第5回 ハンガリー医学部に合格して振り返ること
第5回
ハンガリー医学部に合格して振り返ること
受験を通して感じたことと、これから受ける人へのメッセージ
第4回で書いた通り、本番の面接、特に英語面接にはかなり手応えの悪さが残っていました。
そのため、試験が終わってから合格通知が届くまでの1週間は、正直かなり苦しかったです。
筆記試験は通過していたものの、面接には自信がありませんでした。
「もっとこう答えればよかった」「あの質問にはこう返すべきだった」と、終わったあとのやり取りを何度も思い返していました。
応援してくれていた親にも、不安の残る試験だったことをそのまま伝えたのを覚えています。
だからこそ、1週間後に合格通知が届いたときは、ようやく一つの区切りを迎えたと感じました。
予備コースでの合格ではありましたが、国立4大学すべてから合格を頂けたことで、これまで積み上げてきたものが間違っていなかったと確認できた瞬間でもありました。
家族や友人、そして会社の方々にも報告し、ここまで支えてもらったことへの感謝を改めて強く感じました。
ただ、そのときに一番思ったのは、「ここがゴールではない」ということでした。
むしろ、本当の意味でのスタートはここからです。
受験を乗り越えた安心感はありましたが、それ以上に、ここから先の勉強に向けて気を引き締めなければならないとも感じていました。
受験を振り返って、やっておいてよかったと強く思うことは大きく二つあります。
一つは、
予備校でのオンライン授業です。
もし理科を独学だけで進めていたら、理解が浅いまま暗記中心の勉強になっていたと思います。
実際の試験では、単純に知識を書けるかというより、その知識を使って考えられるかが問われていました。
その意味で、分からないところをその場で確認しながら進められるマンツーマンの環境は、自分に合っていたと思います。
もう一つは、英語試験免除を目指してIELTSを受けたことです。
もし受験当日に英語の筆記2時間が加わっていたら、かなり厳しかったはずです。
理科試験だけでも集中力を使う中で、さらに長時間の英語試験を受けるのは大きな負担になります。
だからこそ、出願時点で条件を満たし、英語筆記を免除できたことは非常に大きかったと感じています。
特に、ハンガリー医学部受験は情報が少ない分、試験当日に少しでも負担を減らせる要素は大きな意味を持ちます。
自分の経験から言えば、英語力に不安がある人ほど、早い段階から英語試験免除を意識して動いておく価値は高いと思います。
一方で、反省していることもあります。
英語については、基礎から積み上げること自体は必要でしたが、かなり時間をかけすぎたとも感じています。
小学英語からやり直し、TOEICで土台を作ってからIELTSへ進んだ流れは、自分にとっては現実的でした。また、留学費用を貯めるためにもベストな計画でした。
ただ、もしもう少し英語に慣れている受験生であれば、最初からIELTSやTOEFLに挑戦して、必要スコアを早めに取りに行く方が効率的かもしれません。
また、理科では無機化学に時間を使いすぎたことも反省点です。
もちろん無機化学も無駄ではありませんが、本試験全体を考えると、有機化学や人体に関する内容にもっと重点を置くべきでした。
過去問がない中で勉強範囲の優先順位を見極めるのは難しかったですが、もう少し取捨選択できていれば、勉強の精度は上がっていたと思います。
もっと早く知っておきたかったこともあります。
それは、そもそも海外医学部という選択肢があることです。
これは本当に強く思います。
もし高校生の頃にこの道を知っていたら、就職せずにそのまま受験していた可能性が高いです。
それくらい、自分にとっては魅力的な進路でした。
もちろん、ハンガリー医学部は、入れば終わりではありません。
進級も卒業も決して簡単ではなく、その先の道のりには相応の努力が必要です。
ただ、それでも「挑戦できる間口」があることは大きいと思います。
国内医学部だけを見ていると見えない可能性が、実際には存在していました。
最後に、これから受ける方へ伝えたいことがあります。
浪人生や社会人受験の方には、私はこの選択肢を強くすすめたいです。
理由はシンプルで、試す価値があるからです。
国内受験だけを前提に考えると厳しく見える状況でも、視野を広げることで戦い方は大きく変わります。
一方で、高校生にとっては少し事情が違うとも思います。
高校生であれば、まずは国内の医学部を目指すという考え方が自然でしょうし、周囲と同じ土俵で受験を考えるのも当然です。
ただ、その中でも一度は考えてみてほしいのです。
偏差値の高い大学に入ることと、自分がなりたい医師像は本当に一致しているのか。
今見えている選択肢だけが、すべてなのか。
こうした問いを持つだけでも、受験に対する見え方は大きく変わると思います。
もし今、不安を抱えながら勉強している人がいるなら、最初から完璧である必要はありません。
ゴールから逆算して、やるべきことを細かく分け、一つずつ淡々と積み上げていけばいい。
海外医学部受験は、一度失敗したら終わりという性質のものでもありません。
だからこそ、必要以上に自分を追い詰めず、「今回ダメでもまた受ければいい」くらいの気持ちで挑戦することも大切だと思います。
私自身、この受験を通して、進路は最初から一つに決まっているものではないと実感しました。
大切なのは、周囲の常識ではなく、自分が本当に目指したいものに対して、どの道が最も現実的かを考えることです。
この連載が、ハンガリー医学部という選択肢を知るきっかけになり、誰かの進路を考える材料になれば嬉しく思います。
次回は、
「ハンガリー医学部に合格して振り返ること」として、
受験を終えた今だからこそ分かることや、もっと早く知っておきたかったことについて書いていきます。

