東海大学医学部│生物の傾向と対策

東海大学医学部の傾向と対策(生物)を、年度ごとに掲載しております。過去から遡って確認する事により、より良い傾向を掴み対策を立てることが可能です。

 

 

※難易度・スピードの☆印は5段階評価になります。

2020年度入試

科目 生物 解答時間 70分
生物用語をきっちり記憶したうえで典型的な問題を早く解けるか。 遺伝情報 体内環境
難易度 ☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 進化・系統 原始地球の状態の問題。腎臓はたらきの問題。体液の濃度調節の問題。 論述
2 総合 筋収縮の問題。反射の問題。神経系の問題。視細胞の問題。血液凝固の問題。ホルモンと標的器官の問題。循環系の問題。ABO式血液型の問題。 計算 やや易
3 動物の反応 骨格筋の構造の問題。筋収縮で消費するATP量の問題。 計算 やや易
4 遺伝情報 遺伝子発現の調節領域決定の問題。 記述、選択 標準
5 生殖・発生、進化・系統 性染色体による性決定の問題。ベラの性決定と性転換の問題。クラミドモナスの生活環と性分化の問題。 論述 やや易

傾向と対策

大問5題で問題形式は空所補充、論述問題、正誤問題、計算問題、描図問題、実験考察問題など。がん、臓器移植といった医学部的な問題となる遺伝情報、体内環境、代謝の出題が多い。2020年は遺伝子発現調節のしくみや性分化の問題がそれにあたる。それ以外は複合問題の出題もある。

基本から標準的な問題だが、考察力を見る問題が多い。論述は説明を求められることも多く、知識問題は教科書レベルを超えているものもあり、簡単な問題から解くといった臨機応変さが求められる。実験考察問題は念入りに演習をしたい。年度によって難易度のぶれがややある。解けそうなところから解いて時間配分に気を使うこと。


2019年度入試

科目 生物 解答時間 70分
生物用語をきっちり記憶したうえで典型的な問題を早く解けるか。 遺伝情報、体内環境
難易度 ☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 体液循環 体液循環の問題。ホルモンの問題。 記述
2 生殖・発生 スイートピーの遺伝の問題。組換え価の問題。自家受精の問題。 論述、計算 やや易
3 生殖・発生、遺伝情報 単細胞生物と多細胞生物の問題。細胞群体の問題。 論述 やや易
4 代謝 ヒルの実験の問題。ベンソンの実験の問題。カルビン・ベンソンの実験の問題。 論述 やや易
5 細胞 グルコース輸送体の問題。ナトリウムポンプの問題。 論述 やや易

傾向と対策

70分。大問5題で問題形式は空所補充、論述問題、正誤問題、計算問題、描図問題、実験考察問題など。がん、臓器移植といった医学部的な問題となる遺伝情報、体内環境、代謝の出題が多い。本年は小腸上皮細胞のグルコース輸送体の問題がそれにあたる。それ以外は複合問題の出題もある。

基本から標準的な問題だが、考察力を見る問題が多い。論述は説明を求められることも多く、知識問題は教科書レベルを超えているものもあり、簡単な問題から解くといった臨機応変さが求められる。実験考察問題は念入りに演習をしたい。年度によって難易度のぶれがややある。解けそうなところから解いて時間配分に気を使うこと。


2018年度入試

科目 生物 解答時間 70分
代謝や遺伝など医学的な問題から生態まで幅広く問われる。 代謝 遺伝
難易度 ☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 細胞内代謝 酵母の細胞内代謝に関する問題。基本的な知識を確認する空欄補充から、グラフや図を読み解いて解答する問題、また論述問題も多い。理解力と論理的思考力を要する。 空欄補充、記述 やや難
2 酵素・代謝 Ⅰは酵素に関する基礎的な問題。反応条件を変えた場合の変化など、暗記ではなく根本的な理解を問うている。

Ⅱはビタミンを中心に、やや細かい知識まで要求される。後半にはビタミンA,Cに関する論述があり、こちらも論理的な考えが必要。

空欄補充、選択、記述 標準
3 生理 胃を中心に消化管生理学を考える。
1は神経性調節から液性調節まで消化管の生理学に関する基本的な問題である。ホルモンに関する細かい知識が必要な問6は難しい。Ⅱ「心窩部の痛み」から胃に作用するホルモンの生理について。より臨床的な問であり、問10では治療まで考えさせる。
空欄補充、選択、記述 標準
4 動物の反応 近年、発展が目覚ましい神経生理学からの出題。古典的なテーマである「学習」について問うている。

Ⅰで学習に関する基礎的な知識を確認し、Ⅱでは学習行動に関する実験を扱う。実験の解釈について80字の論述があり、流れを読んで求められている答を適切に解答する力が必要。

空欄補充、選択、記述 やや難
5 遺伝 遺伝についてマクロからミクロまでを一連の流れとして考える良問。
Ⅰは交配実験というマクロ(目に見える)の遺伝を扱う典型的な問題。
ⅡはⅠから発展し、より細かいミクロの遺伝、すなわちゲノムの塩基配列を扱う。Ⅲはさらに思考が発展し、遺伝子のクローニングについて。
空欄補充、選択、記述 やや難

傾向と対策

幅広い分野からの出題があるが、医学、特に臨床につながる問題が多い。前半で基礎を確認し、後半では発展して実験や臨床的な事柄を考えさせる。単なる知識の暗記ではなく、つながりを意識した学習が必要。グラフや図から読み取る問題、長めの記述問題も多く、普段から読解力や論理的思考力を意識して身に付けたい。

2017年度入試

科目 生物 解答時間 70分
遺伝の仕組みや実験手法、生態系についてなど幅広い知識を問う。 遺伝 免疫
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 遺伝 Ⅰ.遺伝情報に関する基本的な設問

Ⅱ.実験手法や制限酵素などやや細かな知識を問う。後半は遺伝学に関する正確な理解が無いと難しいか。

空欄補充 標準
2 人体の構造と機能 筋収縮の生理学についてやや踏み込んで、筋収縮の加算現象や細胞内イオン動態についても問われる。さらに、アクチンとミオシンによる筋収縮のすべり説に関する考察など、思考力が求められる。 空欄補充、選択肢、記述 やや難
3 人体の構造と機能 肝臓という、人体のホメオスタシス維持に重要な臓器の正常構造と機能、つまり解剖生理学を問う問題。基本的な問題が多く、胆汁との関係などもしっかりと勉強しておれば容易に回答できる。 空欄補充、記述 やや易
4 免疫 アナフィラキシーを中心として、免疫反応やそれに関する周辺知識問う問題。実験結果から解答を導くなど、単なる知識にとどまらず思考力も問われる。血液細胞についての深い理解を要する難問。 選択肢、記述 やや難
5 生態 生態に関する出題は珍しく、面食らった受験生も多いかもしれないが、注意深く問題文を読み個々の選択肢の意味を考えればそう難しくはない問題。 選択肢 標準

傾向と対策

生物という範囲の中で実験手法から生理、生態まで幅広い知識を要求する問題ではあるが、それぞれさほど踏み込んだ内容を求めている訳でもなく、きちんとまんべんなく学習しておればそう難しくもない問題である。医学に直結するというより、まずは正常な構造と機能についての理解を求めている。

2016年度入試

科目 解答時間
難易度 ☆☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度

傾向と対策


2015年度入試

科目 生物 解答時間 70分
難易度 ☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 光合成

研究の歴史

記述式 標準
2 動物の反応

視覚器の視細胞,暗順応

記述式 標準
3 代謝

好気呼吸,能動輸送について

記述式 やや難
4 遺伝情報

形質転換

記述式
5 遺伝

三毛猫の毛色の遺伝

ライオニゼーション

記述式

傾向と対策

出題は標準レベルのものもあるが,全体的に難易度が高い。

基本的な用語の穴埋めもあるが,実験考察や描画問題もあり,バランスの取れた学習を心がけること。

出題分野は「代謝」,「遺伝情報」,「体内環境」など医学と関係するものが多く見られる。が多い。

論述問題が毎年出題されるので,過去問,問題集等利用し,しっかり練習しておくこと。


2014年度入試

傾向と対策

論述問題は難問

大問5題からなっている。基本的な問題が多いが、高い考察力を要する問題が出題され、難易度は幅広い。

タンパク質と生物体、遺伝分野、動物の出題頻度がかなり高い傾向にある。

教科書を熟読し各分野に関して理解を深めておくことが重要となる。その際は、生物用語の意味を理解し、実際に記述、論述出来るよう自分でまとめておくとよい。

論述問題はかなり難しい問題も出されるため、最新の研究テーマにも親しんでおくとよい。