受験勉強の復習のタイミングとは!エビングハウスの忘却曲線を使って医学部専門予備校がお教えします。

復習方法

 

医学部受験は暗記量も多く、知識を正確に覚える必要があります。受験生からは知識が定着しない、記憶ができないという悩みを耳にします。知識が正しく定着しない理由は、シンプルに言うと受験生の多くが“復習のタイミング”を理解せずに、何となく復習しているからなのです。正しい復習のタイミングを知って、医学部合格を目指しましょう!

 

復習するタイミングは決まっている!?忘却曲線を理解しよう!


生徒
生徒

英単語を覚えても思い出せないことや、数学の公式を忘れて問題が解けないことがあるのですが、暗記や記憶を定着させるにはどうしたら良いですか?

新田先生
新田先生

暗記や記憶を定着させる基本は“復習”が重要なんだよ。
心理学者のヘルマン・エビングハウスが発表した忘却曲線によると、記憶して20分後には、記憶した内容の42%を忘れ、1時間後には56%、1日後には74%、1週間後には77%も忘れてしまうんだ。

エビングハウスの忘却曲線と復習の関係

エビングハウスの忘却曲線と復習の関係

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生徒
生徒

え~、1週間で覚えていられる内容は全体の23%くらいなんですね。
覚えても、結構忘れていくものなんですね。

新田先生
新田先生
忘れるからこそ、きちんと復習することが大切なんだ。どんなふうに復習はやっているかな?

生徒
生徒
週末とかにまとめてやることが多いです。本当は毎日やったほうが良いと思うのですが、量が多くて難しい状況です。

新田先生
新田先生
確かに量が多いと大変だよね。量が多いときは、何を復習するかを決めることが大切なんだ。まず、復習内容の整理をすることから始めてみよう!

生徒
生徒
復習内容の整理ってどうするんですか?

新田先生
新田先生

まず、復習したい内容について、『未定着記憶』、『定着記憶』に分けます。未定着記憶とは、数学の加法定理は習ったけど使い方がよく分からない、英語の仮定法についてよく分からないなど理解ができていない未定着の記憶のこと。

定着記憶とは、数学の公式は理解したけど類似問題が解けない、仮定法は理解しているけど長文になると解けないなど記憶としては定着しているものの上手にアウトプットできない記憶のこと。

まずは、自分が学んだことをこの2つに分けることから始めるんだ。

生徒
生徒
まだよく理解していない内容と、理解している内容に分けるということですよね。

新田先生
新田先生

そうだね。未定着記憶に関しては、復習において「理解することに重点」を置き、定着記憶に関しては、復習において「記憶の保持に重点」を置くようにするんだ。次に、未定着記憶、定着記憶の復習のタイミングを考えてみよう。

復習のタイミングについては、アメリカの研究グループや大学など様々な研究があり、本によっても多少変わる部分があるし、個人差もあるんだけど、受験勉強に限って考えると、未定着記憶に関しては、勉強した日にまず復習をし、翌日、1週間後、2週間後という形で復習し、記憶を定着させていく。

定着記憶に関しては、2日後、2週間後、1ヶ月後という形で復習し、記憶の保持に重点を置きます。定着記憶に関しては、1週間後、1ヶ月という形でもよいのですが、重要なポイントは、すぐに復習せず、復習する間隔を空けるということが大切です。

生徒
生徒
理解していない内容、よく分かっていない内容については、その日のうちに早く復習して理解を進め、理解している内容については、復習する間隔を少し空けて、すぐに復習はしないということですね。

新田先生
新田先生
そうだね。まずは、自分が理解している部分と、あまり理解していない部分を分けて、それに合わせた復習のタイミングを考えることで、これまでよりも時間を有効に使えると思うよ。

生徒
生徒
分かりました。ありがとうございます。

 

公認心理師、新田猪三彦先生からのアドバイス
  1. 復習する時は、自分が理解していない、記憶が定着してない未定着記憶とある程度理解できて、記憶が定着している定着記憶に分ける。
  2. 未定着記憶の復習は理解に重点を置き、定着記憶の復習は記憶の保持に重点を置く。
  3. 未定着記憶に関しては、勉強した日にまず復習をし、翌日、1週間後、2週間後という形で復習し、定着記憶に関しては、2日後、2週間後、1ヶ月後もしくは、1週間後、1ヶ月という形でもよい。定着記憶の復習の重要なポイントは、すぐに復習せず、復習する間隔を空けることが大切です。

執筆者


公認心理師
新田猪三彦(にったいさひこ)


2007年より心理学や脳科学の講座を行い、医歯薬専門予備校で受験に必要なメンタルの強化法、保育士会調査研究委員会において「保育士・保護者のコミュニケーション講座」、市民と協働によるまちづくり提案事業、産学官包括連携事業などを行っている。
九州朝日放送運営のマイベストプロ福岡でコラムの執筆にも携わり、一人でも多くの人が心が豊かに生活できるように情報を発信している。
また、部活動のメンタルトレーニング、学校を中退した学生の受験・学習支援、受験を見守る保護者の相談、資格試験合格のためのモチベーション管理、タイプ別による学習法のアドバイスなども行っている。

<略歴>
ふくおか成年後見センターさくら / 福岡コミュニケーションカレッジ講師 / PMD医歯薬専門予備校心理カウンセラー / 日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー / 文部科学省所管生涯学習開発財団(神経言語プログラミング)協会認定マスタープラクティショナー / ICA(国際コーチ協会)認定コーチ / カナダSuccess Strategies・Shelle Rose Charvet認定LABプロファイリング・プラクティショナー