医学部専門予備校の
東京科学大学受験対策

(旧:東京医科歯科大学)

【2025年入試対応】
〜”堅実に点を取る”ための戦略とは?出題傾向と対策を徹底解説〜

東京科学大学医学部の科目別対策

数学対策

堅実に点を取る”ための戦略とは?出題傾向と対策を徹底解説

東京科学大学(旧:東京医科歯科大学)の医学部数学は、東大・京大と比べれば一見「標準的」に見えることもありますが、実際の合格ラインは非常に高く、1問のミスが命取りになりかねません。

 

堅実な問題の中に”落とし穴”があり、素早く正確に得点できる力が求められる東京科学大学の数学。この記事では、近年の出題傾向をもとに、他の受験生と差をつけるための戦略的対策を紹介します。

東京技術大学 数学の基本情報(医学部)

試験時間

90分

問題数

大問3題(全て記述式)

出題範囲

数学ⅠA・ⅡB・Ⅲ

特徴

標準的な題材ながら設定が特殊なことが多く手が止まりやすい設問構成。答案完成度の高さが求められる

医学部合格者は7割ほどの得点が必要とも言われ、1問ごとの精度とスピードが合格のカギを握ります。

近年5年(2021〜2025年度)の出題傾向まとめ

出題傾向と講評(2021〜2025年度)

年度 主な出題分野 傾向・特徴
2020年 確率、複素数、空間図形、微積分 設定が難解。状況把握が合格を分けたか
2021年 微積分、確率、空間ベクトル、整数 オーソドックスながら処理量が多く、計算ミスが命取りに
2022年 面積、関数の最大最小、微積分 記述の正確さと式の整理力が求められる構成
2023年 微積分、空間図形、整数 方針を見抜ければ得点できるが、記述の筋道が甘いと減点されやすい
2024年 整数、空間ベクトル、微積分 条件の読み取りが勝負。誘導にうまく乗れるかが鍵

頻出テーマ

  • 微積分と関数の扱いは毎年登場
  • 確率・漸化式・整数問題も頻出
  • 空間ベクトルや図形問題での論理記述が求められる
  • 全体的に状況設定が複雑であることが多い

東京技術大学数学で差をつける5つの戦略

1「凡ミスゼロ」が前提条件

難問で差がつく試験ではなく、「標準的だが処理が煩雑な問題」を正確に解き切る力が重要です。ミスをした瞬間に大きく引き離されます。特に、処理が煩雑な分方針が明確に立つ問題が多いため、ミスでの失点が非常にもったいないです。

2誘導の”先読み力”を養う

東京科学大学では、誘導がしっかりしており、その流れを活かして終盤の問題を解ききれるかどうかが重要になります。設定が難解なことが多いのも相まって、誘導の意味を考えながら問題を解き進め、全体の構成を俯瞰する練習が必要です。

3時間内に書ききるアウトプット力

全問記述式のため、1問平均30分で完答できる表現力と処理力が必要です。時間オーバーで0完に終われば、それだけで合格圏外となる可能性もあります。定期的に制限時間90分で本番形式の演習を行い、答案の論理的構成を正確に記述する練習を行いましょう。

4答案の”見やすさ”を意識した記述練習

問題設定が未知数が多く難解な分、「採点者に読みやすい答案」がそのまま加点につながります。段落構成や式の配置・日本語の簡潔さに気を配り、「採点官が読みやすい答案」を目指しましょう。文字での説明が煩雑になる場合は平や図を使用することも効果的です。

5よく出るテーマの”再現性”を高める

例えば、「確率+漸化式」「積分計算+最大最小」などは定番の組み合わせです。同じ型の問題で確実に得点できるかが合否を左右します。『入試の軌跡 最難関大医学部』『東京科学大の数学[○○年版]』などの市販問題集で頻出型を絞って繰り返しましょう。

おすすめ教材と活用法

基礎〜標準演習

実戦演習

過去問対策

まとめ:差は「完成度」と「安定感」でつく

東京科学大学の数学は、設定が煩雑な問題の中で、どれだけ正確に、速く、最後まで解き切れるかが問われます。
発想力より、情報の処理能力や丁寧な答案構成力、論理的なミスのない計算が評価される試験です。完答力・計算精度・記述力を高め、ライバルに差をつける学習を意識していきましょう。

物理対策

標準から発展への解法力×時間配分×記述力で差をつける総合戦略

試験の基本情報

試験時間

理科2科目で120分

出題構成

大問2題構成(小問約10〜15問)すべて記述式で構成

難易度

典型的な理学部レベルから、東京科学大学特有の思考力・グラフ作成問題が挿入される

合格目標

60分で全問正確に解ききるのは難しく、大問前半の典型問題を確実に抑え、後半の思考問題で部分点を拾う戦略が求められる

過去5年の出題傾向と講評

年度 構成 講評
2021年 大問2(力学・電磁気) 例年ほどの難易度であるが、電磁気学の後半の問題で差がついた問題セット。
2022年 大問2(力学・電磁気) 典型問題主体ながら記述設問増。典型問題の処理速度が明暗を分けた。
2023年 大問2(力学・電磁気) グラフ問題が多く出題。合格点が低いと予想され、標準問題の確実な処理が重要。
2024年 大問2(力学・原子) 原子物理が出題。解答に用いる変数が増加し、確実な立式・式変形が求められた。
2025年 大問2(力学・熱力学・電磁気) 大問1が小問構成となり熱力学が出題されたが、標準的な内容であった。

差がつく対策の5項目(詳細版)

1典型問題は”堅実に早く”確実に処理する

戦略
前半部の小問では定義の確認や基本法則を問う出題が中心ですが、他学部よりも解答問題数が多い分、処理の正確さと時間配分がシビアです。ここでの失点=全体の足切りにつながるリスクが高いため、正確さとスピードを両立する訓練が必要不可欠です。

実践
「最初の設問は1問1〜2分」の速度制限を設けて問題演習
答案は”書きっぱなし”でなく、解法の流れと答の整合性を後から見直す訓練を。特に単位系(SI単位)での処理や指数計算、定数代入などを行い、間違っていないか要確認する。

2思考型問題で”部分点拾い”の手順を踏む

戦略
科学大(旧医科歯科)の物理は後半部の問題が難しく、グラフ問題もあることから時間配分のミスが後に響いてしまいます。ある程度のところで見切りをつけ、関東が無理な場合は部分点を確実に回収する解答を書くことも大切となります

実践
答を出せなくても、「ここまで立式できた」という構造を書き残すクセをつける。間違っていても考察文を添えると加点されることがあるため、考察問題やグラフの問題は絶対に空欄にしない

3グラフ・考察問題への対応力養成

戦略
近年の傾向として、中盤の問題にて物理現象を図示・グラフ化し、後半問題付近で物理量の関係性を言語で説明する形式の問題が増加しています。定量的読み取り+言語的表現の総合力が問われるため、説明の整合性がカギとなります。

実践
模試や過去問からグラフ問題・考察問題のみを抜き出して、確実に図示・記述する演習を行う。横軸・縦軸の意味、増減理由、傾きや面積の意味などを明示して答案を構成する。「グラフを描く」こと自体に時間を割きすぎない工夫(軸・目盛・単位を先に描くなど)もポイント。考察問題はそれまでの設問が誘導になっていることも意識。

4時間配分と「捨て問の取捨選択」の訓練

戦略
科学大(旧医科歯科)物理は制限時間内に全問完答を狙うのは困難である場合が多いです。化学、生物もそれなりの分量があるため。「取るべき問題に注力」し、「時間をかけすぎない問題を見極める」判断力も必要です。スキップするタイミングを演習中から意識しておくことで、本番のタイムマネジメントに大きな差が出ます。

実践
途中でつまずいたら、一回スキップし次へ進む練習
過去問演習で「この問題は捨てた」「最後に回した」などの行動記録を残す習慣をつける。「簡単な問題は絶対に落とさない」→「難問は部分点狙い」の区別を明確に

5記述と符号・単位・境界条件は”丁寧に確認”

戦略
記述式の試験において、導出が合っていても「単位が抜けている」「符号が逆」などの理由で失点することが頻発します。科学大(旧医科歯科)の問題は問題量が多いため、“確認のクセ”を答案作成の一部に組み込むことが重要です。

実践
問題を解いた直後に「符号」「単位」「境界条件(初期状態・極限)」の3点を確認
・間違いやすいのは「電場の向き」「分母、分子の取り違え」、「添字の間違い」など
チェックリストを答案の左余白に印刷 or 自作して使うと、確認漏れが大幅に減る

 

推奨教材

領域 教材 使用方法
典型処理力 良問の風名問の森 週3題、内容精査+スピード確認演習
部分点答案訓練 (他大学含めた)過去問 捨て問の見極めを行うのに最適
グラフ・論述 東京科学大学の過去問 東京科学大学特有の問題形式になれる
時間配分練習 過去問 or 模試+タイマー 実践形式で順序や消化時間を記録
確認ルーチン 自作チェックリスト 問題演習を通じて自身が間違えやすい場所を意識するようにする

まとめ

東京科学大学の物理は、典型問題で確実に得点→応用・論述で他の受験生と差をつける戦略が合否を左右します。

「型をそろえた答案で部分点を確保」、「時間配分を意識し、捨てる勇気も備える」、「記述は符号・単位・境界条件まで丁寧に」

この3点を筋道立てた演習で磨き、「安定した得点+応用問題で差をつける答案」を本番で仕上げることが大切です。

化学対策

「実験文脈×記述力×処理速度」を制する総合力構築ガイド

東京科学大学の理科は、理科2科目120分で受験し、1科目あたり60分の時間があります。化学は60点満点、大問3題・全問記述式が主流です(理論・無機・有機(高分子))。他大学に比べ長文の問題が目立ち、誘導が丁寧ですがその分問題の文量が多く、実験背景の読解力と文脈推測力が得点差を生みます。また、他大学と比較して医学に関連したテーマが出やすいのも特徴です。

直近5年の傾向と講評

年度 出題構成 特徴・講評
2021年 大問3題(理論・有機・高分子) 初見テーマ(形式電荷、バナジウム電池など)と文字数指定なし記述が増加。問題文中の誘導の読解力と反応推定力が重要に。
2022年 大問3題(理論・有機・無機) 無機化学の難度上昇で、処理スピードと論述力が問われた。有機化学でも医学部の生化学がモチーフとなっている問題が出題。
2023年 大問3題(理論・有機・高分子) 生化学的背景や微生物学モチーフの反応経路が登場し、読解・要約・推論力が必要な構成に。医学部入学以降で学ぶ化学の出題が顕著だが、前提知識がなくとも解ける誘導となっている。
2024年 大問3題(理論・無機・有機) 実在気体やEDTA滴定などの標準理論問題が中心。誘導が丁寧で、基礎+理論理解を重視した出題に。
2025年 大問3題(理論・有機・高分子) 問題量が増加し60分完答は難しい。応用力・記述力・解答スピードのバランスが求められる。出題は医療系のテーマに関連させつつオーソドックスなものとなっている。
合格者平均は共通テストで9割の得点と仮定すると、2次試験で7割程度取ることが合格への目安となります。理科で勝負したい方は8割程度が目安になります。

差がつく化学対策 5つの視点

1記述力:論理構造+実験根拠を明記

東京科学大学の化学は、計算の答えや構造式そのものより、その答えが導ける理由をいかに明確に説明できるかに重きが置かれます。問題文に対して「なぜこの現象が起きるのか」「なぜこの数値になるのか」といった背景の考察を、論理的に、かつ簡潔に表現する能力が得点に直結します。

実践策
過去問を解く際は、「物理化学的な根拠→論述→答え」という順で答案を構成する練習を。自分なりの記述テンプレートを作り、採点者に伝わる「文章の見せ方」も意識しましょう。

2有機構造決定+反応経路の因果関係理解

有機化学の問題では、構造決定が定番ですが、その分子がどのような反応経路で変化するかを問われる記述も頻出です。初見の反応機構を正確に読解できることに加え、反応機構や官能基の反応性に対する知識が融合されて初めて、点数に結びつきます。

実践策
過去問や演習問題を解いたあとに、「なぜこの構造になるのか」「なぜこの反応が起きるのか」を自分の言葉で説明し直す練習を導入しましょう。

3理論・無機は”言葉に転換”して理解を深める

錯体の構造や沈殿反応、気体の法則など、理論・無機化学の問題は一見「知っていれば解ける」ように思われますが、科学大では問題文中の誘導を用いて記述で説明させる形式が目立ちます。「暗記事項→誘導に沿った記述への変換」ができているかどうかが、点差に直結する領域です。

実践策
短答式の化学の問題だけではなく、読解も伴った化学の演習を行いましょう。最難関大学では問題の条件の読解が重要になります。

4計算×意義説明を通じて短くても意味の通る答案を作成する

理論化学では計算量がそれほど多くはありませんが、「数値を導く過程」+「意味説明」の両立が得点の鍵です。ただ速く正しく解くだけではなく、「なぜこの式を使うのか」「前提条件は何か」を補足する文章力が問われます。また、すべてを記述するには試験時間が短いため、簡潔に論旨を記述できる訓練が必要です。

実践策
模試や演習では、「説明→式→解答」の3ステップをセットに。特に60分3題という制限時間を意識して、「冗長にならず、伝えるべきことはすべて書く」答案構成の練習が不可欠です。また、数値の単位や有効数字の扱いにも気を配り、採点者が迷わず読み取れる整った解答を意識しましょう。

5応用設問へは日常的アンテナを育成

東京科学大学では、毎年のように医療材料・環境化学・生化学的視点を含んだ問題が出題されます。中性脂肪、アルギン酸ナトリウム、キレート剤といった題材がその例です。こうした応用分野は、知識というより初見素材への柔軟な読解力と論理思考が評価されるポイントです。

実践策
科学大の化学歯医学知識がバックグラウンド担っていることが多いため、時間があれば医学の中でも科学に関連があるトピックに目を通してみましょう。薬理学や微生物学は低分子化合物が、神経科学や免疫学では高分子化合物による反応速度論がテーマになりやすいです。

推奨教材と学習プラン

領域 教材 使用方法
記述強化 東京科学大学やその他最難関大学の過去問 解答に根拠、計算式、解答の3点を盛り込む訓練を
有機構造・反応 有機化学演習、化学の新演習 有機化学の初見の問題になれる
理論・無機 重要問題集 重要問題集で有名問題を確実に取れるようにする。
計算訓練 河合塾、東進などの科学大模試 模試形式(60分)で「式・計算・背景説明」を併せて演習
応用読解 医学部の一部科目の概要先取り 初見問題でも前提知識があると読解の助けになる

まとめ

東京科学大学の化学は、「誘導付き実験文の読解力+記述+思考・計算スピード」の融合力が鍵です。

時間内に高得点を狙うために、実験背景を確実に押さえながら「取れる設問から確実に得点→応用設問は論理説明で部分点を狙う」戦略が必要です。

 

60分の中で標準的な小問はミスなく取り切り、難問はときにはスキップすることが合格に近づける化学の解答戦略です。

生物対策

東京科学大学(医歯学系)の生物は、知識量だけでは太刀打ちできない「論述力」「論理的思考力」「データ読解力」が強く問われることで知られています。特に2021〜2025年度の過去問を分析すると、「ただ知っている」では通用せず、「どのように説明できるか」が明暗を分ける設問が顕著に増えてきています。

 

本記事では、近年5年の出題傾向を踏まえて、2026年度以降の受験生に向けた「本質的かつ差がつく」戦略的対策法について記述します。

試験の基本情報

試験時間

理科2科目で120分

出題構成

大問2〜3題構成(小問約10〜15問)すべて記述式で構成

難易度

標準レベルから、東京科学大学特有の思考力・グラフ作成問題、考察問題など難易度が多岐にわたる。

合格目標

60分で全問解ききるのは難しい。そのためいかに標準的な問題を落とさないかが求められる。

◆ 近年5年分の出題傾向を総点検

▼ 全体の傾向:記述量の増加と考察問題の深化

東京科学大学の生物では、マークや単純な語句記述はほぼ出題されません。毎年ほとんどが記述問題で構成されており、論理的な日本語による説明と、図表の読解力、複数の知識を結びつける「融合的思考」が求められます。

▼ 年度別分析(2021〜2025年)

年度 主な出題テーマ 特徴的な傾向
2021年 細胞生物学、生理学、進化 植物の出題がなし。細胞生物学に重きをおいた問題が出題。
2022年 生理学、動植物、環境 動物、植物と多岐にわたる。図示問題、実験計画設立問題なども出題。
2023年 生理学、植物、遺伝 自身で実験計画を立てる問題が出題。その他は例年と同様の傾向。
2024年 生理学、生殖、進化 実験考察・理由説明など多段構成問題が多い。グラフ問題は出題されず。
2025年 生理学、進化、分子生物学 大問が2問二減少したものの分量は変わらず。問題の誘導文が長くなり負担増加。

◆ “差がつく”東京科学大学生物対策5選

1「図・実験」の解釈を日本語で言い切る訓練

東京科学大学では図やグラフが毎年出題されます。「見て理解する」だけでなく「説明できる」訓練が必要です。たとえば、「この操作の目的は?」「この変化の要因は?」と問われたとき、自分の言葉で論理的に表現できるかが勝負の分かれ目です。

対策:
普段の問題演習からグラフの理解について言語化をする訓練を行いましょう。また、過去問演習や模擬試験等でグラフから読み取れることを誘導文を読んでいる時点から箇条書き形式で書き込んでしまうことも有効です。

2“因果関係”を日本語で構造的に表す練習

多くの設問が、「なぜそうなるのか」を段階的に説明させる形式です。単に「〇〇が△△する」と答えるのではなく、「〇〇により◇◇が起こり、その結果△△が誘導される」ような因果関係を文章で表現する力を養いましょう。

対策:
東大や京大、実戦模試の生物などより長文の記述を課す問題を演習することで、「因果関係の記述を正確に行う」ことに慣れてきます。

3「設問構造の定型」を知り、型で組み立てる

東京科学大学では、「操作の理由」「グラフの読み取り」「作用機序」「比較」など、よく出る設問パターンがあります。そしてそれぞれに「答え方の型」があります。模範解答を読んで、自分の記述もその型に近づけていく訓練を重ねましょう。

対策:
問題を分類し、設問ごとに「どのようなことが聞かれているか」、「どのように解答すればよいか」を類型化できるように問題演習を行うことが大切です。

4過去問演習+時間配分、自己添削の習慣化

東京科学大学の過去問は「解いて終わり」にしてはいけません。むしろ「どこが減点されるか」「自分の表現は評価されるか」、「適切に時間配分を行い時間内で最大限効率的に点数を伸ばせたか」を冷静に振り返り、改善する作業が最重要です。週に1回行うだけでも力が大きく伸びます。

対策:時間制限を設け、時間内で効率的に点数を伸ばせるように練習を行う。記述についても時間内で簡潔、明快にかけるように工夫を行う。

5誘導文を1回で読み切る訓練を

東京科学大学の生物を解答するにあたり、問題量が多いため誘導文を何回も読む時間はありません。下線を引いたり波線を引く、文中のキーワードに丸をつけるなど「なるべく1回で誘導文を読み切る」練習を行いましょう。

対策:東大、京大など難関大学の過去問を通じて誘導文を分解、理解する練習を行いましょう。

◆ 学習リソースの選び方:記述練習中心に構成を

東京科学大学生物 推奨教材と週次プラン

領域 教材 活用法
基礎知識 教科書『生物』『生物基礎』 領域ごとにまとめノート作成/重要語句はカード化して暗記+用語定義練習。
資料読解 『生物 新・考える問題100選』(駿台文庫) 時間制限を設けて演習を行い、後に誘導文読解、時間配分について振り返りを行う。
論述力訓練 標準問題精講 生物』、『思考力問題精講 生物 記述構成(起承転結+因果)の型を意識/段落単位で添削+論理構造の精査
時間配分 東京科学大学生物などの難関大過去問、実戦模試など 実践練習として、時間配分や簡潔に記述する練習を行う。
セルフ添削訓練 東京科学大学過去問+赤本/駿台・河合の模範解答 記述内容を振り返り→論理性・用語の精度・採点基準に照らして改善点を洗い出し

◆ まとめ:戦略的に積み上げる東京科学大学生物対策

東京科学大学の生物は、「知識を覚えるだけ」では乗り切れません。資料・図・設問を正確に読み解き、「言葉で論理的に再構成する」力を鍛える必要があります。

完答できなくても、記述構成を工夫すれば部分点は十分に取れるため、「戦略的記述力」を育てることが最優先です。

 

まずは、自分の答案を冷静に見直す習慣をつけてください。そして、知識→読解→構成→記述という一連の流れを意識的に回す練習を継続することで、合格ラインを確実に超えていくことができるでしょう。

小論文・面接対策|医学科後期日程

東京科学大学(医歯学系)医学科の後期試験は共通テスト+小論文、面接試験のみでの選抜という特殊な選抜方式となっています。出願には共通テストで高得点が前提となっているものの、面接、小論文対策も欠かせません。

この記事では東京科学大学(医歯学系) 医学科の後期試験の概要を解説しながら小論文、面接の形式や対策方法も解説していきます。

1. 後期日程の位置づけ

東京医科歯科大学医学科の後期日程の募集人員は10人と前期に比べ極めて少なく、合格を勝ち取るのは難関とされます。しかし、その選抜方法は共通テストに加え、小論文と面接のみとなっています。2次試験では「医師に必要な資質」を総合的に判断する特色があるのが大きな特徴です。

2. 試験概要と配点

後期日程の入試は以下のように構成されています。

一次試験(共通テスト)

足切りに用いられる。足切りの通過はもちろんのこと、合格には超高水準が前提。

二次試験(後期日程)

  • 小論文:120分・800〜1200字程度。医学・医療倫理、科学技術、社会問題などが主題。
  • 面接:個人面接。15〜20分程度のものが2回。多面的評価(人間性・医学適性・志望動機)。

配点

共通テスト

900点満点を500点に圧縮し評価

小論文

100点

面接

100点

したがって上記の配点の性質上、後期は「共通テストでの基礎力」+「二次試験での人物評価」が合否を大きく分けると理解すべきです。そのため、まずは共通テストで超高得点を取ることが後期出願の前提となっているのが現状です。例年、共通テストの得点率が95%前後必要となります。

3. 小論文の出題傾向

小論文は、医学と社会の接点に関わるテーマが多いです。

 

典型例としては:
医療倫理、科学技術と社会、公衆衛生・社会問題など社会、倫理的なものが医療家英のテーマにとどまらず出題されています。設問形式は東大、京大の現代文のように設問に文中の要素を用いて答えさせる問題が主で、最後の設問で受験者自身の考えを述べるものを設置するケースが多いです。

ポイントは、単なる知識披露ではなく、与えられた資料を整理し、論理的かつ医学志望者らしい視点で議論することとなっています。

小論文対策のステップとして、

1課題文要約の練習

与えられた文章を200字程度にまとめる力を養う。

2医学的テーマのストック

臓器移植、出生前診断、AI医療などを普段から整理。

3論理展開の型

「課題文の要点 → 自分の見解 → 具体例・反駁 → 結論」という小論文記述の型を身に着けておく

4字数調整力

制限字数に収めつつ、冗長にならない訓練。また、記述中で論理関係が崩れない訓練を行う。

が挙げられます。記述試験の対策方法は東大や京大の論述試験とも似ていますが、最後の小論文形式の設問で「医学部志望者としての自身考え」を明示できることが東大、京大の現代文対策との差になります。小論文の記述訓練を普段から行うことが本番で高得点を取るために重要なこととなります。

4. 面接の形式と評価

面接は個人面接(複数人の面接官)の形式で行われます。15〜20分程度のものが2回繰り返され、質問は以下のようなパターンが多いです。

  • 志望理由:「なぜ科学大か」「医師を志した動機」
  • 自己分析:「長所・短所」「ストレス対処法」
  • 医師としての適格性:「医師の社会的責任」「地域医療と専門医志向」
  • 医療倫理:「延命治療をどう考えるか」「AIが診断する未来の医療について」

評価基準は「人間性」「論理的思考力」「コミュニケーション力」「医師適性」の4点に集約されると考えられます。面接官によっては圧迫面接も想定されますが、基本的には冷静に受験生の考えを引き出す姿勢が取られていると考えられます。ただし、突っ込んだ質問も来る可能性があるため準備は必須です。また、一部受験生には再面接制度もありますが、再面接=不合格とはならないため、もし本番で再面接になったとしても焦らずに冷静に面接を終わらせましょう。

面接対策のステップとして、

1志望動機の明確化

科学大の特徴(先端医療、東工大との合併に伴う理工学との連携、研究志向)と結びつける。

2医療ニュースへの感度

コロナ後の医療、地域医療改革、社会保障制度の維持など、最新の課題に意見を持つ。

3想定問答集を作る

一般的質問+医療倫理系で20〜30問程度準備。

4模擬面接

実際に声に出し、論理性・表現力・態度を点検。早口になりすぎず、簡潔に自身の意見を面接官に伝える工夫を

5. 学習・準備スケジュール

  • 9月〜1月:各大学入試対策を行いながら、医学系ニュースや小論文テーマ集の通読を行うことで面接、小論文対策に。小論文演習は1〜2週間に1度程度のほうが2次試験対策にも響かない。
  • 1月下旬〜2月:私立医学部、国立前期日程入試に備え、小論文、面接対策の総復習を行う。
  • 直前期:医療時事ニュースを毎日チェックし、答えの軸を揺らさないよう整理。

6. まとめ

東京医科歯科大学医学部の後期は、共通テストの配分が大きいのはもちろんですが、小論文・面接での評価も合否を左右しうる入試の配点となっています

小論文では「資料を正確に読み取り、医師の視点を交えて論じる力」面接では「人間性と論理性を兼ね備えたコミュニケーション」、これらを備えることが求められます。

 

単なる暗記型の勉強ではなく、普段から医学と社会の関わりに目を向け、自分の意見を言語化する習慣をつけることが最大の対策となります。

理三卒現役医師
東大医学部(通称:理三)卒現役医師
現在:
  • PMD医学部専門予備校講師
  • CES医師国家試験予備校講師