昭和大学医学部│化学の傾向と対策

昭和大学医学部の傾向と対策(化学)を、年度ごとに掲載しております。過去から遡って確認する事により、より良い傾向を掴み対策を立てることが可能です。

 

 

※難易度・スピードの☆印は5段階評価になります。

2020年度入試

科目 化学 解答時間 2科目140分
問題を見分ける力と本質的な化学の理解ができていると有利。 理論、有機
難易度 ☆☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 有機・理論 糖類の誘導体とアミノ酸の問題 計算 やや難
2 有機 アミンの反応の問題 やや難
3 理論 U字管の浸透圧の問題 計算 標準
4 理論、小問集合 結晶密度の問題。中和滴定の問題。混合気体の燃焼の問題。緩衝液の問題。二酸化炭素の定量問題。気体の圧力の問題。溶解度の問題。昇華熱の問題。中和熱の問題。化学平衡の問題。 計算 やや易

傾向と対策

例年大問は5,6題であったかが、2018年から3年連続で大問は4題であった。

問題形式は記述式が一般で、一部選択式で、空所補充と計算問題が多い。化学反応式を書かせる問題や年によっては論述問題も出る。

例年理論と有機の出題傾向が強い。理論は計算問題が中心、無機は理論との融合問題として出る。有機は糖、アミノ酸といった化学生物に関する問題が出やすい。

多くの問題は基礎から標準の問題が出るが、一部教科書レベルを超える知識が問われることもある。2020年度であれば糖の誘導体の問題がそれにあたる。分量の割に計算が面倒なものが出ることもあるので、問題を見たうえで時間配分を決めるような臨機応変さが欲しい。

理論の計算問題が中心となっており、難しい問題が解けるのではなく、基本から標準的な問題を正確に早く解くことを要求している。小問集合で出題範囲が広がっているため、苦手なところをとにかく潰してから試験に臨むこと。特に電離平衡は近年良く出題され確実に解けるように。知識問題は教科書を超える場合がある。生物選択生であれば化学に連なりそうなところを確認しておくとよい。特に天然高分子の知識は他の大学より一段上を要求される。昭和大学を志望校の主軸にする際は知識のインプットが分野によってはかなり深めにしておくと高得点がとりやすい。全ての分野ではなく、絞って深くすることが重要となる。

有機は理論に次いで出題頻度が高い。出題範囲が広いが特に物質の合成や誘導体についてはまとめて書けるようにはしたい。

無機は理論と関連して出題されるが、主に性質の似た話つまり周期表の理解を意識していると容易に解けるため、周期表を意識した学習を心掛けたい。2020年度は出題無し。7割を取れるか。化学を本質的に理解しているとかなり有利。


2019年度入試

科目 化学 解答時間 2科目140分
問題を見分ける力と本質的な化学の理解ができていると有利。 理論、有機
難易度 ☆☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 有機・理論 生態膜と脂肪酸の問題。昨年同様生化学の問題で、昨年の過去問を勉強できていただろうか。文章はよく読めば問題が解ける反面、関係ないところが多い。 計算 標準
2 理論 炭酸塩・リン酸塩の緩衝溶液の問題。1と同様に要らない情報が多い。この生化学は医学では必須の理解ではある。わかっている人にきちんと教わりたい。差が出やすい分野ではあるが、差をつけやすい分野ともいえる。 計算 やや難
3 理論 計算小問集合。溶解度の問題。中和滴定の問題。完全燃焼の問題。緩衝液の問題。電気分解の問題。気体の状態方程式の問題。凝固点降下の問題。反応熱の問題。桁数の指定には気を配ること。 計算 標準
4 理論 金属の結晶格子の問題。易しく落とすことはできない。 計算

傾向と対策

例年大問は5,6題であったかが、昨年に引き続き大問は4題であった。

問題形式は記述式が一般で、一部選択式で、空所補充と計算問題が多い。化学反応式を書かせる問題や年によっては論述問題も出る。

例年理論と有機の出題傾向が強い。理論は計算問題が中心、無機は理論との融合問題として出る。有機は糖、アミノ酸といった化学生物に関する問題が出やすい。

多くの問題は基礎から標準の問題が出るが、一部教科書レベルを超える知識が問われることもある。分量の割に計算が面倒なものが出ることもあるので、問題を見たうえで時間配分を決めるような臨機応変さが欲しい。

理論の計算問題が中心となっており、難しい問題が解けるのではなく、基本から標準的な問題を正確に早く解くことを要求している。小問集合で出題範囲が広がっているため、苦手なところをとにかく潰してから試験に臨むこと。特に電離平衡は近年良く出題され確実に解けるように。知識問題は教科書を超える場合がある。生物選択生であれば化学に連なりそうなところを確認しておくとよい。

有機は理論に次いで出題頻度が高い。出題範囲が広いが特に物質の合成や誘導体についてはまとめて書けるようにはしたい。

無機は理論と関連して出題されるが、主に性質の似た話つまり周期表の理解を意識していると容易に解けるため、周期表を意識した学習を心掛けたい。7割を取れるか。化学を本質的に理解しているとかなり有利。


2018年度入試

科目 化学 解答時間 2科目140分
難易度は標準レベル。計算問題よりも知識問題の難易度が高い。 理論 高分子
難易度 ☆☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 論理 理論の出題の割合が大きい。電池と電気分解、滴定、化学平衡、熱化学方程式などが出題。特に電気分解は頻出。CODなどの問題例がない、やや細かい知識問題が出題されている。 記述 やや難
2 無機 年度によっては出題されない年度がある。物質の性質や元素ごとの各論、工業的製法が出題。教科書レベルの知識問題が主となる。 記述 標準
3 有機 標準的なレベルの構造決定問題や糖、アミノ酸、タンパク質の生命科学分野が頻出。主要なアミノ酸の構造を理解していないと解けない問題など、高分子の内容まで幅広い学習が求められる。 記述 やや難

傾向と対策

難易度は標準レベルであるが、理論や有機で教科書の内容を超える知識問題が出題されることがある。特に天然高分子などの生物化学範囲は深い知識が求められる。教科書や資料集などのコラムなどに目を通しておくとよいかもしれない。物理選択者は特に生命科学に関する対策が必要である。

2017年度入試

科目 化学 解答時間 2科目で140分
理論・計算・有機を中心に出題。標準レベルの問題が多い。 理論 有機
難易度 ☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 無機 汚染指標であるCOD(化学的酸素要求量)の計算。設問の誘導に従っていけば、決して難しい問題ではない。ただ、有効数字を考えた数値計算が続くので、計算力が要求される。 結果のみ やや易
2 有機 脂肪族エステルの構造決定。反応系統図を十分に理解していれば易しい問題だが、十分な演習量をこなし慣れていなければ時間がかかる。酸化・脱水・異性体についての基礎的な知識が必要。 選択・記述 やや易
3 有機 体内での尿の生成経路に関連する問題。アミノ酸の性質についての理解と関連知識があれば解くことはできるが、テーマが教科書の範囲を超える知識で、戸惑うかもしれない。尿素やアミノ酸の構造式を理解しておく必要がある。 記述
4 理論 電池と電気分解。教科書レベルの問題で、特に難しい点はない。数値計算に慣れておき、短時間でこなすことが必要。 記述
5 理論 コロイドの性質に関する記述、および選択問題。問題自体は易しい。コロイド粒子(分散質)と分散させている物質(分散媒)の組み合わせ問題では、具体的なコロイドの例が問われる。理論を実際の日常生活に当てはめて考える思考を、日頃から訓練しておく必要がある。 記述・選択 やや易

傾向と対策

全体として、教科書の基本レベルを含む標準的な問題が出題される傾向にある。ただし、高校化学の教科書の範囲を超える応用分野から、出題の材料が選ばれることもあり、普段からさまざまな情報を収集するよう意識するとよい。計算問題も多く、標準レベルの計算問題を短時間で解答できるよう習熟しておく必要がある。

2016年度入試

科目 化学 解答時間 140分(2科目)
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 理論 【塩化銅(Ⅱ)の電気分解・酸化還元滴定】

過マンガン酸カリウムの酸化還元の半反応式は問題中に示してあり、酸化還元滴定の計算も基本的。

記述
計算
空欄補充
2 理論 【炭化水素の燃焼熱と生成熱・分解熱】

基礎的な反応熱の問題。特に問題なく全問正解しなければならない。

記述
計算
空欄補充
3 有機 【ペプチドの配列・アミノ酸の性質】

検出反応毎に検出されるアミノ酸(ペプチド)の特徴を正確に覚えておこう。また、この問題では5種類のアミノ酸の構造式も知っておく必要がある。

記述
計算
空欄補充
標準
4 理論 コックを開いたあとの気体の分圧は物質量に比例している。この問題では、化学反応式の係数をそのまま分圧の比として計算することで、物質量を求めることなくそれぞれの気体の分圧を求めることができる。物質量を求めようとすると、計算量と時間の大きなロスになるだろう。 記述
計算
空欄補充
標準
5 理論 【体心立法格子・面心立方格子・六方最密構造】

Na,Mg,Al,K,Fe,Co,Cu,Zn,Ag,Auを単位格子で分類する問題は、あまり出題されないコバルトもあり、すべてを覚えている受験生はあまりいないのではないだろうか。それぞれの格子に含まれる原子数や配位数について暗記しておこう。

記述
計算
空欄補充
やや難

傾向と対策

試験時間(2科目140分)が長く、問題数も多い。理論の計算が中心の問題。

大問毎に、難易の差が大きいが、全体的には、比較的解くのが容易な計算問題の出題数が多い。標準的な問題を何度もやり込んでいる受験生は、ある程度の高得点が取れるのではないだろうか。しかし、難易度の高い問題は、あまり出題頻度が高くない知識が必要であるので、さらに高得点を目指すには、知識問題対策に多くの時間をかけなければならない。


2015年度入試

傾向と対策

生命科学に関する知識を整理しておく

理論分野は出題頻度が高く、難易度も高いものが多い。化学反応式は全範囲について書けるようになっておく必要があるが、覚えるというよりも、半反応式などにおいて、何から何ができるかのみを覚え、そこからどう完成させるか考えることが重要である。
有機分野も出題頻度は高く、構造決定の問題がよく出されるため、入試問題集を使ってやや難しい問題で演習を行っておきたい。
生命科学の知識が問われるためしっかりと対策しておく。


2014年度入試

傾向と対策

生命科学に関する知識を整理しておく

理論分野は出題頻度が高く、難易度も高いものが多い。化学反応式は全範囲について書けるようになっておく必要があるが、覚えるというよりも、半反応式などにおいて、何から何ができるかのみを覚え、そこからどう完成させるか考えることが重要である。
有機分野も出題頻度は高く、構造決定の問題がよく出されるため、入試問題集を使ってやや難しい問題で演習を行っておきたい。
生命科学の知識が問われるためしっかりと対策しておく。