自治医科大学医学部の受験情報│入試問題の傾向と対策

自治医科大学

 

自治医科大学概略

自治医科大学は、医療に恵まれないへき地や離島などの地域医療を確保し、住民の健康と福祉の増進を図るため、1972(昭和47)年に全国47都道府県が共同して栃木県下野市に設立した、極めて特殊な成り立ちを持つ私立医科大学です。

本学の最大の特徴は、入学金や授業料などの学費が実質的に全額免除となる独自の「修学資金貸与制度」です。卒業後、指定された期間(通常9年間)、出身都道府県の公立病院やへき地医療機関等で勤務することで、貸与された修学資金の返還が全額免除されます。これにより、経済的な理由で医学部進学を諦めざるを得ない優秀な人材に広く門戸を開いています。

また、医師としての知識や技術だけでなく、地域住民の生活や心に寄り添う人間性が求められるため、開学以来「全寮制」を敷いています。全国から集まった志を同じくする仲間と6年間寝食を共にすることで、強い連帯感や協調性、コミュニケーション能力を育みます。

どんな疾患にも幅広く対応できる「総合医(ジェネラリスト)」の育成に注力しており、卒業生は全国各地の地域医療の最前線でリーダーとして活躍し、地域社会から絶大な信頼を得ています。

自治医科大学医学部の特徴

1.学費が実質不要となる「修学資金貸与制度」

入学金、授業料、実習費など、6年間の学費に相当する額が修学資金として貸与されます。卒業後、出身都道府県の知事が指定する公立病院やへき地の診療所などで一定期間(9年間)勤務すれば返還が全額免除されるため、実質無償で医師免許の取得を目指すことができます。

2.強い絆と協調性を育む「6年間の全寮制」

学生全員がキャンパス内の学生寮で6年間を過ごします。出身県ごとに構成される生活班などでの共同生活を通じて、将来の地域医療において不可欠となるチーム医療の基盤、協調性、そして生涯にわたる全国的な医師ネットワークを築き上げます。

3.プライマリ・ケアに強い「総合医」の育成

へき地や離島では、専門科目に偏らずあらゆる疾患に初期対応できる能力が求められます。そのため、特定の臓器だけでなく人間を総合的に診る「プライマリ・ケア」や「総合診療能力」の教育に特化しており、臨床実習でも地域医療の最前線を深く経験します。

4.全国トップレベルの医師国家試験合格率

地域医療を担うという明確な目的意識を持つ学生が集まっていること、そして全寮制による学生同士の教え合いや教員の手厚いサポート体制により、医師国家試験の合格率は毎年、全国の医学部の中でもトップクラス(しばしば全国1位)を誇ります。

教育理念と3つのポリシー

自治医科大学では、「医療に恵まれない地域住民の医療と福祉に貢献する医師の養成」という設立目的を果たすため、以下の3つのポリシーを定めています。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

出身都道府県の地域医療に貢献するという強固な意志と高い倫理観を持つ人物を求めています。医学を修めるための優れた基礎学力はもちろん、全寮制での共同生活に適応し、他者と協働できる豊かな人間性、協調性、コミュニケーション能力を最も重視して選抜します。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

地域医療の現場で必要とされる広範な知識と総合的な診療能力(プライマリ・ケア)を習得するためのカリキュラムを編成しています。早期からの地域医療見学や、全寮制での人間形成を基盤とし、高学年では全国各地のへき地医療機関での実習を組み込み、即戦力となる臨床能力を養います。

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

医師としての確かな医学的知識・技能に加え、いかなる環境下でも安全で質の高いプライマリ・ケアを実践できる能力を備えていることが求められます。地域社会に対する強い責任感とリーダーシップを持ち、医学の進歩に合わせて生涯にわたり自律的に学び続ける姿勢を身につけた者に学位を授与します。

 

自治医科大学ホームページ紹介

自治医科大学

自治医科大学_医学部

自治医科大学_医学部入試情報

アドミッション・ポリシー

 

基本情報

住所 栃木県下野市薬師寺3311-1
初年度納入金額 5,000,000円
学納金6年間総額 23,000,000円
募集人数 100名
偏差値 70.1
主な就職先 自治医科大学付属病院、自治医科大学付属さいたま医療センター
男女比 61:39

入試情報

前期
出願期間 2026/1/5(月)~2026/1/21(水)
1次試験日 【学力試験】2026/1/26(月)
【面接試験】2026/1/27(火)
1次合格発表日 2026/1/30(金)13:00
2次試験日 2026/2/4(水)
合格発表日 2026/2/13(金)17:00
1次試験会場 出願地となる都道府県が指定する場所
2次試験会場 自治医科大学

1次試験

教科 科目 選択 配点 時間
数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数学A・B(数列)・C(ベクトル、平面上の曲線と複素平面) 必須 25点 80分
理科 『物理基礎・物理』『化学基礎・化学』『生物基礎・生物』 2科目選択 50点 80分
外国語 英語コミュニケーション(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)、論理・表現(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) 必須 25点 60分
面接 - 必須 - -

2次試験

教科 科目 選択 配点 時間
数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数学A・B(数列)・C(ベクトル、平面上の曲線と複素平面) 必須 12.5点 30分
外国語 英語コミュニケーション(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)、論理・表現(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) 必須 12.5点 30分
集団面接 - 必須 - 約20分
個人面接 - 必須 - 約10~15分
※内容には変更等の可能性もございます。必ず大学の「入学者選抜要項」「学生募集要項」やホームページなどで、ご確認をお願い致します。

自治医科大学 医師国家試験 合格率

回数(実施年) 受験者数 合格者数 合格率
第120回(2026年) 116人 116人 100.0%
第119回(2025年) 135人 134人 99.3%
第118回(2024年) 122人 122人 100.0%
第117回(2023年) 122人 121人 99.2%
第116回(2022年) 125人 125人 100.0%
第115回(2021年) 115人 115人 100.0%
第114回(2020年) 120人 120人 100.0%
第113回(2019年) 125人 124人 99.2%
第112回(2018年) 128人 127人 99.2%
第111回(2017年) 101人 101人 100.0%

 

自治医科大学 医学部入試 傾向と対策

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自治医科大学医学部の受験を検討している方は、都道府県ごとの選抜という特殊な入試制度や、似た特徴を持つ特殊な医学部との違い、へき地医療に対する面接・小論文対策まであわせて確認しておくと、志望校選びと受験戦略の精度が上がります。

自治医科大学と同様に、卒業後の進路(産業医)に関する条件を満たすことで学費が大幅に軽減される制度を持つ大学です。地域医療と産業医学という建学の精神や、求められる受験生像の違いを比較するのに役立ちます。

自治医科大学と同じく学費が実質無料で、卒業後の義務年限が設定されている大学校です。秋に一次試験が実施されるため、自治医科大学や難関国公立大学を第一志望とする受験生の併願校として必ず比較検討されます。

自治医科大学の入試では、へき地・地域医療への強い覚悟を問う非常に厳しい面接が課されます。都道府県が求める医師像への深い理解や、自分の言葉で志望理由を伝える技術など、二次試験を突破するための実践的な対策を確認できます。

自治医科大学は一次試験がマーク方式、二次試験で記述式と面接・小論文が課されるという独特の形式です。特に重要視される小論文の書き方や、地域枠入試特有の対策をマンツーマンでどう組み立てるかの指針が得られます。

アクセス

監修者紹介
岩崎陽一

株式会社アクト代表。PMD医学部専門予備校をはじめ、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・心理師・獣医師向けの各専門予備校を運営。長年にわたり、医学部受験、医療系学部受験、医療系国家試験対策に携わってきました。

PMD医学部専門予備校では、従来型の大教室授業ではなく、マンツーマン指導、生成AIの実践的活用、最新のITによる学習管理を組み合わせた指導体制を重視。受験生一人ひとりの状況に応じた学習設計と、答案作成まで見据えたアウトプット中心の支援を行っています。

医学部受験においては、単に知識を教えるだけでなく、「わかる」から「解ける」へと変える指導こそが重要であるという立場から、受験情報、学習法、小論文・面接対策、推薦入試、通信制高校からの進学、海外医学部進学など幅広いテーマで発信を続けています。