熊本大学医学部の受験情報│入試問題の傾向と対策

熊本大学医学部概略
熊本大学医学部は、1756(宝暦6)年に細川藩によって設立された「再春館」を起源とし、近代医学の父・北里柴三郎博士をはじめとする数多くの先駆者を輩出してきた、日本屈指の伝統を誇る医学部です。「創造する医学・医療」を基本理念とし、高い倫理観と国際的な視野を備えた医師・医学者の養成に邁進しています。
熊本市中央区の本荘・九品寺キャンパスには、特定機能病院である「熊本大学病院」が位置しています。同院は九州における高度医療の要として、最新の低侵襲手術やがんゲノム医療、高度救急医療を展開しており、学生は歴史ある落ち着いた環境の中で、最先端の臨床教育を受けることができます。
本学は研究能力が非常に高いことで知られ、特に「ヒトレトロウイルス学共同研究センター(旧エイズ学研究センター)」や「発生医学研究所」は世界的な研究拠点として認められています。臨床医を志す学生だけでなく、未知の疾患に挑む研究者を志す学生にとっても、知的好奇心を刺激する卓越した環境が整っています。
伝統的な「医の倫理」を継承しつつ、多様な価値観が交錯する現代において、患者一人ひとりに寄り添い、最良の解決策を自ら導き出せる「科学的根拠に基づいた温かな医療」の実践者を育て続けています。
熊本大学医学部の特徴
世界トップレベルの研究施設を擁し、ウイルス学や免疫学、発生医学の分野で国際的に高いプレゼンスを誇ります。学生時代から第一線の研究室に触れる機会が多く、科学的エビデンスを重視した思考力が自然と養われる環境にあります。
260年を超える歴史の中で培われた「病を診るだけでなく人を診る」精神が、教育の至る所に息づいています。低学年からの患者接触学習や徹底した医学倫理教育を通じて、高度な技術に裏打ちされた深い人間愛を育みます。
熊本大学病院での特定機能実習に加え、熊本県内の基幹病院や離島・へき地での地域医療実習が充実しています。さらに海外の提携校との交換留学プログラムも活発で、地域ニーズとグローバルニーズの両方に応えられる実践力を磨きます。
学生の主体性を引き出すテュートリアル教育(PBL)を積極的に導入。教員と学生の距離が近く、学修面から生活面、国家試験対策に至るまで、学生一人ひとりの成長をきめ細やかに支援する伝統的な面倒見の良さがあります。
教育理念と3つのポリシー
熊本大学医学部では、伝統ある歴史を基盤に、未知の医療課題に挑戦するリーダーを育成するため、以下の3つのポリシーを定めています。
医学を学ぶための高い基礎学力を備え、本学の伝統と理念を理解し、自己研鑽に励む強い意志を持つ人物を求めています。生命の尊厳を理解する豊かな感性、科学的な真理を追究する熱意、そして多様な人々と協働できる高いコミュニケーション能力を重視します。
教養から専門までを有機的に統合し、学生が能動的に学ぶチュートリアル教育を核としたプログラムを展開しています。早期臨床体験に加え、高度な研究環境を活かしたリサーチマインドの養成、そして大学病院および連携病院での質の高い診療参加型臨床実習により、国際水準の診療技能と問題解決能力を体系的に育成します。
医師として必要な専門知識・技能・態度を確実に修得し、患者中心の安全で誠実な医療を提供できる能力を備えていることが求められます。高いプロフェッショナリズムと科学的思考力を持ち、チーム医療をリードし、生涯にわたり自律的に医学・医療の発展に寄与する姿勢を身につけた者に学位を授与します。
熊本大学ホームページ紹介
・熊本大学
基本情報
| 住所 | 熊本県熊本市中央区本荘1丁目1の1 |
|---|---|
| 初年度納入金額 | 約817,800 |
| 学納金6年間総額 | 約3,500,000 |
| 募集人数 | 109名 一般選抜(前期):86名 学校推薦型選抜Ⅱ:23名(一般枠5名、地域枠8名、みらい医療枠10名) |
| 偏差値 | 69 |
| 男女比 | 69:31 |
入試情報
| 出願期間 | 2026/1/26(月)~2026/2/4(水) |
|---|---|
| 試験日 | 2026/2/25(水)・26(木) |
| 合格発表日 | 2026/3/9(月) |
共通テスト
| 教科 | 科目 | 選択 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 『国語』 | 必須 | 100点 |
| 数学 | 『数学Ⅰ・A』 『数学Ⅱ・B・C』 |
必須 必須 |
100点 |
| 外国語 | 『英語』『ドイツ語』『フランス語』『中国語』『韓国語』 | 5科目から1科目選択 | 100点 |
| 理科 | 『物理』『化学』『生物』 | 3科目から2科目選択 | 100点 |
| 地歴・公民 | 『歴史総合,世界史探究』『歴史総合,日本史探究』『地理総合,地理探究』『公共,倫理』『公共,政治・経済』 | 5科目から1科目選択 | 50点 |
| 情報 | 『情報Ⅰ』 | 必須 | 50点 |
個別テスト
| 教科 | 科目 | 選択 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 数学 | 数学(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)、数学(A・B(数列)・C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)) | 必須 | 200点 |
| 外国語 | 英語コミュニケーション(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)、論理・表現(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) | 必須 | 200点 |
| 理科 | 『物理基礎・物理』『化学基礎・化学』『生物基礎・生物』 | 2科目選択 | 200点 |
| 面接 | 必須 | 200点 |
医師国家試験 合格率
| 回数(実施年) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第120回(2026年) | 136人 | 121人 | 89.0% |
| 第119回(2025年) | 129人 | 119人 | 92.2% |
| 第118回(2024年) | 119人 | 111人 | 93.3% |
| 第117回(2023年) | 125人 | 111人 | 88.8% |
| 第116回(2022年) | 112人 | 103人 | 92.0% |
| 第115回(2021年) | 135人 | 125人 | 92.6% |
| 第114回(2020年) | 119人 | 98人 | 82.4% |
| 第113回(2019年) | 137人 | 118人 | 86.1% |
| 第112回(2018年) | 125人 | 112人 | 89.6% |
| 第111回(2017年) | 133人 | 116人 | 87.2% |
熊本大学 医学部入試 傾向と対策
2023年度入試
| 科目 | 英語 | 解答時間 | 120分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 長文読解 | 消失の危機に瀕するデジタル文化を保存していく重要性 | 選択・記述 | 標準 |
| 2 | 長文読解 | はしかが定期的に流行する理由の解明 | 記述・選択 | 標準 |
| 3 | 長文読解 | 移住しない英国の気候難民 | 記述・選択 | やや易 |
| 4 | 英作文 | テーマ英作文 「社会を改善するためのVRの具体的な使用方法」という近年注目されているテーマに関する問題。問題中にある程度のVRに関する説明はなされているが、自分なりの背景知識や発想力があれば解きやすくなるだろう。 |
記述 | 標準 |
| 5 | 英作文 | グラフの読み取り 2つのグラフが提示され、違いを説明しそれらの違いが存在する原因は何かの2点を記述する問題。語数ではなく文数が指定されるという新しい出題形式だった。 |
記述 | 標準 |
| 2023年度も例年通りの大問5題構成が維持され、解答形式は記号と記述を含むものであった。全体として、極端に難解で手が付けられないような問題こそ見られないものの、読解力・表現力の両面において高い水準が求められる内容となっている。 大問1-3の長文読解問題に関しては英文量が合計で1750語から1510語に減少しているが、分量が減ったことで単純に易化したとは言い難く、むしろ限られた文章の中から必要な情報を的確に抽出する力が一層重要となっている。特に記述問題においては、設問の意図を踏まえたうえで、本文中のどの箇所を根拠として用いるべきかを慎重に判断する必要がある。 |
2021年度入試
| 科目 | 英語 | 解答時間 | 90分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 長文読解 | 退屈が生み出す創造性 | 選択・記述 | 標準 |
| 2 | 長文読解 | アメリカにおける自動運転車の開発 | 記述・選択 | 標準 |
| 3 | 文法語彙 | 文法・語彙問題(四択) | 選択 | 標準 |
| 4 | 英作文 | 会話文中の和文英訳 | 記述 | 標準 |
| 5 | 英作文 | 意見論述 | 記述 | 標準 |
| 2021年度も例年通りの大問5題構成が維持され、出題内容も長文読解2題、文法語彙問題1題、英作文2題と変わりないものであった。全体として難解な問題は少なく、選択問題は確実に得点したい。記述問題の部分点で差がつきやすいため、減点を1点でも減らせるような解答作成が必要。 |
2023年度入試
| 科目 | 数学 | 解答時間 | 150分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 複素数平面 | 複素数平面における三角形 | 記述 | 標準 |
| 2 | 極限 | 数列の収束・発散の証明 | 記述 | やや難 |
| 3 | ベクトル | 平行でない2つのベクトルに関する内積などの考察 | 記述 | やや難 |
| 4 | 微分法 | 加法定理の成り立つ関数についての考察 | 記述 | 難 |
| 5 | 微分法・積分法 | 媒介変数表示の曲線と直線とで囲まれる図形の面積 | 記述 | 標準 |
傾向と対策
| 2023年度も例年通りの大問5題構成が維持され 、解答形式も全問記述問題であった 。ただし、2021年度から難化傾向であり2023年度は手が付けられないような極端な難問が出題されているわけではないが、非常にレベルの高い問題が出題された。容易な問題と難しい問題の差が激しいため、どの問題にどれだけの時間をかけるかの見極めが重要である。特に第4問に関しては昨今の共通テストを意識したような長文の問題となっており、問題文中の情報の取捨選択が大切である。小問による誘導が九州大学では頻繁になされているため、この誘導に乗れるかどうかが問題の難易度を決めるため問題同士のつながりを考えながら解答作成に臨もう。 |
2022年度入試
| 科目 | 数学 | 解答時間 | 120分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 小問集合 | 解と係数の関係、三角形、三角関数 | 記述 | 易 |
| 2 | 微分法 | 対数計算、3次関数の極大値 | 記述 | 易 |
| 3-1(選択問題) | 数列 | 漸化式 3-1、3-2、3-3から一題選択 |
記述 | 標準 |
| 3-2(選択問題) | 形の性質 | 三角形の内心の位置ベクトル 3-1、3-2、3-3から一題選択 |
記述 | 標準 |
| 3-1(選択問題) | 確率 | 確率変数の積の期待値 3-1、3-2、3-3から一題選択 |
記述 | 標準 |
| 4 | 微分・積分法 | 関数方程式、グラフ、面積、関数の極限 | 記述 | 標準 |
| 5 | 複素数平面 | 複素数平面における円の方程式 | 記述 | やや難 |
傾向と対策
| 2021年度も例年通り大問5題構成が維持され、解答形式はすべて記述問題であった。大問1が最も解きやすく、大問5が最も難しいという、後半に向かうほど難度が上がる構成である。多くの受験生は大問1から解いていくと思うが、時間配分を誤ると焦りが生じやすい。そのため、比較的易しい問題を確実に得点できるよう、落ち着いて解き進めることが重要である。 |
2023年度入試
| 科目 | 物理 | 解答時間 | 150分(2科目) |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★★☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 力学 | サイクロイド曲線、単振動 問題中の図だけを見ると戸惑うかもしれないが、問題文に沿って解いていけば比較的得点しやすい問題。落ち着いて対処したい。 |
短答 | 標準 |
| 2 | 電磁気 | コンデンサー・コイル・抵抗の交流回路 | 短答・描図・記述 | 標準 |
| 3 | 熱力学 | 気体分子運動論、音波 問題後半は波動分野と絡めた内容が出題された。誘導を正しく理解する力が問われる問題。 |
短答 | やや難 |
傾向と対策
| 2023年度も例年通りの大問3題構成が維持されたが、例年と比べて計算量が増加した。近年出題が増えていた共通テストを強く意識しているであろう、実験レポートに関する問題や会話文形式の問題は出題されなかった。 |
2021年度入試
| 科目 | 物理 | 解答時間 | 150分(2科目) |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 力学 | なめらかな床にある台上を運動する小物体 | 短答・記述 | 標準 |
| 2 | 熱力学 | 理想気体の定圧変化、等温変化、断熱変化 | 短答・記述・選択 | 標準 |
| 3 | 波動 | 4つの透過部分があるヤングの実験 | 短答・記述 | 標準 |
| 4 | 電磁気 | コンデンサーを含む直流回路 | 短答・記述・図示 | 標準 |
傾向と対策
| 2021年度も例年通り大問4題構成が維持された。導出過程を含めて解答する問題も引き続き出題されているため、日頃の演習では、式のみを書いて解くだけでなく、その過程を文章で説明できるように練習しておくことが重要である。 |
2023年度入試
| 科目 | 化学 | 解答時間 | 150分(2科目) |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 理論化学 | ファンデルワールスの状態方程式、実在気体、蒸気圧 | 短答・記述 | 標準 |
| 2 | 理論化学 | 解離エネルギーと黒鉛の燃焼熱、グルコースの生成熱 | 短答 | やや易 |
| 3 | 無機化学 | 金属イオンの反応と錯イオン、酸化還元滴定 | 短答 | 標準 |
| 4 | 有機化学 | ベンゼンとシクロヘキセンの誘導体の反応と構造決定、フェノール樹脂 | 短答 | やや難 |
| 5 | 高分子化学 | 単糖類と二糖類の構造、多糖類の性質、ビニロンの合成 | 短答・記述 | 標準 |
傾向と対策
| 2023年度も例年通りの大問5題構成が維持された。しかしながら近年出題のなかった論述問題が出題され、解答方式の欄には「短答」とまとめたが、化学式や化学反応式を書かせたり、構造式などを図示させたりする問題が増加傾向にある。基本から発展まで幅広い学力を総合的に問う傾向が続いている。 |
2021年度入試
| 科目 | 化学 | 解答時間 | 150分(2科目) |
| 難易度 | ★★★☆☆ | スピード | ★★★☆☆ |
設問別分析表
| 大問 | 区分 | 内容 | 解答方式 | 難易度 |
| 1 | 理論化学 | 物質の化学結合と性質、酸化還元反応、物質の状態変化 | 短答・記述 | 標準 |
| 2 | 理論化学・無機化学 | 硫酸の反応と性質、希釈・濃度の変換 | 短答・記述 | 標準 |
| 3 | 理論化学 | アレニウスの式と活性化エネルギー/水の蒸気圧 | 短答・記述・選択 | 標準 |
| 4 | 有機化学・理論化学 | 脂肪酸の分類と性質・反応、油脂の反応とけん化価・抽出法 | 短答・記述・選択 | 標準 |
| 5 | 有機化学・理論化学 | ビニロンの合成と反応/糖類の性質と反応 | 短答・記述 | 標準 |
傾向と対策
| 2021年度も例年通りの大問5題構成が維持された。物理と同様、導出過程を含めて解答する問題も引き続き出題されているため、日頃の演習では、式のみを書いて解くだけでなく、その過程を文章で説明できるように練習しておくことが重要である。 化学反応式や構造式についても正確な記述が求められる。 |
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アクセス
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PMD医学部専門予備校では、従来型の大教室授業ではなく、マンツーマン指導、生成AIの実践的活用、最新のITによる学習管理を組み合わせた指導体制を重視。受験生一人ひとりの状況に応じた学習設計と、答案作成まで見据えたアウトプット中心の支援を行っています。
医学部受験においては、単に知識を教えるだけでなく、「わかる」から「解ける」へと変える指導こそが重要であるという立場から、受験情報、学習法、小論文・面接対策、推薦入試、通信制高校からの進学、海外医学部進学など幅広いテーマで発信を続けています。

