東京大学医学部受験対策

【2025年入試対応】
〜5年分の出題傾向から導く“他と差がつく”対策法とは?〜

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東京大学医学部(通称:理科三類)

東京大学医学部(理科三類)は、日本最難関の医学部として知られ、2025年度入試でも募集人員97名に対し志願者数は400名を超える狭き門です。

 

合格には二次試験で440点中約310点(約70%)の得点が必要で、特に数学・英語・理科(物理・化学)の配点が高く、これらの科目で確実に得点することが合格への鍵となります。

 

本記事では、過去5年間の出題傾向分析をもとに、東大医学部合格に必要な各科目の対策法、時間配分戦略、使用すべき参考書を詳しく解説します。

 

現役生・浪人生問わず、東大理三を目指す受験生が「何を」「いつまでに」「どのように」勉強すべきかを、具体的な学習計画とともにお伝えします。

 

東大医学部(理科三類)受験対策の全体像|科目別配点と学習戦略

 

◯東大理三合格に必要な各科目の得点戦略

数学対策

5年分の出題傾向から導く”他と差がつく”対策法とは?

東京大学の数学入試は、「思考力」「論理力」「記述力」を問う日本屈指の難問揃いで知られています。

 

しかもここ数年、その傾向には微妙な変化が生まれており、「基礎固めと過去問演習だけでは乗り切れない」局面も増えつつあります。

 

本記事では、2021〜2025年度の出題傾向をもとに、今後の東大入試数学で他と一線を画すための“本質的かつ実戦的な対策”を提案します。

東大医学部 数学対策|部分点を最大化する答案作成術

全体の傾向:誘導減少と構造理解重視

近年、東大数学では「誘導つきのパターン問題」よりも、「抽象性が高く自由度の高い設定」が増え、受験生自身の発想・構成力がより重視される傾向にあります。

 

また、出題分野の偏りは少なく、ほぼ全分野から満遍なく出題されています。

東大理三 数学の頻出分野|過去5年間の出題傾向分析

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年度 主な出題分野 特徴的な傾向
2021年 通過領域、複素数平面、整数、定積分 図形と関数の融合/思考型問題
2022年 積分方程式、漸化式、空間図形 処理量が多く手順力が必要
2023年 区分求積法、空間ベクトル、確率 多分野横断/抽象処理能力が試される
2024年 領域問題、微分応用、整数 回転体や接線問題など図形色が強め
2025年 弧長、極限、複素数平面、漸化式 誘導が少なく、抽象化力が必須

特に2025年度は、出題全体に「導かれずとも構造を読み取れるか」が強く問われる構成でした。形式的な演習では太刀打ちできないことを明確に示しています。

“差がつく”東大数学対策5選

こうした傾向を踏まえ、「他と同じように頑張る」だけでは差がつきません。

 

ここでは実戦的かつ戦略的な”差がつく”東大対策を提案します。

 

1部分点最大化思考で解く訓練を

東大の数学は完答を求める試験ではありません。1問のうち、(1)(2)だけで6〜7割の得点が可能なことも多く、むしろ完答にこだわって時間をロスすることの方がリスクです。

 

普段の演習から「この問題で何点取れるか?」「どこまで書けば十分か?」を意識し、「完璧主義」よりも「戦略的得点主義」で学ぶ視点が極めて重要です。

2採点者に伝わる記述力を徹底的に磨く

答案を読みやすく整え、「論理的にわかりやすく筋道が通っている」記述は、部分点獲得の最大武器です。式変形だけでなく、意図・構造・理由を日本語で言語化する力が問われます。

 

特に複雑な図形問題や場合分けを含む整数問題では、「なぜこの操作をしたか」が明確かどうかで点差がつきます。

3問題の構造・テーマを与えられた条件や誘導から掴め

良問には”テーマ”があります。例えば区分求積法の問題は、「和の極限が積分になる」構造を理解していれば再現可能ですし、確率漸化式の問題は、期待値・状態遷移の構造が鍵です。

 

問題を解くだけでなく、「なぜその方針が正解だったか」「他の問題に応用できるか」を”メタ的“に分析することで、得点力に再現性が生まれます。

4本番を想定した”意思決定練習”をする

2時間で6問という構成の中、「どの問題を最初に選ぶか」「完答を目指すか部分点狙いか」「1問にかける時間をどう配分するか」といった意思決定能力は、過去問10年分を解くより重要とも言えます。

毎週1回は本番通りの時間で過去問を解き、「戦術的解法」を鍛えてください。これは数学力ではなく”実戦力”です。実際に捨て問に飛びついてしまったり、取れるはずの問題が本番焦って取れなくなるなど、緊張状態によって戦略が狂ってしまうことはよくあります。そのような後悔を産まないように、ぜひ普段から「本番を意識した練習」を行ってください。

5他教科との「思考の架け橋」を意識

特に理系受験生において、数学・物理・化学の「論理構成力」は共通しています。また、現代文や英作文で必要な「構造把握→伝達力」も数学記述に活かせます。

 

「教科ごとに切り離して対策する」のではなく、「思考回路を通底させる」学び方ができる人が、総合点でも安定します。

学習リソースの選び方:参考書より”使い方”

参考書選びに悩む必要はあまりありません。どんな教材も、「どう使うか」の方が圧倒的に重要です。

基礎固め

演習

過去問

とにかく1冊を「薄く広く」より、「深く繰り返す」こと。特に過去問は「解けた」かどうかより「得点を再現できるか」で評価すべきです。

 

まとめ:戦略的に積み上げる東大数学対策

東大数学は、一見すると難解な問題ばかりですが、過去の出題傾向を見ると、しっかりとしたテーマと狙いがあり、それに応じた対策で着実に対応できます。

完答を狙うだけでなく、部分点を意識した答案の組み立てや、限られた時間の中でどう判断し動くかといった“試験中の立ち回り”も大切な力です。

 

問題の背景にある構造や発想の流れを読み解くことで、同じような初見問題にも対応できるようになります。まずは、自分の解法を客観的に見直すことから始めてみてください。

 

過去問や演習を通じて、解ける問題を確実に取り、少しずつ得点力を積み上げていく。その地道な積み重ねが、合格への道を切り拓いてくれるはずです。

英語対策

「読める・書ける」だけでは足りない!近年の傾向と本質的攻略法

東京大学の英語は、全国の大学入試でも最高峰の総合言語試験として知られています。
設問形式は非常に多彩で、時間制限もきつく、高度な処理能力が求められます。

 

東大英語の攻略には、「構造把握」「要約力」「論理的な記述力」の3つの柱が求められます。

 

この記事では、過去5年の出題傾向を踏まえつつ、東大英語において他の受験生と差をつけるための実戦的な対策を紹介します。

東大英語の基本構成(2025年度までに共通)

  • 試験時間:120分
  • 配点:120点(2次試験全科目合計440点中)
  • 大問数:5問

出題形式の特徴

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大問 内容 出題形式の特徴
第1問 長文読解×要約 内容の抽出と70〜80字の日本語要約(高配点)
第2問 英作文 自由英作文、英訳
語数指定あり(近年は2題構成が主流)
第3問 リスニング 音声内容に対する選択式(30点)/音源2回再生
第4問 文法・語法・和訳 情報の照合力と語彙力・文脈処理が鍵
第5問 長文 長文の構造把握と試験終盤で疲弊する中記述問題への対応が求められる

東大英語で差がつく”5つの対策”

東大英語攻略には、各大問の特性に応じた戦略的なアプローチが不可欠です。以下、実戦で差がつく5つの対策を紹介します。

 

1要約は「構造の把握」が勝負

単に内容をまとめるのではなく、筆者の論理構成(問題提起→展開→結論)を意識することが鍵。日本語での記述も含めた訓練が必要。

 

対策:段落ごとに要旨を日本語で言語化→全体構成を80字以内に再構成する練習。

2英作文は「論理+構文+具体例」

東大の英作文は自由英作文と和文英訳の2つが必ず出題されている。自由英作文で必要となるのは自分の意見を明確な論理で展開する構文力となっている。

 

難解な英文にすると論理構成が狂い大幅な減点となることがあるので、なるべく簡潔な論理展開が鍵となる。和文英訳については元の文章を論理を崩さないような英文とするのが鍵となる。前後の文章も添付されていることから、ただの英訳ではなく日本文の論理展開に合わせた要約が求められる。

 

対策:「主張→理由→具体例→結論」の型で英作文をかけるようにする。

3和訳は「英文構造→平易な日本語」に変換

字面を追うだけの訳出は減点対象。文法構造の把握と自然な訳語選びの両方が求められる。

 

対策:過去問などを用いて、構文分析+和訳精度を二重に確認する。

4会話文・文法問題は”消去力”と”語感”

短文読解や空所補充は難語は出ないが、文脈・語法の感覚・論理的整合性で差がつく。普段から文法問題などでトレーニングを行うことが必要となる。

 

対策:英文法の演習では正答の理由だけでなく「なぜ他が×か」を意識して解く。

5リスニングは開始時間の意識と「場面を思い浮かべる」練習を

リスニングは試験開始45分経過してから30分も拘束されてしまう。他の問題を解いている途中にリスニングに突入してしまうとタイムロスにつながるため、自分が45分でどの程度の問題を溶ききれるかの把握をしておく必要がある。

 

また、リスニング開始前に選択肢を一通り見ておくことも重要。話の流れ・主張の変化・状況描写の整理を事前に行っておくことでリスニングの内容がスムーズに聞き取れる。

 

※なお、会場の座席位置によっては音声がハウリングして聞き取りにくい場合がかなりあるため、練習時からあえて音質を落として練習する必要あり。

対策:TED TalksやNHK WORLDなどで、意見型・対話型のリスニング素材を日常的に使う。

おすすめ教材と活用法

東大英語の対策には、各分野に特化した教材を効果的に組み合わせることが重要です。以下、分野別の推奨教材と活用のコツを紹介します。

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分野 推奨教材 活用のコツ
要約・論理読解 東大英語25年』、『京大の英語25カ年 要約練習では段落構造の再構成を意識。京大の出題にも英文要約が含まれており、参考になる。
和訳・解釈 東大英語25年』『英文和訳演習 上級 構造把握→日本語化の練習を並行して行える。
英作文 基礎英作文問題精講』、英検準1級〜1級の自由英作文問題 定型表現ではなく「理由と展開」で組み立て。自由英作文に関しては英検のもので対応可能
リスニング 東大英語リスニング』・英語ニュースサイト、TOEFLなどのリスニング教材 1日10分でも継続して慣れることが重要

 

まとめ:東大英語は「英語力」×「国語力」×「戦略力」

東大英語では、「読める」「聞ける」だけでなく、「論理を理解し、日本語で再構成し、自分の意見として発信できるか」が問われます。

英語と日本語を滑らかに接続する力、文脈から構造を読み解く力、そして時間内に処理しきる判断力が求められます。

 

そのため、毎日の積み重ねが確実に力になる科目となっています。

 

物理対策

“思考×記述×時間管理”で他受験生に差をつける

  • 試験時間:理科2科目150分(物理は約75分)
  • 問題形式:大問3題すべて記述式・選択・論述の混合
  • 配点:60点満点、計算過程や理由説明が多数(特に論述設問)
  • 出題分野:力学・電磁気は毎年出題。加えて熱・波動・原子のうち2分野が典型
  • 特徴:近年は誘導があるが受験生の思考力を問う設定が中心で、「公式を使う力」よりも「問題文を読み込み、状況を適切に把握する能力」が評価されます。

出題傾向と講評(2021〜2025年度)

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年度 出題傾向 講評・特徴
2021年 力学・電磁気・原子 分量減・難度易化。原子物理では新傾向の問題が出現
2022年 力学・電磁気・熱力学 万有引力についての設問が出題。解答時間を要する設問増で処理スピード力が必要となった。
2023年 力学+電磁気+量子融合作 全範囲の問題が出現。高得点は難しく、部分点狙いの確実解答が鍵
2024年 バネ・電磁気学、波動 例年と比較して誘導が丁寧。例年の出題傾向に戻り、問題もオーソドックスな設定となった
2025年 力学、電磁気、熱力学 典型的な出題が継続。時間配分戦略がより重要

差がつく”5つの戦略”

東大物理攻略には、出題傾向を踏まえた戦略的なアプローチが不可欠です。以下、実戦で差がつく5つの戦略を紹介します。

 

1誘導文から構造を再構成する読解力

東大物理は公式を使用する知識のみではなく、「誘導文を読み取って条件・目的を正確に把握し、自力で問題の状況を整理できるか」が鍵です。

 

対策:過去問演習の際に必ず「何を求めるのか/どの条件が重要か」を本文から抽出する習慣をつける。また、重要な箇所は必ず強調する習慣をつける。

2部分点重視の答案構築

難問では全ての解答は難しいため、丁寧な段階的記述が採点者に評価されると同時に部分点の獲得にも繋がります。導出の説明や近似、状況の図示などを明記できるかが重要です。

 

対策:「まず簡潔な説明→立式(必要であれば近似式)→結論/グラフ」で順序を追って書く訓練を行う。断片的な式の羅列では部分点は望めない。

3時間配分を確実に行う

東大物理は時間内に解ききれないことを前提に時間配分を行ったほうが良いです。そのため、過去問演習の際には「どの問題から取り組めば効率よく点数を稼げるか」を意識して解く順番を決めることが大切です。

 

方法:過去問で「どの順序で取り組むか」をシミュレーションし、自分専用の解く順を作成しましょう。

4計算精度×検算の習慣

記述問題では数字・単位・符号ミスが即失点につながるため、最後に必ず「単位チェック」を行う習慣が必要です。この場合は0, 90°など極端な値や、45°など切りの良い値を代入するとミスに気づきやすくなります。

 

対策:「100g、0秒など極端な値、きりの良い値を代入して式が破綻しないか検証」を答案直後に書く練習を。

5複合問題への対応力強化

直近2年は出題傾向として落ち着いていますが、物理×電磁気×原子など複合分野問題や万有引力をモチーフとしたなかなか見ない設定の問題が増加中です。単一分野の問題演習では不十分で、多様な範囲を横断的に演習できる機会を設けることが必要です。

 

対策:異分野融合問題(東大・京大模試、過去問・等)を扱い、「複数分野を項目ごとに整理して解く」ことを日常化。

使用教材と学習ペース

東大物理の対策には、各領域に応じた教材と学習プランが重要です。

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領域 教材 プラン
誘導文読解 東大過去問 誘導付きの問題になれる訓練を行う
複合問題 東大・京大の模試、過去問など 毎週1問、融合問題演習を行い複雑な設定に慣れる
時間配分訓練 過去問+ストップウォッチ 模試形式で解答順と所要時間を記録・調整する
検算習慣 問題演習の際に、間違えた問題の単位等を確認する 単位・特解・符号・計算ミスは必ず検証する習慣をつける
部分点答案 自作解答で部分点を取りうるか、模範解答と比較する 時間内に記述を書き上げられるように、表現等の工夫を行う

 

まとめ:読んで思考し、書いて点を取る答案を

東大物理は、“見たことのない状況”にどうアクセスし、どれだけ説得力ある解答構造を作れるかが合否に大きく影響します。

誘導文を注意深く読む、時間配分に従って解く、部分点重視の段階記述、検算による精度保持、複合問題への対応力磨きという5つのスキルを日々の答案練習に反映することで、難化傾向の中でも「取れる問題を多く、部分点を狙う」戦略的答案力を本番で発揮できるかと思います。

 

日頃から本番を意識した演習を行うことで、他の受験生と差をつけましょう。

化学対策

思考力、記述力、処理スピードで他者との差を生む戦略ガイド

東京大学の化学は理科2科目で150分、化学は実質75分・60点満点です。配点は理科二科目で合計120点、個別試験全体では440点中120点分に相当します。

 

例年理科三類の合格最低点は7割前後で推移しているため、特に理科で稼ぎたい方は8割前後の得点を取りたいところになっています。

 

過去5年では記述量が増加し、出題形式は伝統的に「知識×思考×説明力」の総合力が求められるスタイルとなっています。

過去5年(2021~2025年度)の出題傾向

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年度 構成 特徴
2021 有機・理論・無機(各20点)=中問6小問30超 計算が大幅に増加。時間的成約が更に厳しくなった。
2022 同様構成、分量やや増 最後に生物の抗体反応についての融合問題。
2023 記述13問(小問約30)・論述増 初見の反応についての理解を要求される割合が増加。
2024 構成維持、語述・論述中心 処理スピード求める設問が増えた。内容に関しても多めになっている
2025 同内容・分量維持、記述・説明を伴う思考量増 出題形式が2016年以前のものに変化している。ただし内容については大差なし

2025年を除き、大問は「有機化学→無機・理論→理論化学」の順で、計30~33小問ほどが出題され、中問ごとに記述形式を伴う出題が定着しています。

 

2025年からは2016年以前の出題形式に戻っていますが、試験全体として聞かれている内容としてはほとんど変化ありません。

得点差がつく5大対策ポイント

記述量の増加と時間制約の厳しさを踏まえ、戦略的なアプローチが必要です。以下、実戦で差がつく5つの対策を紹介します。

 

1論述力の徹底強化:計算+理由・条件説明

記述式の解答では、ただ答えを書くのではなく”なぜそうなるか”まで説明を求める設問が明確に増加しています。重要なのは「計算結果に至るプロセス」と「その条件・意味を添えて記述する」能力です。

 

対策:解答には「計算の根拠→立式(計算は飛ばして可)→結論」の流れを明文化する。特に東大の問題は条件が複雑なので、自身でも何の計算を行っているのかがわからなくならないように記述する。

2有機化学は「構造決定+反応の本質理解」

有機化学では構造決定問題(特に天然物や高分子)に加え、反応経路や立体化学の説明が求められています。近年は構造決定と反応機構がセットで出題される傾向が強まっています。

 

対策:最初は分子モデルを使って実際に構造を確認してみる。爪楊枝と紙粘土でもかなり参考になる。立体構造を把握しないと正解にたどり着けない問題が多く、丁寧な反応の読解が必要となる。

3無機化学は「基礎の徹底+小問精度勝負」

無機領域は結晶構造・錯イオン・酸化還元など、典型問題の応用、複合で溶ける設問となっており、知識とキーワード、多彩な問題演習で得点が読みやすい分野となっています。

 

対策:様々な問題の演習を通じ、持ち合わせている知識をどのように初見の問題に落とし込むか考える癖をつける。一見反応機構が不明でも問題文にヒントが転がっていることが多いため、問題文も確実に読む練習を。

4理論化学は「高速処理+概念説明のバランス」

理論化学では計算速度に加え、「計算に伴う理論的背景(気体の性質、平衡の意味など)」の記述力が必要です。また、分量とグラフ処理の負担も大きいため、1問につきおよそ3~5分以内に読み取りと計算を完結できる習慣をつけてください。

 

対策:典型問題を使い、解法をすぐに思い浮かべる練習を行うと処理精度が向上。迅速な条件整理も有効。

5戦略的時間配分と問題の見極め

全体に分量と難易度が増し、制限時間の厳しさも増しています。「全問を解く」より、「取り切れる問題を全力で得点する」意識が重要です。

 

特に、化学で大幅に時間を使ってしまうよりも物理や生物の問題に時間をかける方が総得点として伸びる可能性もあります。「化学」ではなく「理科」の特典を伸ばせるように時間配分をしましょう。

対策:過去問演習で時間配分を意識して練習を行い、自己採点の後に「問題選択の適切さ」を検証する。「理科」として総得点を増やす練習を行う。

推奨教材と練習プラン

東大化学の対策には、分野別に適切な教材を選び、戦略的に活用することが重要です。

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分野 教材 活用法
有機・構造・反応 過去問・『有機化学入門』 多彩な有機化学反応、立体構造の記載方法に触れる。
無機・知識整理 過去問、「化学の新演習」 初見の設定を既知の知識の応用で捉えられる練習を行う。
理論・計算処理 過去問、「化学の新演習」 3分以内で解ける&理由説明できる演習を
実践練習 東大赤本・東大模試の過去問 各設問の時間管理・記述チェックまで行う。

 

まとめ

東大化学は知識だけでなく、「処理スピード」と「記述の論理性」で差がつく試験です。

 

記述量増加傾向の中、論理的な解答プロセスと時間戦略を伴った演習の充実が、合格への近道となります。

特に理科三類受験者は「理科2科目で120点中84点以上」つまり理科一科目あたりで60点中42点以上安定得点する実力が求められます。

 

理科全体で得点を伸ばす意識を持ちましょう。

理三卒現役医師
東大理科三類卒現役医師
現在:
  • PMD医学部専門予備校講師
  • CES医師国家試験予備校講師