問3後半の自由英作文では、時事的なテーマが出題されます:

  • 2024年:「日本政府が、日本語を外国語として学ぶことを推奨することは重要か」
  • 2025年:「日本におけるオーバーツーリズム対策として何ができるか」

 

英作文の特徴
大問4では語句整序型の英作文(並べ替え問題)を含む点が大きな特徴です。通常の英作文では、単語の丸暗記だけでは対応できない表現が求められます:

  • 2024年:「ひるむことなく」
  • 2025年:「間髪入れず」

 

難易度
国公立大学らしいハイレベルな出題となっています。記述式の問題も多く、英語力の高低や対策の充実度によって、受験生の間で得点差がつきやすい出題傾向です。

 

具体的な対策方法

  • バランスの取れた英語力:様々な出題形式の問題がバランスよく出題されるため、総合的な英語力向上が最重要です。単語や文法の知識を確実に身につけ、例文暗唱を繰り返して英語力を底上げしましょう。
  • 対話文読解の練習:大問3の対話文読解は、学校の授業では扱う機会が少ないため、過去問演習で対話文の流れを把握する練習を重ねてください。空所補充を効率よく進める技術も身につけましょう。
  • 時間配分の工夫:大問4題を100分で解くため、時間配分が重要です。整序英作文を含む大問4は15~20分程度に抑え、長文読解と自由英作文に時間を確保する戦略が有効です。
  • 自由英作文対策:60~80語の自由英作文は確実に対策が必要です。東北大学の過去問だけでなく、他大学の過去問や記述模試も活用して、書き方を練習しましょう。最新のニュース・トピックスにもアンテナを張っておくことが大切です。
  • 和文和訳の技術:大問4の英作文では、日本語を直訳できない表現が多いため、「和文和訳」の技術が必要です。「ひるむことなく」→「ためらわず」(hesitate)、「間髪入れず」→「すぐに」(as soon as)など、自分が英語で書ける表現に変換する練習をしましょう。
  • 記述答案の質向上:医学部受験生は英語で失点がかさむと合格が厳しくなります。長文の内容一致問題や整序英作文などは確実に正解できるよう、基礎力を固めることが重要です。
  • 添削指導の活用:英作文や自由英作文は、添削指導を受けることで飛躍的に上達します。変換した日本語が元の日本語とほぼ同内容になっているかも含めて、指導を受けましょう。

まとめ

  • 記述式問題を軸としたバランスのよい出題
  • 大問3に対話文読解と自由英作文あり
  • 英語力そのものを高める対策が必要
物理対策(75分程度・300点)

出題傾向

東北大学医学部の物理は、理論的な理解と応用力が試されます。

  • 大問3題構成で、各分野から満遍なく出題
  • 誘導形式が多く、論理的な思考の流れが重要
  • 現象の本質的な理解が求められる
  • 計算過程も評価対象となる

具体的な対策方法

詳細な対策方法は準備中です。

化学対策(75分程度・300点)

出題傾向

東北大学医学部の化学は、幅広い知識と正確な計算力が必要です。

  • 理論・無機・有機から万遍なく出題
  • 計算問題の比重が高い
  • 実験考察問題も頻出
  • 時間内に多くの問題を処理する必要がある

具体的な対策方法

詳細な対策方法は準備中です。

生物対策(75分程度・300点)

出題傾向

東北大学医学部の生物は、深い理解と論述力が求められます。

  • 実験考察問題が中心
  • 論述問題が多く、文章力が必要
  • 最新の研究内容に関する出題もある
  • 図表の読み取り能力が重要

具体的な対策方法

詳細な対策方法は準備中です。

面接対策
面接形式:
個人面接で、医師としての適性や研究への興味を評価します。

  • 医学部志望動機を論理的に説明
  • 東北大学を選んだ理由(研究第一主義への共感など)
  • 医学研究への興味・関心について
  • 地域医療と最先端医療のバランスについて
  • 将来の医師像・研究者像を明確に
  • 最近の医療ニュースについての見解

過去の合格実績と出題傾向分析

合格者の特徴

合格最低点目安

共通テスト:約85-87%

二次試験:約65-70%

総合:約68-72%

※年度により変動あり

出身高校

・全国の進学校から合格

・東日本の高校出身者が多い

・地元宮城県からも多数合格

・公立・私立の超進学校が中心

現役・浪人比率

現役:約40%

1浪:約40%

2浪以上:約20%

※浪人生の比率が高め

合格者の特徴

・二次試験での高得点が必須

・数学・理科の記述力が優秀

・面接での評価も重要

・研究への意欲が高い

最近5年間の出題傾向

科目 頻出分野 難易度 対策優先度
数学 微積分、確率、整数論 最重要
物理 力学、電磁気、原子物理 やや難 重要
化学 理論化学、有機化学 標準~やや難 重要
生物 遺伝、生理、発生 やや難 重要
英語 長文読解、英作文 やや難 重要

よくある質問(Q&A)

Q1. 東北大学医学部の難易度はどのくらいですか?
偏差値67.5~70で、旧帝国大学の中でも上位の難易度です。東京大学、京都大学、大阪大学に次ぐレベルとされ、九州大学、名古屋大学と同等です。共通テストで85%以上、二次試験でも65%以上の得点が必要です。
Q2. AO入試について教えてください

東北大学医学部にはAO入試Ⅱ期とⅢ期があります:

  • AO入試Ⅱ期:15名募集(2025年度)、書類審査+面接+筆記試験
  • AO入試Ⅲ期:12名募集(2025年度)、共通テスト+書類審査+面接
  • 特徴:研究実績や特別な活動経験が評価される

一般入試と併せて、複数の入試機会を活用することが可能です。

Q3. 地方出身者は不利になりますか?
東北大学は「門戸開放」の理念を掲げており、出身地による不利は一切ありません。全国から優秀な学生を受け入れており、実力主義で評価されます。むしろ多様な地域からの学生を歓迎する風土があります。
Q4. どの科目を重点的に対策すべきですか?

数学と理科(特に物理・化学)の対策が最重要です:

  • 数学:600点配点で難易度も高い
  • 理科:600点配点で差がつきやすい
  • 英語:600点配点で安定した得点源に
  • 面接:400点と高配点なので軽視できない

特に二次試験の配点が高いため、記述力の養成が合格の鍵となります。

Q5. 面接ではどのような質問をされますか?

東北大学医学部では個人面接が実施されます。主な質問内容は:

  • 医学部志望理由・医師を目指す動機
  • 東北大学を選んだ理由(研究第一主義について)
  • 興味のある研究分野や最新の医療技術
  • 将来のビジョン(臨床医か研究医か)
  • 高校時代の研究活動や特別な経験
  • 医療倫理に関する考え方

特に研究への興味論理的思考力を示すことが重要です。

Q6. 他大学との併願はどうすればいいですか?

東北大学医学部の受験戦略として:

  • 国公立:北海道大学、筑波大学、千葉大学などとの併願
  • 私立:慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、順天堂大学など
  • 推薦入試:AO入試Ⅱ期・Ⅲ期の活用

共通テストの結果を踏まえて、最終的な出願校を決定しましょう。東北大学のレベルを考慮して、適切な併願校を選ぶことが重要です。

合格までのロードマップ

学年別対策スケジュール

高校1・2年生

  • 基礎学力の完全定着
  • 数学・理科の先取り学習
  • 英語の語彙力・読解力強化
  • 研究活動への参加(AO入試対策)

高校3年生春~夏

  • 応用問題演習の開始
  • 記述力の徹底強化
  • AO入試の準備(該当者)
  • 模試での実力確認

高校3年生秋~冬

  • 過去問演習の集中実施
  • 時間配分の最適化
  • 面接対策の本格化
  • 共通テスト対策の仕上げ

直前対策

  • 解答戦略の最終確認
  • メンタルコンディション調整
  • 体調管理の徹底
  • 仙台での宿泊手配

最後に – 受験生・保護者の皆様へ

東北大学医学部合格への道筋

東北大学医学部は、「研究第一主義」と「門戸開放」の理念のもと、世界で活躍する医師・医学研究者を育成する日本屈指の医学部です。旧帝国大学としての伝統と最先端の研究環境を併せ持ち、リサーチマインドを持った医療人の養成に力を入れています。

高い学力と研究への情熱、そして医師としての使命感を持つ皆様の挑戦を心から応援しています。