東京慈恵会医科大学医学部の受験情報│入試問題の傾向と対策

東京慈恵会医科大学

 

東京慈恵会医科大学概略

東京慈恵会医科大学は、1881(明治14)年に高木兼寛によって創設された「成医会講習所」を前身とする、日本最古の私立医科大学です。慶應義塾大学、日本医科大学とともに「私立医学部御三家」と称され、日本の医学教育と臨床の発展に多大なる貢献を続けてきました。

建学の精神として掲げられる「病気を診ずして病人を診よ」という言葉は、医学を学ぶ者にとっての不朽の指針となっています。これは、単に疾患という現象を科学的に捉えるだけでなく、病に苦しむ一人の人間としての患者に寄り添い、その背景や心までを察する全人的医療の重要性を説いたものです。

キャンパスは東京都港区西新橋という、政治・経済・医療の中枢に位置しています。併設される「東京慈恵会医科大学附属病院」は、特定機能病院として国内最高水準の医療を提供しており、その洗練されたホスピタリティと高度な診療能力は、社会から絶大な信頼を寄せられています。

伝統を重んじながらも、最先端の医学研究や国際標準の教育プログラムをいち早く取り入れる柔軟性を持ち、「慈恵」の名にふさわしい、知性と慈愛を兼ね備えたリーダーを数多く輩出しています。

東京慈恵会医科大学医学部の特徴

1.「病気を診ずして病人を診よ」の精神に基づく人間教育

創立者の精神を現代に受け継ぎ、高い倫理観と豊かな人間性を備えた医師の育成を徹底しています。患者の尊厳を重んじ、全人的に向き合う姿勢を、低学年からの体験学習や充実した臨床倫理教育を通じて、6年間かけてじっくりと育みます。

2.西新橋の本院をはじめとする強力な附属病院ネットワーク

西新橋の附属病院を中心に、葛飾医療センター、第三病院(狛江市)、柏病院という4つの附属病院を有しています。これらが緊密に連携し、都心から地域医療までをカバーする広範な臨床フィールドを提供しており、多様な症例を通じた質の高い診療参加型実習が可能です。

3.リサーチマインドを醸成する高度な研究環境

臨床の強さに加え、医学の発展に寄与する研究能力の養成にも注力しています。学生時代から第一線の研究に触れる機会が多く、科学的根拠に基づいた医療(EBM)を実践できる、探究心豊かなフィジシャン・サイエンティストを育成しています。

4.伝統が築いた強固な同窓会と高い国試合格率

「慈恵」という看板を背負う学生たちの連帯感は非常に強く、教員と学生、先輩と後輩が互いに高め合う伝統があります。この強固なネットワークと手厚い学修支援体制により、例年、全国トップクラスの医師国家試験合格率を維持しています。

教育理念と3つのポリシー

東京慈恵会医科大学医学部では、建学の精神を具現化し、世界水準の医学教育を通じて社会に貢献するため、以下の3つのポリシーを定めています。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

医学を学ぶために必要な極めて高い学力と論理的思考力を持ち、「病気を診ずして病人を診よ」という精神に深く共鳴する人物を求めています。豊かな人間性と高い倫理観、他者への深い思いやりを備え、自ら学び続ける意欲と、国際社会においてリーダーシップを発揮できる素養を重視します。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

6年間の一貫した医学教育を通じ、基礎・臨床を統合したスパイラル型カリキュラムを編成しています。早期からの患者接触やシミュレーション教育、そして附属4病院での質の高い診療参加型臨床実習を通じて、国際水準の診療技能と科学的探究心、プロフェッショナリズムを体系的に育成します。

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

医師として必要な卓越した専門知識・技能・態度を修得し、患者中心の安全で誠実な医療を提供できる能力を備えていることが条件です。高い品格と倫理観を持ち、多職種と協働してチーム医療を推進できる能力、そして絶えず進歩する医学・医療に生涯貢献し続ける姿勢を身につけた者に学位を授与します。

 

東京慈恵会医科大学ホームページ紹介

 

基本情報

住所 東京都港区西新橋3丁目25-8
初年度納入金額 3,500,000円
学納金6年間総額 22,863,000円
募集人数 105名
偏差値 71.4
男女比 62:38

入試情報

前期
出願期間 2026/1/5(月)~2026/1/26(月)
1次試験日 2026/2/11(水)
1次合格発表日 2026/2/18(水) 10時
2次試験日 2026/2/21(土)、22(日)、23(月)から1日
合格発表日 2026/3/2(月)
1次試験会場 東京流通センターイベントホール
2次試験会場 本学 西新橋キャンパス

1次試験

教科 科目 選択 配点 時間
理科 『物理基礎・物理』『化学基礎・化学』『生物基礎・生物』 2科目選択 200点 120分
数学 『数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』『数学A・B(数列)・C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)』 必須 100点 90分
英語 『英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ』『論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』 必須 100点 60分

2次試験

教科 科目 選択 配点 時間
面接 - 必須 30点 60分
小論文 - 必須 25点 90分
調査書等評価 - 必須 25点 -
※内容には変更等の可能性もございます。必ず大学の「入学者選抜要項」「学生募集要項」やホームページなどで、ご確認をお願い致します。

東京慈恵会医科大学 医師国家試験 合格率

回数(実施年) 受験者数 合格者数 合格率
第120回(2026年) 106人 102人 96.2%
第119回(2025年) 113人 109人 96.5%
第118回(2024年) 109人 100人 91.7%
第117回(2023年) 112人 108人 96.4%
第116回(2022年) 114人 111人 97.4%
第115回(2021年) 124人 118人 95.2%
第114回(2020年) 112人 106人 94.6%
第113回(2019年) 117人 114人 97.4%
第112回(2018年) 122人 117人 95.9%
第111回(2017年) 99人 92人 92.9%

東京慈恵会医科大学 医学部入試 傾向と対策

PMD医学部専門予備校|関連記事

東京慈恵会医科大学医学部とあわせて読みたい関連記事

東京慈恵会医科大学医学部の受験を検討している方は、大学別の特徴だけでなく、最難関私立医学部との違い、独自形式の面接対策、小論文対策まであわせて確認しておくと、志望校選びと受験戦略の精度が上がります。

私立医学部の双璧をなす両校を比較したい受験生におすすめの記事です。研究重視の慶應と、臨床教育に定評のある慈恵医大の教育理念の違いや、論理的思考力が問われる数学・理科の傾向を比較することで、ハイレベルな対策が構築できます。

ともに伝統の「御三家」として併願者が非常に多い組み合わせです。慈恵医大の論証力重視の問題と、日本医科大学の重厚な記述問題の違いなど、志願者の適性を見極めるための実戦的な情報を確認できます。

慈恵医大は二次試験で複数のステーションを回るMMI(多面的面接)形式を導入しています。倫理的判断力やコミュニケーション能力を短時間で評価される特有の形式に対し、どのような準備が必要かを確認できます。

慈恵医大の推薦入試(東京都地域枠など)や、高い思考力が求められる二次試験を見据えるなら必見です。難度の高い小論文や、独自の精神に基づいた志望理由書をマンツーマンでどう仕上げるかのイメージがつかみやすくなります。

アクセス

監修者紹介
岩崎陽一

株式会社アクト代表。PMD医学部専門予備校をはじめ、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・心理師・獣医師向けの各専門予備校を運営。長年にわたり、医学部受験、医療系学部受験、医療系国家試験対策に携わってきました。

PMD医学部専門予備校では、従来型の大教室授業ではなく、マンツーマン指導、生成AIの実践的活用、最新のITによる学習管理を組み合わせた指導体制を重視。受験生一人ひとりの状況に応じた学習設計と、答案作成まで見据えたアウトプット中心の支援を行っています。

医学部受験においては、単に知識を教えるだけでなく、「わかる」から「解ける」へと変える指導こそが重要であるという立場から、受験情報、学習法、小論文・面接対策、推薦入試、通信制高校からの進学、海外医学部進学など幅広いテーマで発信を続けています。