久留米大学医学部│物理の傾向と対策

久留米大学医学部の傾向と対策(物理)を、年度ごとに掲載しております。過去から遡って確認する事により、より良い傾向を掴み対策を立てることが可能です。

 

※難易度・スピードの☆印は5段階評価になります。

2020年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
答えのみを記述する大問が3つ出題された。
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力のモーメントのつり合い (1)~(6)では、L字型の長細い棒を折り曲げてつるして静止している時の力のモーメントのつり合いを考える。(7)では水平方向右向きに力を加えた際の力のモーメントのつり合いを考える。密度が一様に分布している物体に働く重力の作用点は重心であることが分かっていれば、誘導が丁寧なため、うまく問題を解いていくことができると思われる。ただ、(4)では、力のモーメントの正方向を反時計回りとしているので、マイナスがつくことに注意したい。(7)では、棒自身の重力の他に、mg/2という外力のモーメントを考慮してつりあいの式を立式する。全体を通して易しい問題といえるので、9~10割は正答したいといえる。 記述
2 斜めに薄膜に入射する光の干渉の問題 (1)~(6)では媒質1,媒質2,媒質3の絶対屈折率がそれぞれ1,n,2nの場合の問題である。教科書等に載っている典型的な問題である。屈折の法則の適用や、屈折率が異なる物質間の境界面での反射の際の位相のズレなど基本的なことが聞かれている。この場合の光路差が2ndcosθとなるのは知識として知っておくと解く際にラクである。

(7)~(9)では媒質1,媒質2,媒質3の絶対屈折率がそれぞれ2,3/2,1の場合の問題である。(7)では全反射する際の条件が聞かれているが、全反射する際には屈折角が90°となり、sin90°=1となるように屈折の法則を立式すればよい。(8),(9)は、(5)が解けていなければ解くことはできない。逆に解けていれば、回答することは簡単であるので、(5)は解けておきたいところである。

記述 標準
3 金属板が挿入されたコンデンサの問題 (1)~(2)は電気容量の公式と、直列接続したコンデンサの計算ができるか問われている。(金属板を挿入した場合、その厚さ分だけ短くなったコンデンサの直列接続とみなせばよい。)(3),(4)では極版と面の間の電界を求める問題であるが、答えが同じになることに注意したい。金属板に生じる電荷は電荷保存則により両面合計で必ず0になるはずなので、異符号で同量の電荷が極版Aと極版Bには生じるはずだからである。全体としては6割以上は正答したい問題である。 記述 標準

傾向と対策

2020年の久留米大学医学部の物理の入試問題は、昨年、一昨年に比べると若干易化したといえる。特に、大問1は落とさずに回答したい問題ばかりである。大問2では光路差を覚えているかいないかで大きく正答率が変わってくるといえる。いずれも典型問題であるといえるので、来年度以降の受験ではまずは典型問題の学習をし、理解を深めていくことが重要であるといえる。

2019年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
例年、力学と電磁気が出題され、本年はそれに加え熱力学が出題された。SI単位国際単位系での単位の記述が求められている。 力学・熱力学・電磁気
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 平面上での2球の衝突

運動量保存 エネルギー保存

これら二つの式を正しく立式できるかが鍵となる。

記述 標準
2 熱力学 理想気体の混合

真空への断熱自由膨張は気体のする仕事は0になることに注意する。

記述 標準
3 電磁気 RLC直列回路

各素子にかかる電圧の位相差に注意して電圧ベクトルの図を描けるかがポイントになる。

記述 標準

傾向と対策

SI国際単位系による単位の記述には注意する。誘導は丁寧だが、基礎事項に抜けがあると回答できない問題も見受けられるので、教科書などの内容は完璧にしておく必要性がある。

2018年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
力学、電磁気学は必ず出題される。熱力学も頻出。例年通り、SI単位国際単位系での単位の記述が求められている。 力学 電磁気
難易度 ☆☆ スピード ☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 慣性力のはたらく中での小球の落下運動 記述 易しい
2 熱力学 単原子分子理想気体
等温変化、
定圧変化、断熱変化
記述 標準
3 電磁気 平行板コンデンサー
静電エネルギーの変化と仕事
記述 標準

傾向と対策

日頃から標準的な問題集を丁寧に解いていれば、戸惑うことはまずないレベルの問題が多い。試験時間にも若干余裕があるのでじっくり考えて解答することができる。その分、合格に必要な得点も高くなるので、少しのミスもないように気をつける必要がある。また、SI国際単位系による単位の記述には慣れておこう。

2017年度入試

科目 物理 解答時間 二科目 120分
力学、電磁気を中心とした出題内容である。 力学 電磁気
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 力学的エネルギー保存則、水平投射の問題である。いずれも基本的な内容の問題であり、立式さえすれば一本道の問題である。(4)は未知数を設定しなければならないので、計算がやや煩雑か。 記述 標準
2 波動 レンズの屈折の問題である。レンズの公式やsinθの近似の考え方など、波動の基礎事項が問われた。(3)などでは正確な図を描くことが理解の助けとなるであろう。 記述 標準
3 電磁気 電場、磁場中での荷電粒子の問題である。(4)ではグラフの面積が移動距離を示すことなどの物理的な常識が問われている。具体的な動きをイメージするための手段として、図を描く練習を普段から積んでおきたい。 記述
描図
やや難

傾向と対策

基本問題が主に出題されるが、時折処理に手間取るような問題が見られる。普段から物体の運動をイメージしやすくするために、グラフや図を描く練習を怠らないようにしたい。

2016年度入試

科目 物理 解答時間 120分(2科目)
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 (Ⅱ)運動方程式と単振動の式から。つりあいの位置が振動の中心となるので、この運動の振幅は d となる。
(Ⅲ)図1-2を真横から見た図を考え、力のつりあいと円運動の方程式を用いればよい。
記述・描図方式 標準
2 熱力学 (Ⅰ)熱量保存則から熱量計の熱容量を求めればよい。
(Ⅱ)抵抗線の発する単位時間あたりの熱量は電力の式から。
(Ⅲ)抵抗線の発した熱量はすべて温度上昇に使われる。氷は20g、水は120gとなることに注意。
(Ⅳ)氷が融解しきるまで温度は0度である。
記述・描図方式 やや易
3 電磁気学 (Ⅳ)単位時間あたりに断面を通過する電荷量が電流である。電子の速さv[m/s] なので、導線 v[m] に含まれる電子数に電荷量を乗じればよい。
(Ⅵ)導線を運動する電子はy軸の正負の方向へ交互にローレンツ力を受け、電流の周波数と等しい周波数で導線が振動する。
記述・描図方式 やや難

傾向と対策

全3題構成で、力学と電磁気学からは毎年出題されている。

全3題のうち2題は力学と電磁気学から、残り1題は熱力学か波動から出題されている。
基本~標準レベルの問題が多いものの、幅広い項目から出題されるため教科書の内容をしっかりとおさえること。また、有効数字を含む計算や単位の記入が要求されているので、普段から計算練習を行い単位はしっかり覚えておくこと。


2015年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
難易度 ☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 非等速円運動・衝突現象 選択式 標準
2 熱力学 熱サイクル 選択式 易しい
3 電磁気学 誘導起電力・交流理論 選択式 易しい

傾向と対策

難しく思えるものでも冷静に取り組む。単位に注意


2014年度入試

傾向と対策

難しく思えるものでも冷静に取り組む。単位に注意

3題のうち2題は力学、電磁気から出題、1題は波動、熱力学から出題される。教科書レベルの基本的な問題が多く、やや難易度の高い問題も誘導にきちんと従えば解ける問題である。注意点は解答に単位が求められる点。正しく理解していなければ単位は答えられないので、教科書内容は正確に理解しておく必要がある。