金沢医科大学医学部│物理の傾向と対策

金沢医科大学医学部の傾向と対策(物理)を、年度ごとに掲載しております。過去から遡って確認する事により、より良い傾向を掴み対策を立てることが可能です。

 

※難易度・スピードの☆印は5段階評価になります。

2020年度入試

科目 物理 解答時間 2科目90分
力学と波動が出題された。
難易度 ☆☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 ゴム紐による物体の運動に関する問題。ゴム紐はバネと似たようにフックの法則が働くが、縮んでいるときは力を及ぼさないことに注意する。つまり等加速度運動と単振動の組み合わせの運動となる。(4)までは完答したいレベルである。 マーク 標準
2 波動 平面波の干渉に関する問題である。図が与えられていないので、まず図を描いて状況を理解するところからはじめなければならない。最後の問題では双曲線の方程式を導出することになる。 マーク やや難

傾向と対策

本年から試験時間、問題量共に少なくなった。しかし、難易度は簡単になったわけではなく、正確な数式の処理能力が求められる。近年の出題は受験生が手薄になっている分野から多く出題されているので、偏りなく学習する姿勢が求められていると思われる。

2019年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
例年力学が必ず出題され、本年はそれに加え熱力学と原子と総合問題が出題された。 力学・熱力学・原子・総合
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 斜方投射 床との斜め衝突 はね返り係数

正確な数値計算能力が求められる。

マーク 標準
2 熱力学 比熱 熱量保存則 これらの定義や法則を用いて解いていく。 マーク 標準
3 原子 原子核反応 放射性同位体

放射線の強さ、放射線の量、放射線の量を人体への影響を考慮し補正した量などの違いが問われている。原子核反応は連立方程式を解いて回答する。

マーク 標準
4 総合 クォーク 電力量 浮力

中性子は電気的に中性であることからクォークの個数についての方程式をたてることにより回答する。浮力の問題は重力と浮力のつり合いの式を立てて氷の体積を求める。

マーク 標準

傾向と対策

毎年必ず力学が出題され、電磁気も出題されることが多かったが、本年度は総合問題の中の小問でのみ出題された。原子分野の出題が多い。多くの受験生は時間に追われながら回答することになると思われるため、はやく正確に解く訓練が必要である。

2018年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
例年は力学・電磁気が出題されていた。今回、電磁気が波動に変わった。 力学 波動
難易度 ☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 総合問題 弧度法、半減期、波動方程式、うなりからの出題で、基本的な問題である。ミスがないようにしたい。 マーク 標準
2 力学 動く電車内の2物体の運動についての問題で、力学の問題としては、一般的なものである。計算ミスに注意が必要である。 マーク 標準
3 波動 虹が見える原理、屈折の法則、副虹の問題である。近似の計算もあり、やや難しいと思える。図形の感覚も必要で、光を作図して考える勉強も必要である。 マーク やや難
4 原子 光電効果の問題である。内容は基本的なものであるが、有効数字の使い方、グラフの見方など物理の基本事項も問われている。普段の丁寧な解答作成を心がけて欲しい。 マーク 標準

傾向と対策

例年の問題をみると、力学・電磁気が中心であるが、今回のように波動のやや難の問題が出されることもあり、分野を絞ることなく、すべての範囲を教科書から学習しておくことが必要である。また、問により難易度の差があり、解きやすいものからやっていく判断力も必要である。

2017年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
力学・電磁気の出題が例年みられる。 力学 電磁気
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 総合問題 うなりの回数、シャルルの法則、薄膜の干渉など基本事項が幅広く問われている。苦手な分野をなくすことがこういった形式の問題には求められる。穴のない学習を心掛けたい。 マーク 標準
2 力学 力のモーメント、斜面上の物体の運動についての問題である。やや複雑な計算も散見される。そのような計算を見通し良く解いていくためにはやはり力の方向を丁寧に描くことが重要になってくる。 マーク 標準
3 電磁気 交流回路、インピーダンスについての出題である。この分野は基本的な公式さえきっちりと理解していれば、機械的な計算処理で解答を導くことができる。確実に正答を得たい。 マーク 標準
4 原子 コンプトン効果、物質波についての問題である。基本的な知識が問われており、さほど難しくはないが学習の遅れなどで差がつきやすいところである。早めの対策が肝要である。 マーク 標準

傾向と対策

基本的な問題が多く、例年力学・電磁気がよく出題される。ただ、時折計算量の多い問題が見られる。見通し良く問題を解いていくために、物体にはたらく力の方向の図示から立式の流れに習熟しておきたい。

2016年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
難易度 ☆☆☆ スピード ☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 (1)力学的エネルギー保存則から。2)では遠心力があることに注意。(2) 6)~8)台車が速度を持っているので遠心力が(1)と異なる。9),10)衝突によって重心の位置が変わらないことを利用する。11)小球が最高点に達したとき、小球と台車は同じ速度をもつ。 選択肢 やや難
2 電磁気学 (1)公式から。(2)公式から。(3)電力の式から。(4)金属棒を流れる電流にはたらく力と重力の斜面方向の力のつり合い考えればよい。(5)金属棒は徐々に速度を増し終端速度に近づいていく。(6)aは左、bは右向きに力を受ける。 選択肢 標準
3 熱力学 (1)減少した体積はピストンが移動した体積に等しいので、[math]\frac { 4 }{ 5 } v={ S }_{ x }[/math] からばねの伸びを求める。(2)ばねの伸びを求め力のつり合いの式を立てればよい。(3)理想気体の内部エネルギーの式から。 選択肢 標準

傾向と対策

出題範囲は全分野だが、力学・電磁気学からの出題が特に多い。試験時間は理科2科目120分。標準的な難易度なので教科書をしっかりマスターすることが重要。ただし公式丸暗記では太刀打ちできない。式の意味や考え方をしっかりおさえること。煩雑な計算問題も出題されるため計算力を日頃から養っておく必要がある。

2015年度入試

科目 物理 解答時間 2科目120分
難易度 ☆☆☆☆☆ スピード ☆☆☆☆☆

設問別分析表

大問 区分 内容 解答方式 難易度
1 力学 衝突問題,摩擦のある台上での運動 易しい
2 電磁気学 コンデンサの性質について 易しい
3 光学 光ファイバー 易しい

傾向と対策

標準的な問題が大半を占めるが,問題数・計算量の割に試験時間が短いため, 普段から時間を意識して練習を積む必要がある。また,全問記述式のため,演習問題を解く際 に,単に解くだけではなく,しっかりと論理立てて解答を導く訓練をしておきたい。

2014年度入試

傾向と対策

複雑な計算問題でも素早く解けるように

力学、電磁気の出題頻度が高いが全範囲から出題される。波動や原子も出題されるが、標準的な問題が多い。教科書レベルの知識事項をしっかりと理解しておくことが必要である。計算問題には複雑なものが多いため、問題集などで計算力を磨いておかなくてはならない。