福岡大学医学部│物理の傾向と対策

福岡大学医学部の傾向と対策(物理)を、年度ごとに掲載しております。過去から遡って確認する事により、より良い傾向を掴み対策を立てることが可能です。

 

※難易度・スピードの☆印は5段階評価になります。

2020年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
選択問題が大問2つ 答えのみを記述する大問が1つ出題された。
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 波動:斜めに薄膜に入射する光の干渉の問題 状況の設定は典型的で、教科書や問題集によく載っている問題である。

(1)~(7)までは、斜めに入射した光と、それに平行に入射した光の干渉条件についてである。屈折率がnの媒質中では光の速度、波長が1/n倍になることや、スネルの法則といったことが問われている。入射した光は媒質中で反射し、位相がπ[rad]だけずれるため、平行に入射した光との強め合う条件は光路差が(mを0,1,2,…として)mλではなく(m+1/2)λとなることに注意する。(8)~(10)は、光が膜に対して垂直に入射する場合を考えて、光が同位相となる条件に実際に代入して、それを満たす波長の値を求めるという問題である。全体的に基本事項の確認であったり、単なる代入問題であったりするため、8割以上は正答したい大問であるといえる。

空欄補充(選択式)
2 電磁気:電流計、電圧計、分流器、倍率器に関する問題 (i)が電流計の問題、(ii)が分流器の問題、(iii)が電圧計の問題、(iV)が倍率器に関する問題である。電流計と電圧計はそれぞれ測定したい部分に直列、並列に接続することを問われている問題である。このことを知っていれば以降の設問も楽に解ける。分流器、倍率器に関しては、それぞれ電流計と電圧計にたいして並列と直列に接続するが、説明が丁寧なので知らなくても解けた受験生が多かったと思われる。

大問1と同様に、基本事項(ここではオームの法則など)が聞かれている問題が多いため、8割以上は正答したい大問であるといえる。

空欄補充(選択式)
3 力学:三角台と小物体の運動 (i)は三角台を床に固定した場合の少物体の運動を考える問題である。左右が逆になっているだけで、よくみる状況設定であるといえる。(1)と(2)は確実に正答したい問題である。

(ii)は三角台を固定せずに自由に動かせる場合の二物体の運動を考える問題である。(3)以降は台にのった座標系から考え、慣性力を考慮する方法が解きやすいと言える。(4)の立式さえできれば、以降は順に解いていくことが難しくないが、(4)の立式を間違えたり立式できなかったりした受験生が多かったのではないかと思われる。全体で5割以上は正答したい大問であるといえる。

記述 標準

傾向と対策

2020年の福岡大学医学部の物理の入試問題は、昨年、一昨年に比べると若干難化したといえる。特に問3の力学が、受験生にとっては慣性力を考慮した運動方程式を立式することが少し難易度が高いため、完答することが難しいといえる。

しかし、大問2のように、ある程度の基礎事項を覚えていれば、詳細を知らなくても完答できる可能性のある問題も出題されているため、本番ではそういった問題を見極めることも重要である。


2019年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
電磁気、力学は必出。残りは熱力学または波動から出題される。 波動・電磁気・力学
難易度 ☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 電磁気 RLC並列回路

コンデンサ、コイルのリアクタンスや、各素子に流れる電流の位相の進み、遅れなどがわかっていれば完答できる問題である。

空欄補充
(選択式)
2 波動 くさびがたの干渉問題 全反射

前半は屈折の法則や全反射に関する問題である。

後半は経路差を求めて、明線の条件などを求める問題である。完答は難しい。

空欄補充
(選択式)
標準
3 力学 電車の中で慣性力を受ける小球の問題 力学的エネルギー保存

(5)~(7)でかかる時間や速さや距離を求める際、どの加速度を用いて立式すればよいかの判断が少し難しい。

記述 標準

傾向と対策

例年大問は3つ出題され、力学、電磁気は必出。本年は熱力学ではなく波動が出題された。選択式の問題は、うまく誘導にのっていけるかが、完答できるかのポイントになっている。基礎事項の習得により、どんな問題でも対応できるようにしたい。

2018年度入試

科目 物理 解答時間 60分(2科目120分)
電磁気、力学は必出。残りは熱力学または波動から出題される。 力学 電磁気
難易度 ☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 単振動の問題
ⅰ基本事項の確認
ⅱエレベーター内で加速度が加わった時の単振動を考える。
運動方程式をたて、単振動の加速度の式「a=-w2x」を用いる。
空欄補充
(選択式)
ⅰ易
ⅱ標準
2 熱力学 気体分子の状態変化と熱効率。

気体の状態方程式、熱力学第一法則を用いる。(12)は二原子分子理想気体のモル比熱を使う。

空欄補充
(選択式)
標準
3 電磁気 電場と電位
2つの点電荷がつくる電場を理解する。電位はスカラー量、電場はベクトル量であることに注意する。
記述(図示) 標準

傾向と対策

例年大問は3つ出題され、力学、電磁気は必出。電磁気が記述式となることが多い。また、過去3年は熱力学が出題されている。大問1,2は選択式で、過去問演習によって選択式に慣れておく必要がある。難易度は教科書レベルだがややスピードが必要かもしれない。

2017年度入試

科目 物理 解答時間 60分(2科目120分)
力学、電磁気からの出題が多く、難易度はやや易しい。 力学 電磁気
難易度 ☆☆ スピード ☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 (ⅰ)重力中の単振動、力がつり合う位置が単振動の中心となる、周期は運動方程式から導出 (ⅱ)慣性力がかかった状態での単振動、運動方程式を立てて(ⅰ)と同様に解いていく 空欄補充 やや易
2 熱力学 気体の状態変化の問題、A→B とC→D は定圧変化、B→C とD→A は定積変化である。それぞれの変化において熱力学第1法則を用いて、熱量、仕事、内部エネルギー変化を求める。熱効率の計算では放熱量を式に入れないように注意する。 空欄補充 やや易
3 電磁気 (1)電場の強さを求める(2)(1)の電場の向きを答える(3)電位を求める(4)電位のグラフを作成(5)電位を求める(6)仕事を求める、小球のエネルギー変化を利用(7)静電気力による位置エネルギーの導出(8)小球の速さを求める、力学的エネルギー保存の利用 記述

傾向と対策

問題のレベルはやや易~標準がほとんどで、誘導もしっかりとしている。教科書レベルの問題集の演習積むことで十分解くことができるようになるだろう。誘導型の問題に慣れるために過去問を数年分解いておくと良い。どの範囲からも出題されているので、まんべんなく学習を行うことが大切である。

2016年度入試

科目 解答時間
難易度 ☆☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度

傾向と対策


2015年度入試

科目 物理 解答時間 120分(2科目)
難易度 ☆☆☆ スピード

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 非等速円運動・衝突現象 選択式 標準
2 熱力学 定圧プロセス(理想気体) 選択式
3 電磁気学 分流器 選択式

傾向と対策

基礎的な問題。力学・電磁気は頻出で難易度も上がる


2014年度入試

傾向と対策

基礎的な問題。力学・電磁気は頻出で難易度も上がる

力学と電磁気の問題を好んで出題する。ほかに熱力学の問題も出題される。いずれも基礎的な問題ではあるが、力学と電磁気はやや難しいため、こちらもしっかりとした演習が必要となる。