鹿児島大学医学部の受験情報│入試問題の傾向と対策

鹿児島大学医学部概略
鹿児島大学医学部は、1943(昭和18)年創立の県立鹿児島医科専門学校を起源とする、長い歴史を誇る国立大学です。学内には、幕末に西洋医学を導入した薩摩藩の「進取の精神」が脈々と受け継がれており、地域に貢献しながら世界に羽ばたく医療人の育成を目標としています。
医学部が位置する桜ヶ丘キャンパスには、特定機能病院である「鹿児島大学病院」が併設されています。同院は南九州における高度医療・救急医療の最重要拠点であり、特にがん治療、心臓疾患、移植医療などの高度専門医療において、全国的にも高い水準を誇る臨床教育フィールドを提供しています。
本学の最大の特徴は、数多くの有人離島を擁する鹿児島県の特性を活かした「離島・へき地医療教育」の充実です。限られた医療資源の中で患者と向き合う離島実習は、学生にとって医師としての原点を見つめ直す貴重な経験となり、日本全国の地域医療を支えるリーダーを輩出し続けています。
また、医学研究においても「成人T細胞白血病(ATL)」などの地域特有の疾患や、最先端の再生医療、難病治療の研究で世界をリードしており、臨床と研究の両輪で、生命科学の未来を切り拓く環境が整っています。
鹿児島大学医学部の特徴
全国から注目される離島医療教育のメッカです。奄美群島をはじめとする離島の医療機関で、実際の診療に立ち会い、地域住民の生活や文化に触れる実習を行います。これにより、総合的な臨床能力と、患者に寄り添う深い共感力を養います。
低学年から臨床的な思考を養うプログラムが充実しています。最新のシミュレーターを備えたスキルアップセンターを活用し、採血や心肺蘇生などの手技を繰り返し練習することで、臨床実習前に確かな自信と技術を身につけることが可能です。
大学病院では、最先端の手術支援ロボットや高度救命救急センターなど、医療の最前線を体験します。医療チームの一員として診療に参加する「クリニカル・クラークシップ」を通じ、プロフェッショナリズムと実践的な医学知識を体系的に習得します。
海外の大学との交流も盛んで、短期留学や海外臨床実習の枠組みが整っています。地方の特性を大切にしながらも、国際的な視点で医学を捉え、世界水準の研究成果を臨床に応用できる次世代の医学者を育成しています。
教育理念と3つのポリシー
鹿児島大学医学部では、「進取の精神」を持って、人々の健康と福祉を支える誇り高き医師を育成するため、以下の3つのポリシーを定めています。
医学を学ぶための極めて高い基礎学力を備え、本学の「進取の精神」に共鳴する人物を求めています。生命の尊厳を理解し、他者への深い敬意と誠実さを持ち合わせていること、そして地域医療への強い貢献意欲と、国際社会の医学発展に寄与しようとする熱意を重視します。
6年間の一貫教育を通じて、基礎医学と臨床医学を有機的に統合したプログラムを実施しています。早期からの離島体験や能動的学習(PBL)を軸に人間性を育み、シミュレーション教育を経て、大学病院および離島・地域連携病院での質の高い診療参加型実習へと繋げることで、国際水準の臨床能力を体系的に育成します。
医師として必要な卓越した専門知識・技能・態度を確実に修得し、安全で質の高い医療を提供できる能力を備えていることが求められます。高い倫理性と科学的探究心を持ち、チーム医療を牽引できるコミュニケーション能力、そして生涯にわたり自律的に自己研鑽に励む姿勢を身につけた者に学位を授与します。
鹿児島大学ホームページ紹介
基本情報
| 住所 | 鹿児島県鹿児島市桜ヶ丘8丁目35の1 |
|---|---|
| 初年度納入金額 | 約817,800 |
| 学納金6年間総額 | 約3,500,000 |
| 募集人数 | 110名 一般選抜(前期):69名 一般選抜(後期):19名 学校推薦型選抜Ⅱ:20名 国際バカロレア選抜:2名 |
| 偏差値 | 68 |
| 男女比 | 61:39 |
入試情報
前期
| 出願期間 | 2026/1/26(月)~2/4(水) |
|---|---|
| 試験日 | 2026/2/25(水)・26(木) |
| 合格発表日 | 2026/3/6(金) |
共通テスト
| 教科 | 科目 | 選択 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 『国語』 | 必須 | 200点 |
| 数学 | 『数学Ⅰ・A』 『数学Ⅱ・B・C』 |
必須 必須 |
200点 |
| 外国語 | 『英語』※英語資格可 | 必須 | 200点 |
| 理科 | 『物理』『化学』『生物』 | 2科目選択 | 200点 |
| 地歴・公民 | 『地総、地理探究』『歴総、日本史探究』『歴総、世界史探究』『公共、倫理』『公共、政・経』 | 1科目選択 | 100点 |
| 情報 | 『情報Ⅰ』 | 必須 | 25点 |
個別テスト
| 教科 | 科目 | 選択 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 数学 | 数学(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) 数学(A(場合の数と確率・図形の性質)・B(数列)・C(平面上の曲線と複素数平面・ベクトル)) |
必須 | 200点 |
| 英語 | 英語コミュニケーション(Ⅰ・Ⅱ)、論理表現(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) | 必須 | 200点 |
| 理科 | 『物理基礎・物理』『化学基礎・化学』『生物基礎・生物』 | 2科目選択 | 400点 |
| 面接 | 必須 | 120点 |
後期
| 出願期間 | 2026/1/26(月)~2/4(水) |
|---|---|
| 試験日 | 2026/3/12(木) |
| 合格発表日 | 2026/3/23(月) |
共通テスト
| 教科 | 科目 | 選択 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 『国語』 | 必須 | 200点 |
| 数学 | 『数学Ⅰ・A』 『数学Ⅱ・B・C』 |
必須 必須 |
200点 |
| 外国語 | 『英語』※英語資格可 | 必須 | 200点 |
| 理科 | 『物理』『化学』『生物』 | 2科目選択 | 200点 |
| 地歴・公民 | 『地総、地理探究』『歴総、日本史探究』『歴総、世界史探究』『公共、倫理』『公共、政・経』 | 1科目選択 | 100点 |
| 情報 | 『情報Ⅰ』 | 必須 | 25点 |
個別テスト
| 教科 | 科目 | 選択 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 小論文 | 小論文は国語の要素を含む。 | 必須 | 200点 |
| 面接 | 必須 | 120点 |
医師国家試験 合格率
| 回数(実施年) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第120回(2026年) | 125人 | 117人 | 93.6% |
| 第119回(2025年) | 111人 | 105人 | 94.6% |
| 第118回(2024年) | 113人 | 108人 | 95.6% |
| 第117回(2023年) | 122人 | 114人 | 93.4% |
| 第116回(2022年) | 132人 | 115人 | 87.1% |
| 第115回(2021年) | 120人 | 111人 | 92.5% |
| 第114回(2020年) | 125人 | 116人 | 92.8% |
| 第113回(2019年) | 139人 | 123人 | 88.5% |
| 第112回(2018年) | 130人 | 117人 | 90.0% |
| 第111回(2017年) | 142人 | 123人 | 86.6% |
鹿児島大学 医学部入試 傾向と対策
2021年度入試
| 科目 | 英語 | 解答時間 | 90分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 長文読解 | 退屈が生み出す創造性 | 選択・記述 | 標準 |
| 2 | 長文読解 | アメリカにおける自動運転車の開発 | 記述・選択 | 標準 |
| 3 | 文法語彙 | 文法・語彙問題(四択) | 選択 | 標準 |
| 4 | 英作文 | 会話文中の和文英訳 | 選択 | 標準 |
| 5 | 英作文 | 意見論述 | 選択 | 標準 |
| 2021年度も例年通りの大問5題構成が維持され、出題内容も長文読解2題、文法語彙問題1題、英作文2題と変わりないものであった。全体として難解な問題は少なく、選択問題は確実に得点したい。記述問題の部分点で差がつきやすいため、減点を1点でも減らせるような解答作成が必要。 |
2020年度入試
| 科目 | 英語 | 解答時間 | 90分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 長文読解 | 近い将来大きく変わる働き方 | 選択・記述 | 標準 |
| 2 | 長文読解 | 食品ロス問題への取り組み | 記述・選択 | 標準 |
| 3 | 文法語彙 | 文法・語彙問題(四択) | 選択 | 標準 |
| 4 | 英作文 | 会話文中の和文英訳 | 選択 | 標準 |
| 5 | 英作文 | 意見論述 | 選択 | 標準 |
2021年度入試
| 科目 | 数学 | 解答時間 | 120分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 小問集合 | 解と係数の関係、三角形、三角関数 | 記述 | 易 |
| 2 | 微分法 | 対数計算、3次関数の極大値 | 記述 | 易 |
| 3-1(選択問題) | 数列 | 漸化式 3-1,3-2,3-3から一題選択 |
記述 | 標準 |
| 3-2(選択問題) | 図形の性質 | 三角形の内心の位置ベクトル 3-1,3-2,3-3から一題選択 |
記述 | 標準 |
| 3-3(選択問題) | 確率 | 確率変数の積の期待値 3-1,3-2,3-3から一題選択 |
記述 | 標準 |
| 4 | 微分・積分法 | 関数方程式、グラフ、面積、関数の極限 | 記述 | 標準 |
| 5 | 複素数平面 | 複素数平面における円の方程式 | 記述 | やや難 |
傾向と対策
| 2021年度も例年通り大問5題構成が維持され、解答形式はすべて記述問題であった。大問1が最も解きやすく、大問5が最も難しいという、後半に向かうほど難度が上がる構成である。多くの受験生は大問1から解いていくと思うが、時間配分を誤ると焦りが生じやすい。そのため、比較的易しい問題を確実に得点できるよう、落ち着いて解き進めることが重要である。 |
2020年度入試
| 科目 | 数学 | 解答時間 | 120分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 小問集合 | 整数の性質、三角関数の方程式、条件付き確率 | 記述 | やや易 |
| 2 | 式と証明 | 不等式と集合 | 記述 | 標準 |
| 3-1(選択問題) | 数列 | 漸化式、数列の和 3-1,3-2,3-3から一題選択 |
記述 | 標準 |
| 3-2(選択問題) | ベクトル | 垂心と重心が一致する三角形 3-1,3-2,3-3から一題選択 |
記述 | 標準 |
| 3-3(選択問題) | 確率分布 | 確率変数の和の平均と分散 3-1,3-2,3-3から一題選択 |
記述 | 標準 |
| 4 | 微分・積分法 | 接する2曲線、放物線と接線で囲まれた図形の面積 | 記述 | やや難 |
| 5 | 複素数平面 | 確率変数の和の平均と分散 | 記述 | 標準 |
傾向と対策
2021年度入試
| 科目 | 物理 | 解答時間 | 150分(2科目) |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 力学 | なめらかな床にある台上を運動する小物体 | 短答・記述 | 標準 |
| 2 | 熱力学 | 理想気体の定圧変化、等温変化、断熱変化 | 短答・記述・選択 | 標準 |
| 3 | 波動 | 4つの透過部分があるヤングの実験 | 短答・記述 | 標準 |
| 4 | 電磁気 | コンデンサーを含む直流回路 | 短答・記述・図示 | 標準 |
傾向と対策
| 2021年度も例年通り大問4題構成が維持された。導出過程を含めて解答する問題も引き続き出題されているため、日頃の演習では、式のみを書いて解くだけでなく、その過程を文章で説明できるように練習しておくことが重要である。 |
2021年度入試
| 科目 | 化学 | 解答時間 | 150分(2科目) |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 理論化学 | 物質の化学結合と性質、酸化還元反応、物質の状態変化 | 短答・記述 | 標準 |
| 2 | 理論化学・無機化学 | 硫酸の反応と性質、希釈・濃度の変換 | 短答・記述 | 標準 |
| 3 | 理論化学 | アレニウスの式と活性化エネルギー/水の蒸気圧 | 短答・記述・選択 | 標準 |
| 4 | 有機化学・理論化学 | 脂肪酸の分類と性質・反応、油脂の反応とけん化価・抽出法 | 短答・記述・選択 | 標準 |
| 5 | 有機化学・理論化学 | ビニロンの合成と反応/糖類の性質と反応 | 短答・記述 | 標準 |
傾向と対策
| 2021年度も例年通りの大問5題構成が維持された。物理と同様、導出過程を含めて解答する問題も引き続き出題されているため、日頃の演習では、式のみを書いて解くだけでなく、その過程を文章で説明できるように練習しておくことが重要である。 化学反応式や構造式についても正確な記述が求められる。 |
【 国立・私立大学医学部の大学一覧 】
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