福岡大学医学部の受験情報│入試問題の傾向と対策

福岡大学
 

福岡大学概略

福岡大学は、昭和9年に福岡高等商業学校として創立され、その後、昭和31年に福岡大学と改称、さらに昭和47年には医学部が増設されました。九州を代表する総合大学の一つとして発展してきた歴史を持ち、医学部はその中でも、地域医療と高度医療の双方を支える重要な学部として位置付けられています。

建学の精神として掲げられているのは、「思想堅実」「穏健中正」「質実剛健」「積極進取」の四つです。これらの言葉は、単なる伝統的な標語ではなく、福岡大学が育てようとする人材像そのものを表しています。すなわち、堅実に物事を考え、偏りなくバランス感覚を持ち、粘り強く学び、主体的に前に進む人材の育成です。医学教育に置き換えれば、知識や技術だけでなく、倫理観・誠実さ・判断力・行動力を備えた医師を育てるという姿勢につながっています。

福岡大学医学部は、「人が人を治療する」という医療の原点を重視している点が大きな特徴です。医療技術が高度化し、AIやデジタル医療が広がる時代であっても、患者と向き合うのはあくまで人であり、そこには知識や技術だけではない、豊かな人間性や高い倫理観、そして相手を理解しようとする姿勢が欠かせません。福岡大学医学部は、その原点を教育の土台に据えながら、高度な医療技術と問題解決能力を持つ質の高い医師を育てることを目指しています。

また、単に国家試験合格を目指すだけではなく、臨床現場で必要とされる総合力の養成に力を入れている点も見逃せません。患者の話を丁寧に聞くコミュニケーション力、多職種と連携する協調性、複雑な病態に対応する論理的思考力、そして地域社会の課題を自分ごととして捉える視点まで含めて学ぶことで、福岡大学医学部は地域に根ざしながらも広い視野を持つ医師の育成を進めています。

福岡大学医学部の特徴

1.人間性と専門性の両立を重視した教育

福岡大学医学部では、医療人として必要な高度な知識・技能の修得はもちろん、高い道徳性、倫理観、公正さ、そして患者に寄り添う姿勢を重視しています。医学は知識量だけで成り立つものではなく、患者の背景や不安を理解しながら、最適な医療を考える総合的な営みです。そのため、福岡大学医学部では、学力だけでは測れない医師としての資質の形成にも力を入れています。

2.早い段階から臨床を意識したカリキュラム

福岡大学医学部医学科では、「FU-RIGHT」の精神のもと、1年次から基礎医学に加えて病棟実習なども取り入れながら、基礎と臨床をつなぐ“らせん状”のカリキュラムが組まれています。低学年のうちから医療現場を意識し、高学年では診療参加型実習へと段階的に進んでいくことで、知識の暗記に偏らず、臨床推論力や実践力を養いやすい構成になっています。

3.附属病院を活用した実践的な学習環境

福岡大学医学部の大きな強みの一つは、附属病院群を背景にした豊富な臨床教育環境です。大学病院という高度医療の現場に触れながら学べることは、座学だけでは得られない大きな学びにつながります。救急、周産期、専門外来、チーム医療など、多様な医療現場に接することで、将来の進路を具体的に考えやすくなる点も魅力です。

4.地域医療と国際的視野の両方を意識した医師養成

福岡という地域性を生かしながら、地域医療への貢献を重視している点も福岡大学医学部の特色です。同時に、英語での医療面接や海外大学との交流などを通して、国際的な視野を持つ医療人の育成も意識されています。地域に根ざしつつ、より広い世界にも目を向けられる医師を育てようとしている点は、現代の医学教育において大きな意味があります。

建学の精神と3つのポリシー

福岡大学医学部を理解するうえでは、建学の精神だけでなく、「アドミッション・ポリシー」「カリキュラム・ポリシー」「ディプロマ・ポリシー」という3つのポリシーも重要です。これらは、どのような学生を受け入れ、どのような教育を行い、卒業時にどのような力を身につけていてほしいかを示すもので、大学の教育理念をより具体的に表現したものといえます。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

福岡大学医学部医学科は、医療のプロフェッショナルとしての誇りと広い視野を持ち、患者に寄り添い、地域社会に貢献できる医師の育成を目標としています。そのため、受験生には学力だけでなく、医療人を志す明確な意志、他者への関心、コミュニケーション能力、論理的に考える姿勢などが求められます。面接が重視される背景にも、こうした人間面の適性を確認したいという大学の意図があります。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

教育課程では、基礎医学と臨床医学を切り離さず、段階的かつ連続的に学べる仕組みが重視されています。低学年から医療現場への意識を育て、高学年になるにつれて診療参加型実習へとつなげることで、知識と実践を往復しながら理解を深める設計です。また、生命倫理、チーム医療、臨床推論、研究マインド、自律的学修力の育成なども重視されており、単なる知識詰め込み型とは異なる教育方針がうかがえます。

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

卒業時には、医師として必要な専門知識・技能だけでなく、倫理観、責任感、科学的探究心、自律的に学び続ける姿勢、高いコミュニケーション能力などを身につけていることが求められます。福岡大学医学部が目指すのは、試験に合格するだけの学生ではなく、卒業後も臨床・研究・地域医療の各場面で成長し続けられる医師です。こうした方針は、大学全体の建学の精神ともきれいにつながっています。

近年の附属病院整備と新病院計画

福岡大学医学部の魅力を語るうえで、近年の附属病院整備は非常に重要なポイントです。福岡大学病院では本館の建て替えが進められ、2024年春には新本館が開院しました。新本館は、救急医療や高度医療への対応力を高めるとともに、災害時や感染症対応も意識した施設整備が進められており、福岡大学が地域の中核的医療機関としての役割をさらに強化していることがうかがえます。

受験生目線で見ても、このような附属病院の整備は大きな意味を持ちます。大学病院が新しくなり、機能が拡充されることは、単に診療体制が充実するというだけでなく、医学部生が学ぶ臨床現場の質が高まることを意味するからです。より高度で、より実践的な医療の現場に触れられることは、将来医師になるうえで大きな財産になります。

さらに、福岡大学西新病院については、福岡市中央区唐人町のこども病院跡地への移転・新築が進められており、新病院の名称は「福岡大学ももち病院」と決定しています。新病院は、内科系診療科を中心とする急性期医療に加え、リハビリテーション機能の充実や在宅診療への移行支援など、地域に密着した医療提供を目指す計画です。

こうした動きから見えてくるのは、福岡大学が「伝統ある大学」であるだけでなく、「今も発展を続ける大学」であるという点です。歴史と理念に支えられた教育基盤の上に、附属病院の再整備や新たな医療拠点の創設が重なっており、教育・研究・診療の三位一体の基盤がより強固になっています。福岡大学医学部を志望する受験生にとっては、単に過去の実績だけでなく、これからの伸びしろまで含めて注目すべき医学部といえるでしょう。

福岡大学ホームページ紹介

福岡大学

福岡大学_医学部

福岡大学_医学部入試情報

アドミッション・ポリシー

基本情報

住所 福岡県福岡市城南区七隈7-45-1
初年度納入金額 8,626,710円
学納金6年間総額 37,740,000円
募集人数 一般選抜(系統別日程):65名
一般選抜(共通テスト利用型Ⅲ期):5名
学校推薦型選抜(A方式):40名※地域枠推薦(10人)と附属校推薦(最大7人)を含む。
偏差値 64.7
国試合格率 89%
主な就職先 福岡大学病院
男女比 62:38

2026年度 入試情報

前期
出願期間 2025/12/20(土)~2026/1/13(火)
1次試験日 2026/2/2(月)
1次合格発表日 2026/2/9(月)
2次試験日 2026/2/14(土)
合格発表日 2026/2/21(土)
1次試験会場 【本学】福岡大学
【東京】タイム24ビル
【名古屋】TKPガーデンシティPREMIUM名古屋新幹線口
【大阪】TKP新大阪カンファレンスセンター
2次試験会場 【本学】福岡大学

1次試験

教科 科目 配点
英語 英語コミュニケーション(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)、論理・表現(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) 100点/70分
数学 数学(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ),数学(A(図形の性質、場合の数と確率)・B(数列)・C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)) 100点/90分
理科(2科目選択) 物理(物理基礎・物理)
化学(化学基礎・化学)
生物(生物基礎・生物)
200点(100点×2)/120分
小論文 面接評価に活用 50分

2次試験

教科 選考 配点
面接 - 50点
※内容には変更等の可能性もございます。旧教育課程履修者等に対する経過措置の情報も併せて、必ず大学の「入学者選抜要項」「学生募集要項」やホームページなどで、ご確認をお願い致します。

福岡大学医学部入試 一般選抜募集状況

年度 募集人員 志願者数 受験者数 正規合格者数 繰上合格者数 総合格者数 倍率 補欠到達順位の目安
2025 60 2,593 2,468 119 51 170 14.5 20番台前半まで確認
2024 65 2,071 1,905 131 14 145 13.1 非公表
2023 65 2,127 1,920 135 16 151 12.7 非公表
2022 65 2,135 1,991 125 65 190 10.5 非公表
2021 65 2,340 2,107 125 54 179 11.8 補欠候補者全体が繰り上がったとの外部情報あり
2020 60 2,729 2,518 111 86 197 12.8 非公表
2019 70 2,916 2,543 127 80 207 12.3 73位まで確認
2018 70 2,873 2,608 125 19 144 18.1 非公表
2017 70 2,348 2,129 126 35 161 13.2 非公表
2016 70 2,243 2,014 126 48 174 11.6 非公表

福岡大学 医師国家試験 合格率

回数(実施年) 受験者数 合格者数 合格率
第119回(2025年) 112人 101人 90.2%
第118回(2024年) 126人 106人 84.1%
第117回(2023年) 118人 105人 89.0%
第116回(2022年) 101人 95人 94.1%
第115回(2021年) 118人 104人 88.1%
第114回(2020年) 138人 123人 89.1%
第113回(2019年) 139人 100人 71.9%
第112回(2018年) 112人 91人 81.3%
第111回(2017年) 108人 85人 78.7%
第110回(2016年) 120人 105人 87.5%

福岡大学 医学部入試 傾向と対策

 

解説動画

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福岡大学医学部の総合型・学校推薦型選抜や、面接・小論文を重視する医学部入試を見据えるならチェックしておきたい記事です。推薦入試の全体設計、志望理由、小論文、面接対策をマンツーマンでどう組み立てるかのイメージがつかみやすくなります。

アクセス

監修者紹介
岩崎陽一

株式会社アクト代表。PMD医学部専門予備校をはじめ、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・心理師・獣医師向けの各専門予備校を運営。長年にわたり、医学部受験、医療系学部受験、医療系国家試験対策に携わってきました。

PMD医学部専門予備校では、従来型の大教室授業ではなく、マンツーマン指導、生成AIの実践的活用、最新のITによる学習管理を組み合わせた指導体制を重視。受験生一人ひとりの状況に応じた学習設計と、答案作成まで見据えたアウトプット中心の支援を行っています。

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